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『① なぜ気を付ける必要があるのか』
『②小児生活習慣病の原因』

これまで、小児生活習慣病・小児肥満を予防するためには、早い時期から生活習慣を整える事が大切であるとお伝えしてきました。そこで最後に、小児期における生活習慣の形成や整える方法についてまとめます。

3歳までの生活習慣の大切さ

日本には「三つ子の魂百まで」ということわざがあるように、3歳までに形成された性格や性質は100歳になっても根底は変わらないと思われています。実際、科学的にはどうなのでしょうか?
そこで子どもの生活習慣における研究を調べてみました。
富山の研究チームは、3歳の時点で就寝が遅い子どもは小学4年生の時点でも遅い傾向にあることを報告しています。(※1)しかし、1999年の小児保健研究によると、生活習慣の規則化に幼稚園や保育園への入園が影響することも報告(※2)されており、両方の見解が示されました。

また、ベネッセの研究では、3歳児期に「生活習慣」を身に付けると、その後の「学びに向かう力」「考える力」の伸長につながると報告されています。(※3)この「学びに向かう力」「考える力」は3歳児から4歳児にかけて大きく伸びるとされており、特に3歳児期に「生活習慣」を身に付けた子どもでより高く伸びるため、3歳児期での「生活習慣」の定着がこの力の伸びを支えているとしています。
以上のことから、3歳児期での「生活習慣」の定着がその後の生活習慣や「学びに向かう力」に影響することが示唆されました。しかし、3歳で身に付いていなくても、幼稚園や保育園の入園により「生活習慣」が整えられる場合もあるため、どの時期からでも焦らずに取り組むことが重要です。

親の生活習慣は子供の生活習慣に影響する

子どもの「生活習慣」を見直すために大切なのは、親子で一緒に改善へ取り組むことです。愛知教育大学の2016年の報告によると、子どもの生活リズムを保護者が意識することは、幼児の規則正しい睡眠や栄養バランスのよい食事等の健康的な生活習慣の確保に必須であると報告されています。(※4)
また特に、母親の就寝時刻、起床時刻、テレビやDVD視聴時間等は子どもの就寝時刻に影響しており、父親よりも影響が強いことが分かりました。さらに、この研究では就寝時間が遅いと、朝食の欠食率が増加し、朝食のバランス意識や三色食品群の数が低下する事も報告されています。

まとめ

これまでの報告をまとめると、子どもの生活習慣には親の生活習慣が大きく影響し、反映されるという耳の痛い結果となりました。また、就寝時刻と朝食の欠食率や朝食のバランス意識の関係は興味深く、早寝早起きをすることで食事への意識も高まることが考えらます。

生活習慣を整えるきっかけとして、まずは親子で生活習慣を見直し、早寝早起きに取り組んでみてはいかがでしょうか。

参考文献
(※1)富山大学大学院 医学薬学研究部 疫学・健康政策学講座
http://www.med.u-toyama.ac.jp/healpro/toyamast/toyamast.html
(※2)幼児期の生活習慣の変化についての縦断的研究
http://hikumano.hama-med.ac.jp/dspace/bitstream/10271/412/2/ShoHoken-58_6-690.pdf
(※3)第43回 3、4歳で伸びる“学びに向かう力”とは?~幼児期から小学1年生の家庭教育調査・縦断調査より~
http://berd.benesse.jp/jisedai/opinion/index2.php?id=4058
(※4)幼児の睡眠・生活リズムと親子の生活習慣等との関係
https://aue.repo.nii.ac.jp/action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=1186&item_no=1&page_id=13&block_id=21

「子供の食事と栄養」についてはこちらもチェック!
『赤ちゃんの鉄分補給』
『離乳食から幼児食へ~咀嚼の練習のため、食材への工夫は続く~』
『赤ちゃんには注意が必要な食べ物』

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WRITER

③小児期からの健康づくり

竹田 裕子

長男の出産を機に家庭に入り、大きな活動はしていませんでしたが、2017年10月に「こどものごはん」を立ち上げ、現在は食育の普及活動に力を入れています。 3兄弟(4歳の息子と2歳の双子の息子)の母親と管理栄養士としての視点を合わせて、実践できる「こどものごはん」について考え、伝えていきたいと思っています。 経歴としては、博士号を取得後、療養型の病院で献立作成を中心に、介護病棟の栄養管理、カンファレンスを担当し働いていました。 現在は大学の非常勤講師として臨床栄養学を担当しています。

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