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前回は、75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)検査とはどのようなものかをご紹介しました。

「75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)とは①~どんな検査?」

今回は、実際の75gOGTT検査内容と検査結果からわかることなどを紹介していきます。
75gOGTTはブドウ糖を溶かした飲料を飲み、ブドウ糖負荷後、30分後(必要に応じて)、1時間後、2時間後にそれぞれ採血を行い、血糖値と血液中のインスリン濃度を測定します。 ここで、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)6.3%で、糖尿病境界型が疑われたTさんの75gOGTT結果をみてみましょう。

※検査結果はTさんの結果を元に、解説一部改編しております。

Tさんの判定は?

空腹時血糖値が100mg/dl、負荷後2時間血糖値が150mg/dlでしたので、下記の表より、糖尿病境界型ということになります。

インスリン抵抗性

インスリン抵抗性とは、血液中のインスリン濃度に見合った分だけの血糖値降下の作用が得られない状態を示します。HOMA-Rという計算式を用いると、インスリン抵抗性があるかどうか見ることができます。日本人ではHOMA-Rが2.5以上であるとインスリン抵抗性があるとされます。

計算結果より、TさんのHOMA-Rは2.5となり、インスリン抵抗性があることがわかります。

インスリン分泌能評価(insulinogenic index)

計算式を用いた結果が0.4未満ですと、将来2型糖尿病の発症リスクが高くなると言われます。

計算結果より、Tさんのインスリン分泌能評価は0.3となり、将来2型糖尿病の発症の危険性があることがわかります。

インスリンの分泌能(HOMA-β)

膵臓からのインスリン分泌能を表します。40~60が正常範囲です。

計算結果より、Tさんのインスリン分泌能は92となり、インスリン分泌があることがわかります。

これらの結果を総合的に判断し、さらに高血圧症、脂質異常症の有無や他の合併症や既往歴を考慮して、主治医が今後の治療方針を決定します。食事療法や運動療法を中心に、生活指導を受けることもあります。
HbA1cと血糖値の数値のみではわからないことが75gOGTTで知ることができます。どのような血糖値の上昇パターンを示すのかを知ることで、療養指導や栄養食事指導の内容が変わってきます。主治医やチームで共有して、個人に合わせた食事相談ができるといいですね。

(参照:日本糖尿病学会編・著 糖尿病治療ガイド 2016-2017)

 

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みんなのコメント( 3

    • 菅原 房子
    • 菅原 房子
      1042日前

      海外の妊娠健診!日本国内との違いが気になります

      拍手 0

    • 山岸 奈緒美
    • 山岸 奈緒美
      1049日前

      海外で妊婦健診を受けていたことがあるのですが、このブドウ糖負荷試験は全妊婦が受ける検査に入っていました。日本では糖尿病リスクのある方のみだと思いますが、妊娠中に20㎏、30㎏増加が普通(!)の欧米人にはマストな検査なのかもしれませんね。

      拍手 1

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WRITER

75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)とは②~どんなことがわかる?

加藤 知子

イートリートアカデミー本気で特定保健指導したい人向け講座【知識編】の講師。 仙台白百合女子大学卒業。 総合病院勤務、人間ドック・健診機関勤務を経て、現在一般社団法人食サポートオフィス代表。 生活習慣病を予防するための生活・食事相談から疾病により食事療法を必要とする方への食事相談など広範囲にわたって食生活をサポートしている。 特定保健指導制度の開始とともに特定保健指導室の立ち上げや特定保健指導に従事。 現在はWEBサイト・雑誌・書籍への掲載やレシピ提案、特定保健指導や外来栄養食事指導に従事する管理栄養士へのトレーニングを行っている。 【所有資格】 管理栄養士、看護師 日本糖尿病療養指導士、病態栄養認定管理栄養士

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