Eatreatの栄養素事典、今回は「ナトリウム」についてです。
ナトリウムとは
原子番号は11、元素記号はNaでアルカリ金属元素の一ひとつです。
ナトリウムは生命活動の維持に必須の栄養素で、1/3は骨に、残りは細胞外液に含まれています。体の水分量を保持しながら、細胞外液や血液の量を調節しています。細胞の膜にはナトリウムとカリウムをくみ出すポンプ機能が備わっていて、ナトリウムとカリウムでバランスを取りながら水分調整を行っています。他には胆汁酸や膵液の材料になったり、筋肉の働きや神経の伝達を正常に保ったりするつ働きもします。小腸で吸収され、皮膚や便、尿から排出されます。
ナトリウムを摂りすぎると
ナトリウムは食事から食塩(塩化ナトリウム)として摂取されることが多いです。基本的には排泄されますが、過剰な状態が慢性的になると、日本人の8割は遺伝的に体に蓄積しやすくなります。
過剰摂取すると、むくみや高血圧、胃がんや脳卒中などのリスクが上がります。
ナトリウムが不足すると
食事から十分摂取しているので、不足することはありません。腎臓機能が正常であれば、ナトリウムの再吸収を腎臓で行うので欠乏することはありません。しかし、大量に汗をかいたり、激しい下痢、利尿剤により多量のナトリウムが排出されたりすると、体の水分や血液が減少し、食欲低下やだるさを生じたりします。
食塩相当量の算出の仕方
食塩は塩化ナトリウムのことを言います。食品成分表ではナトリウムを「食塩相当量」に換算します。
食塩相当量g=ナトリウム(Na)mg×2.54÷1000
ナトリウムは1日にどれくらい摂ればいいの?
成人の推定平均必要量は約600mg/日で、食塩相当量に換算すると1.5g/日になります。日本人の平均的な食生活では必要量を下回ることはないため、推奨量は設定されていません。
欧米では食塩摂取量を6g/日以下と推奨されていますが、日本では7.5g~9.0g未満を目標量として設定しています。
参考文献:
・『日本人の食事摂取基準 2015年版』 第一出版
・『栄養の基本がわかる図解事典』 中村丁次 成美堂出版 2014年
・『これは効く!食べて治す最新栄養成分事典』 中嶋洋子・蒲原聖可 主婦の友社 2017年