• COLUMN

管理栄養士の資格、ドクター(博士号)を取得し、その後病院に就職。現在は子育てに専念中の竹田裕子さんに、管理栄養士を目指したきっかけや今後の目標についておうかがいしました。

管理栄養士を目指したきっかけ

管理栄養士という職業を意識したのは大学受験の時でした。
父は医師、母は薬剤師という家庭で、親戚にも医療系の職業の人が多かったので、漠然と自分も医療系の学部に進もうかなと考えていたのですが、医師や看護師は少し違うなと感じていたんです。
そんな時、母に管理栄養士になることを勧められました。以前からお菓子や料理を作るのが好きだったこと、身体の中でどのように栄養が働くのかということにも興味があったため、管理栄養士を目指すことにしました。

研究者への道のり

大学の卒業研究がきっかけとなり、研究の楽しさに目覚め、このまま研究を続けていきたいなと思い、修士課程への進学を決めました。修士課程の研究内容は、離乳期の小腸細胞を使用し、細胞ができる仕組みを遺伝子レベルで解明することでした。
修士課程を修了する時、はじめは研究員として大学の研究室に就職することを考えていました。しかし、研究員への就職を大学の先生に相談をしたところ、「研究員として就職する事を考えるなら、このまま大学で研究を続けてドクターを取得すれば、大学の教員になれるよ。」と提案をされました。そこで、博士課程から大学の教員を目指す道に進もうと決意をしました。

修論発表
パネル発表時の様子

ところが、博士課程の時に栄養学に関しての講演会を聞いて、実務経験がない研究者と現場の管理栄養士さんとの意識や考え方の違いを強く感じたことがありました。その経験がきっかけとなり、進路について再び悩むことになります。
このまま研究者として大学に残ると、現場のことが分からないまま偏った考え方になってしまうかもしれない。現場のことが分かった上で、教員として学生に教えないと意味がないと考えた私は、博士課程の在学中に栄養指導に携わり、修了後、病院に就職することにしました。

病院給食の現場でのやりがい

就職した病院は中規模の療養型の病院で、管理栄養士は私を含め二名でした。私の業務は献立作成がメインで、行事食から始まり、慣れてくると介護病棟の栄養管理、カンファレンスも担当させていただきました。経管栄養の患者さんも多かったので、その発注・管理などの業務もありました。食事の時間帯に巡回をし、食事の量や人気の献立についてチェックし、気付いたことがあれば、食形態の変更を提案していました。

実際の業務の中で強く実感したことは、長期の入院をしている患者さんにとって食事がどれだけ大切かということでした。上司や現場の調理師さんと相談しながら試行錯誤の毎日でしたが、患者さんの反応を間近に見ながら献立を立てられるのは、やりがいにつながりました。カンファレンスや、委託の栄養士さん・調理師さんとの調整など、実際にやってみないとわからないことがたくさんあり、貴重な学びをたくさん得ることができたと思います。また、勉強会に参加する、新しい論文や栄養士会の会報には必ず目を通すなど、情報へのアンテナは常に張っていました。

今後の目標

現在は育児に専念しているのですが、将来的には大学に戻って、管理栄養士を育てたいと考えています。
また、子育てをする中で、離乳食や子供の食事で悩んでいるお母さんが多いのを強く感じています。例えば、食事量について、食べ過ぎる、食べなさ過ぎる、何をどれだけあげればいいのかわからない…などです。
行政の離乳食講座だけでは十分ではないのでは? 管理栄養士の仕事の枠を広げるためにも、民間で何かできないか? 例えば、離乳食を提供して、お母さんも一緒にランチを食べる座談会など、お母さん達のリフレッシュもはかりながら支援できる仕組みがあればいいなと思っています。
さらに、これだけ栄養に関する情報があふれている中で、ご飯とおかずを組み合わせて食べる、3食きちんと摂るといった基本的なことが意外とできていないのでは? と感じることも多いです。子供時代にしっかりとした食育を行うことの重要性についても訴えていきたいですね。

管理栄養士を目指す方へのメッセージ

一言で管理栄養士といっても、分野の幅はとても広く、その人が目指す方向で学ぶ内容は少しずつ異なります。まずは基本的な知識をしっかりと身に付け、その上で、病院で働くのか? スポーツ栄養に興味があるのか? など、自分が目指す方向が見えてきたらそれに関連する情報収集をしていくことも、大切だと思います。

関連インタビュー
女性の活躍の場としての外来栄養指導① - 泊真希子さん
栄養改善プロジェクトで国際的に活躍する栄養士の仕事① - 太田旭さん
深く幅広い知識が求められる訪問栄養食事指導の仕事① - 村上奈央子さん

コメントを送ろう!

「コメント」は会員登録した方のみ可能です。

みんなのコメント( 10

    • 竹田 裕子
    • 竹田 裕子
      131日前

      >大倉様
      共感していただけてとても嬉しいです!
      「病院に来なくていい人を増やしたい」は管理栄養士としての原点ですよね。
      その為にも、管理栄養士が活躍できる場所を増やしていきたいと思います。
      私も薬膳には触れた事が無いので、大倉様のコラム楽しみに読ませていただいています。
      是非、栄養士業界を盛り上げていきましょう!

      2

    • 大倉 あやこ
    • 大倉 あやこ
      135日前

      「管理栄養士を育てたい」、とても素晴らしい志ですね!
      私も中国の医学部で医師の道を進んでおりましたが、おっしゃるように、患者さんへの食の大切さを改めて認識し、「病院に来なくていい人を増やしたい」と医師にはならず、栄養士としてやっていくことを決めました。
      帰国してからは栄養士や看護師に中医学や薬膳を教えていますが、うまく中西医結合が進めばいいなと夢見ています^^
      ともに栄養士業界盛り上げていきましょう!

      1

    • 竹田 裕子
    • 竹田 裕子
      135日前

      >田中様
      私は研究分野から実務に向かったタイプなので興味深いお話ありがとうございます!
      基礎研究と実務を結びつけるのは本当に大変ですよね。
      ただ多くの基礎研究が結びついて今の社会があると思うので、研究は大切だなと思っています。

      1

    • 田中 紗代
    • 田中 紗代
      138日前

      実務経験があってこそ、研究のモチベーションがわくのですが、つい、「それって役に立つの?」という問いが常に出てきて基礎研究に目が向かない・・・そんな昔を思い出しました。

      1

    • 竹田 裕子
    • 竹田 裕子
      142日前

      >賀茂様
      確かに、あると言われている時期が来ないと不安になりますよね。
      ただ両親だけではなく、いろんな大人に見守ってもらえている甥っ子さんはとても幸せだと思います。
      お母さんとしても心強いのではないでしょうか。

      1

    • 賀茂 明子
    • 賀茂 明子
      144日前

      うちの甥っ子がイヤイヤ期がなかったようで、逆に怖いです。思春期に倍増して戻って来そうです。

      1

    • 竹田 裕子
    • 竹田 裕子
      146日前

      >山岸様
      ありがとうございます!
      山岸様のお話、とてもわかります。
      2歳前後はイヤイヤ期も入ってくるので「大人しくなるなら」と思ってお菓子をあげてしまうんですよね。。。
      子供との関わり方と食事を結びつけて支援出来ることを考えていきたいと思います。

      1

    • 竹田 裕子
    • 竹田 裕子
      146日前

      >菅原様
      ありがとうございます!
      はい!そしてイートリートで情報共有出来ると嬉しいです。

      1

    • 山岸 奈緒美
    • 山岸 奈緒美
      148日前

      離乳食や幼児食で悩んでる方が多いというの、よくわかります。
      離乳食はマニュアル通りにものすごくきっちり作って、そこで燃え尽きるのか、2歳くらいから突然お菓子など無制限に与えている人もよく見ますね…。そこからがむしろ大切なのに、と思います。
      知識も子育て経験もある方の啓蒙活動が広がっていくと本当にお母さんたちの役に立つと思うので、期待しています!

      1

    • 菅原 房子
    • 菅原 房子
      148日前

      竹田さん かっこいいですね。私も情報収集がんばります

      0

WRITER

研究者と臨床、両方の知識を活かして貢献したい -竹田裕子さん

Eatreat 編集部

Eatreat編集部

Eatreat 編集部さんのコラム一覧

関連タグ

関連コラム

"インタビュー"に関するコラム

もっと見る

ログインまたは会員登録が必要です

会員登録がお済みの方

ログイン

まだ会員登録をされていない方

新規会員登録

ページの先頭へ