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在宅でどのように介護食を用意すればいいかをアドバイスするためには、各家庭の調理環境や介護者の知識レベルに合わせる必要があります。今回はどのように介護食の支援を行っているのか具体的な事例も交えてご紹介します。

調理環境や介護者の知識レベルに合わせた支援

調理環境は家庭によってさまざまです。また、介護者が今までまったく料理をしたことがない人の場合もあります。まずは家にある調理器具や調理環境を確認し、介護者の料理経験、経済力など生活のアセスメントをしてから支援がスタートします。

介護食は在宅療養者の身体のレベルにあった食事形態が求められます。しかし、介護者に嚥下食の分類など専門的なお話をしても、もちろん何のことなのかわからない方がほとんどです。そのため、介護者が理解しやすい言葉で説明する必要があります。しかし、「舌でつぶせるかたさ」や「歯を使わなくても食べられるくらいのかたさ」などのように説明しても、その人なりの解釈となり、正しく伝わらない危険性もあります。

そのような時には、実際にレトルトの介護食を見て食べてもらって、教材の代わりとして利用することがあります。自分で食べて体感することで、どのようなかたさがちょうどいいのか理解できるようになります。病院の食事というのは、入院患者さんが食べて、見て勉強できる一つの教材のような役割もありますが、そのようなイメージです。料理をよくしている主婦の方ですと、介護食のレトルトを用いて「このくらいのかたさや食感のものが合っていますよ」とお話し、実際に食べてもらうと、「このくらいなのね。じゃあ今日作った肉じゃがも食べてもらえそうね」など、自分が作っている料理に置き換えて考えていただけるきっかけになったりします。

私たちが適切なアドバイスをすることで、安全な食形態で食事ができ、かつ栄養もしっかり摂れるようになります。食形態の説明はレトルトの介護食を利用するだけではなく、市販の惣菜や食材を利用する機会も多くあります。ときには調理したものを確認しながら、また一緒に調理しながらアドバイスすることもあります。その家庭の状況に合わせて食支援を行なうことが大切となります。

手作りの料理にこだわりやすい年代の方たちもおり、食事の用意が思っている以上に負担になっている場合もあります。そういった方々に対して、手作りの介護食にこだわらず、その方に合ったレトルト食品や市販の惣菜、食品を活用するメリットも知っておいてもらうことは、介護負担の軽減にもつながるといえます。介護負担を少しでも減らせる知恵をお教えするのも、私たちの大切な役目の一つではないかと考えています。

次回は、介護者に調理指導をどのように行っているかの事例をご紹介したいと思います。

 

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WRITER

在宅介護における「介護食」の実際②

米山 久美子

在宅栄養専門管理栄養士 / 認定在宅訪問管理栄養士。 現在、訪問管理栄養士としていろいろな地域の在宅療養者を訪問し栄養食事指導をすべく日々駆け回っています!また、認定栄養ケア・ステーションeatcocoを立ち上げ、地域の栄養支援も積極的に行っています☆ 病院で管理栄養士をした後、シングルモルトウィスキーの聖地アイラ島の蒸留所巡りをしたくてイギリスへ留学。フレンチレストラン厨房にて助手の仕事なども経験。帰国後、フリーランスで働きながら、途中ワーキングホリデーでオーストラリアへ行きMeals on Wheelsのメインキッチンで働いたり、現地で起業しているRDにくっついて実地研修を経験。いろいろな地域でいろいろな食事や栄養のあり方を勉強してきたぶん、視野を広く地域の皆さんに貢献したいと思います★

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