• COLUMN

『予防医学としての栄養学の知識をより多くの人に広めていきたい① - 大野由香梨さん』の続きです。

予防医学の現場で

その後、現在の職場である医療法人社団へ管理栄養士として転職しました。健康診断や保健指導に力を入れているクリニックで、私も主に人間ドックや保健指導全般に携わっています。業務内容は多岐にわたり、健診結果入力、再検査や二次検査のフォローアップ、特定保健指導(テレビ電話での面談・事業所訪問)、企業様への訪問指導(栄養指導、禁煙啓蒙教室)など様々です。
子供のころから思っていた、「食や栄養で病気の予防に貢献したい」という思いをついに実現できたわけですが、毎日たくさんの方の食事のサポートをできることを本当にうれしく思っています。

例えば特定保健指導では、数ヶ月~数年を通して体重・腹囲が減り健康診断の数値改善につながり身体の調子がよくなった、水のように飲んでいた清涼飲料水を止めてお茶や炭酸飲料に変えてみたら疲れにくくなった、精神的にも前向きで明るくなったなど、身体や心の変化をご本人が実感し、それを報告してくださったときは本当にやりがいを感じます。初めは野菜なんて嫌い! 絶対に食べないとおっしゃっていた方が大好きになったとうかがった時は心の中でガッツポーズです(笑)。
また、健康運動指導士の資格も持っているため、メタボ指導などでストレッチや筋力アップの体操をお教えしたりしていますが、体重過多により、腰や膝が痛いと言っていた方が立ち仕事が楽になったとか痛みがなくなったなどと笑顔で言ってくださったときは飛び上がるほど嬉しかったです。

実際に症状が出ている場合は治療のために食事の改善にも前向きに取り組んでくださる方が多いですが、何も出ていないうちにお話をしなければならないので、迷惑がられたりうるさく思われることもあるのが予防医学の難しいところです。指導する側の押しつけにならないように接していかなければならないということに、毎日気を付けて取り組んでいます。
私の場合、多くの受診者の方には1年に1回しかお会いしませんが、毎年何かひとつでもその方に応じたアドバイスをし、健康への意識を高めていけるようにするのが私達の役割だと思っています。

管理栄養士としての自己研さん

学生のときは、管理栄養士になれば自動的に食材の事を聞けば何でもすぐに答えられる、カロリーや栄養素に関しても全て頭に入っていて、暗算でだいたいの数値が出せるようになると思っていました。また、何を料理しても失敗することなく安定してできるようになると勝手に予想していました(笑)。
実際になってみて感じたのは、資格を取っただけでは私の理想とする管理栄養士とは程遠いということです。

常に食や健康に関する情報は変わるものですし、話題の健康法や機能性食品などについても知らないと、受診された方との話が噛み合わないこともあります。いくら教科書の内容を覚えても、栄養相談で生かせるのは本当にわずかです。そういった知識の足りない管理栄養士では説得力に欠けると思いますし、何より相手に嘘をお伝えしたくないので、最新の学会のデータなどを常にチェックして、信憑性が高い情報をきちんとお伝えしたいと思っています。
そのために、仕事に関連する知識や情報は貪欲に集めています。新聞・雑誌やネットも常にチェック。休日にはセミナーに行ったりと情報収集は怠りません。新しい事を知る・学べる機会を非常に楽しんでいます。
また、区民対象の公開講座などにもできる限り参加しています。内容ももちろんですが、講演する側としての手本・資料作成の参考になります。

現在は生活習慣病の予防がメインとなっているのですが、対象の方が違うと栄養アドバイスも全く異なるので、これからは幼児期か高齢者の方まで幅広く栄養相談ができる管理栄養士になれればと思っています。
また海外の方に日本食の良さを広めたいと言う気持ちから、将来は国際的にも活躍できるようになりたいという夢もあります。
そして管理栄養士の地位向上のため、将来管理栄養士を目指す学生さんなどのサポートもしてみたいです。

 
休日はとにかく体を動かしてリフレッシュしています!

栄養士・管理栄養士を目指す方へ

興味や関心を持った事は貪欲になんでも経験してみてください。一見全く異なる仕事にも、意外と重なる部分があったりします。 また、基本は人の健康に関わる仕事なので自分が健康で元気ではないと説得力がありません。対象者の方の手本となるように心身共に磨いていきましょう!
起業する管理栄養士さんも増えていますし、以前より知名度も高くなったのを実感しています。活躍できる場も非常に広くなったと思いますが、私と同じ同世代の栄養士さんは子育てや家事で精一杯で資格を生かせていない方が多いと感じることもあります。私達のような管理栄養士とニーズのある個人を繋げるきっかけ作りができないか、そして日本全体がもっと食や健康に関心を持ち、病院に通院する人が減るようになればいいなと考えています。

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予防医学としての栄養学の知識をより多くの人に広めていきたい② - 大野由香梨さん

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