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妊娠および授乳期では赤ちゃんへの栄養が優先され、お母さんがしっかりと栄養を摂っていないとお母さん自身の栄養状態が悪くなります。そこで、このような状況を予防するために、「日本人の食事摂取基準」では妊娠時期に合わせて様々な栄養素の付加量を設定しています。今回は妊娠初期・中期・末期、授乳期の4回に分けて、それぞれの時期に気をつけたい栄養素の付加量についてまとめました。

【注意事項】
このコラムは「ふつう体型」であるBMI:18.5以上25.0未満の方を対象にしています。
「ふつう体型」ではない方や「ふつう体型」であっても医師の管理が必要な方は参考にせず、お医者さんの指示に従って下さい。(BMIは体重÷身長(m)×身長(m)で求められます。)

妊娠初期(16週未満)

①妊娠初期の症状と食事について

妊娠初期の16週の間に、赤ちゃんは身長約15cm・体重約120gにまで成長します。16週前後で胎盤が完成し、これによりつわり症状がおさまると言われています(1)。つわりは、妊娠4週ごろから始まり(2)、つわりの種類も人により様々です。もし気持ちが悪くて何も食べられない場合は、食べたい物を食べましょう。私は水道水がダメになり、市販の水でもメーカーによっては飲めない物もありました。少しお金がかかってしまう場合もありますが、1つでも食べられる物、飲める物を探しましょう。
また、逆に食べていないと気持ち悪い「食べづわり」の場合は、低カロリーで満足できる物を探すことをおすすめします。妊娠初期で体重が増えすぎてしまうと、妊娠後期の体重管理が難しくなってきます。

②エネルギーの負荷量は+50kcal

この時期のエネルギー負荷量は50kcal/日(3)です。つまり、標準的な食事より50kcal多く食べることが推奨されています。エネルギー量だけではわかりにくいと思いますので、50kcalの量を具体的にイメージしてもらうために、下記に50kcalの食品量を示しました。

50kcalの食品量
・ご飯30g(大きさの目安:お寿司のシャリが1貫20g)
・5枚切りの食パン1/4切
・板チョコ 2片

上記の通り、妊娠初期のエネルギー負荷量は意識するほど大きな物ではありません。つわりで食べられない方は無理せず、食べられる物を探しましょう。

③葉酸を積極的に摂取しましょう

妊娠初期は葉酸の摂取が推奨されています。厚生労働省の「妊産婦のための食生活指針」によると、妊娠の1か月以上前から妊娠3か月までの間に葉酸を摂取することで胎児の「神経管閉鎖障害」の発症リスクが低減することが期待できると報告されています。
葉酸摂取の目安は、食品からの摂取に加え、いわゆる栄養補助食品(サプリメント等)から1日0.4mg(400μg)を摂取することを推奨しています。ただし、この栄養補助食品の利用は過剰摂取につながりやすいため、医師の管理下にある場合を除き、1日当たり1mgを超えるべきではないとされています(4)。

参照:
(1) 妊娠12~15週 公益財団法人 母子衛生研究会
http://www.mcfh.or.jp/jouhou/taiji/12_15week.html
(2) 妊娠4~7週 公益財団法人 母子衛生研究会
http://www.mcfh.or.jp/jouhou/taiji/4_7week.html
(3) 妊婦・授乳婦 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4as.pdf
(4) 妊産婦のための食生活指針 p19 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3a3-02c.pdf

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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
    • Eatreat 編集部
      136日前

      Eatreat編集部です!

      今回は4回シリーズで妊娠と食事・栄養についてお届けます!このようなラインナップです。

      妊娠期の付加量・食事について①妊娠初期(16週未満)
      妊娠期の付加量・食事について②妊娠中期(16~28週未満)
      妊娠期の付加量・食事について③妊娠末期(28週以降)
      妊娠期の付加量・食事について④授乳期

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WRITER

①妊娠初期(16週未満)の付加量・食事について

竹田 裕子

長男の出産を機に家庭に入り、大きな活動はしていませんでしたが、2017年10月に「こどものごはん」を立ち上げ、現在は食育の普及活動に力を入れています。 3兄弟(3歳の息子と0歳の双子の息子)の母親と管理栄養士としての視点を合わせて、実践できる「こどものごはん」について考え、伝えていきたいと思っています。 経歴としては、博士号を取得後、療養型の病院で献立作成を中心に、介護病棟の栄養管理、カンファレンスを担当し働いていました。

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