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日本は戦後、アメリカの影響を受け、粉ミルク育児がブームとなりました。しかし、最近では、「完母(かんぼ)」と呼ばれる完全に母乳だけで育てる育児方法を推奨する傾向が増えています。今回は、粉ミルクを使ってはダメなの?という疑問に答えるため、母乳と粉ミルクについて、世界の指針と比較をしながらみていきましょう。

どうして、母乳育児ってそんなに流行っているの?

つい数年前まで、母乳に含まれる成分に変化はないという説がありました。しかし、最近では母親の食生活や健康状態のみならず、子どもの月齢によっても成分が変わるという説が有力になっています。また、母乳に子どもの免疫機能を助ける成分がたくさん含まれているという事実は、世界的にも共通して認知されています。これらの点をふまえ、現在、「生後6か月頃までは、白湯でも粉ミルクでもなく、赤ちゃんの口に入るものは、すべて母乳にしよう!」という考え方を、世界の多くの国々が指針にしています。

日本の粉ミルクは世界最高品質です!

日本の粉ミルクは非常に品質が良く、栄養成分なども充実しています。そのため、成長に必要な栄養を補えることが十分期待できます。ただし、母体で生成された抗体は、母乳にしか含まれていないため、完全に代替できるわけではないというのも事実です。

日本の政策はどうなっているの?

上記のさまざまな事情も加味して、日本の厚生労働省では、生後5~6か月頃から母乳や粉ミルクとあわせて離乳食をはじめ、母乳だけでは補いきれない栄養素を食べ物から摂っていこうという指針を出しています。

このように、母乳育児に関する指針でいえば、日本は世界基準から外れてしまっています。しかしそれは、日本の粉ミルクの品質がとても優れていることや、日本は海外と比べ、衛生的な水で安全に粉ミルクを調合してあたえることができる環境にあるということが背景にあります。現在の日本の政策は、日本における粉ミルクの品質、水の衛生状態などの環境的な条件と、お母さんたちのライフスタイルなどの条件に合わせて、推奨されているというわけです。

では、次回は卒乳のタイミングについて、同じように日本と世界を比較してみようと思います。

 

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みんなのコメント( 2

    • 太田 旭
    • 太田 旭
      41日前

      脂肪分が多いと乳腺炎の原因にもなりかねないので脂肪分の少ない水分摂取は大切かと思います。そういった意味では「母乳が出やすくなるお茶」とも言えるのでしょう。ストレスや肩こりなどが原因で母乳が出にくい場合は、リラックスするためにお母さんにビールを飲ませるという国もあるようです、これらは民間療法として土地や文化と共に伝承されるのでしょうね。

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    • 菅原 房子
    • 菅原 房子
      57日前

      やっぱり母乳なんですね。友人は母乳が出やすくなるというお茶を飲んでいました。そういうものって効果あるんでしょうか。ー

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WRITER

世界と日本の母乳育児と粉ミルク育児 前編

太田 旭

在宅型ホスピス、認可保育園、離島での僻地医療に従事した後、青年海外協力隊としてグアテマラへ渡りました。帰国後はアライアンス・フォーラム財団へ入団し、中産階級層を厚くするために途上国での慢性栄養不良改善・貧困削減を目指して活動しています。途上国での栄養改善・人材育成事業を担当する栄養士です。

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