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小児生活習慣病とは?

「小児生活習慣病」はその名の通り「小児で発症する生活習慣病」です。
生活習慣病は元々、成人病と呼ばれ、加齢に伴い発症する疾患と考えられていました。
しかしその後の研究により、加齢よりも生活習慣によるものの関連が強いことがわかり、1997年頃から生活習慣病と名称が変更されました。
そして現在では、小児期に発症する例も増えてきています。特に小児肥満は小児生活習慣病発症の原因となるため、「健康日本21」プロジェクトでは2010年までに小児肥満7%という数値目標を挙げていました。(1997年の小児肥満10.7%)(※1)
この取り組みによるものか、平成27年度の学校保健統計調査によると、年齢層によりバラツキはあるものの2006年度以降、肥満傾向児(8~17歳)はおおむね減少傾向にあると報告されています。(※2)

さまざまな生活習慣がその発症・進行に関与する疾患

生活習慣病の代表的な疾患は高血圧、脂質異常症、糖尿病です。これらの疾患は自覚症状がほとんど無いため、気付かないうちに進行し血管に影響を及ぼします。この状態が長く続くと動脈硬化が進み血管が脆くなり、心疾患や脳卒中などを起こしやすくなります。
実際、平成28年度の人口動態統計によれば、死亡原因疾患の第2位に心疾患(198,006人)、第4位に脳血管疾患(109,320人)と報告されており(※3) 、生活習慣病による影響が懸念されます。
しかし、平成27年度の国民健康・栄養調査によると「糖尿病が強く疑われる者」は約 1,000 万人と推計され、平成9年以降増加しています。
また、「糖尿病の可能性を否定できない者」も約 1,000 万人と推計され、平成9年以降増加していたが、平成 19 年以降減少していると報告(※4)されており、「糖尿病の可能性を否定できない者」の減少が「糖尿病が強く疑われる者」の減少につながることが望まれます。

小児生活習慣病のリスク、防止の重要性

前述の通り、糖尿病や高血圧などの生活習慣病は、生活習慣が強く関係していますが、加齢の影響によっても進行します。加齢による影響としては、血管の硬化が進み動脈硬化のリスクが上がることや、血糖値が上昇し糖尿病のリスクが上がることがわかっています。加齢に伴う血糖上昇の原因としては、血糖値を下げるホルモンであるインスリン分泌の低下や、体内の筋肉量の減少、脂肪量の増加によりインスリンに対する反応が悪くなることがあります。(※5)
このように加齢によるリスクもある中で、生活習慣が強く関係している事を考慮すると、出来るだけ早い時期から生活習慣を見直す必要があります。また生活習慣病は、一生付き合っていく病気ですので、小児期で発症すると生活の様々な場面で制限が増える可能性が考えられます。
以上の事から小児期の生活習慣を見直すことで、小児生活習慣病を防ぐだけではなく将来的な生活習慣病患者の減少が期待できると考えます。

参考文献:
※1 富山大学大学院 医学薬学研究部 疫学・健康政策学講座 http://www.med.u-toyama.ac.jp/healpro/toyamast/toyamast.html
※2 平成27年度 学校保健統計  http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2016/03/28/1365988_01.pdf p6
※3 平成28年度 人口動態統計 http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei16/dl/10_h6.pdf p15
※4 平成28年 国民健康・栄養調査 http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/kekkagaiyou_7.pdf p8
※5 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット 糖代謝と老化 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/rouka/toutaisha-rouka.html

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みんなのコメント( 2

    • 竹田 裕子
    • 竹田 裕子
      549日前

      >菅原様
      こちらこそ読んでいただきありがとうございます!
      小児生活習慣病は怖い病気ですが、意識することで予防出来る病気です。
      連載となっていますので、続けて読んでいただければ恐怖心は小さくなってくれると思います。

      拍手 0

    • 菅原 房子
    • 菅原 房子
      552日前

      小児生活習慣病恐ろしいですね!! いつも有益情報をありがとうございます

      拍手 0

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WRITER

①なぜ気を付ける必要があるのか

竹田 裕子

長男の出産を機に家庭に入り、大きな活動はしていませんでしたが、2017年10月に「こどものごはん」を立ち上げ、現在は食育の普及活動に力を入れています。 3兄弟(3歳の息子と0歳の双子の息子)の母親と管理栄養士としての視点を合わせて、実践できる「こどものごはん」について考え、伝えていきたいと思っています。 経歴としては、博士号を取得後、療養型の病院で献立作成を中心に、介護病棟の栄養管理、カンファレンスを担当し働いていました。

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