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今回の旬の野菜は6月に旬の「モロヘイヤ」です。

モロヘイヤという名の由来

モロヘイヤはシナノキ科のツナソ属の高温を好む1年草です。別名をトロロナ、台湾ツナソ、ナガミツナソ、ジュートとも呼ばれています。青じそに似た若葉を食用にします。原産はインド西部、アフリカで、5000年以上前から古代からエジプトやアラビアで、野菜として利用されていたようです。
モロヘイヤという名前は、アラビア語で「王様だけのもの」という意味になります。エジプトでは王様がモロヘイヤのスープで病気が治ったという伝説があり、「王家の野菜」「宮廷野菜」とも呼ばれています。そのため、クレオパトラも好んでいたとも言い伝えられています。

モロヘイヤの日本普及は結構最近

日本に入ってきたのは、昭和30年代と言われています。エジプトからの帰国者の一部が、滞在先での味を懐かしんで、家庭菜園ぐらいの規模で栽培し、ひそかに緑のとろろスープを楽しんでいたに過ぎないところから始まっています。
本格的に普及し始めたのは昭和60年頃からです。栽培方法が簡単で、さらにビタミンやミネラルが野菜の中でも特に多く、日本風に食べると美味しいことがわかり、健康野菜として知られるようになりました。葉物が少なくなる夏場に出回るのも特徴のひとつです。

モロヘイヤの栄養素

カロテンが100g中10,000㎍と、にんじんを上回る量で、さらにほうれん草の2倍以上含まれています。緑黄色野菜の王様と言ってもいいでしょう。
ビタミンB2、B6、葉酸、C、パントテン酸、ビタミンE、ビタミンKも豊富です。そしてカルシウム、リン、マグネシウム、マンガン、鉄などミネラルも豊富なうえ、食物繊維も豊富で、申し分ない野菜なのです。
刻むと強い粘りが出るのは、ムチンやマンナンによるものです。モロヘイヤは気温が上がるとともにグングンと成長大きくなり、放っておくと3~4mにも育って、黄色い花が咲いて硬くなります。

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モロヘイヤの自家栽培の注意点

そして、気を付けたいことがあります。花が咲いた後にさやができますが、その小さなさやの実の中にある種には、毒性の強いステロイド類のストロファンチジンという成分が含まれています。市販のものは取り除いてありますが、家庭菜園など収穫して使用する場合は、花やつぼみ、さやなどは早めに摘み取りましょう。
また、市販されているものは安全ですが、茎に実と同じ毒性があることはゼロではありません。かさねがさね家庭菜園などの場合は、茎から葉をはずして調理しましょう。日本で言うと麻に近いものなので、その食用種と考えるといいでしょう。

美味しいモロヘイヤの選び方と保存方法

葉にハリがあり、色が鮮やかでピンとしているもの。茎に弾力があるもの。葉先が変色していたり、茎の切り口か褐変していたりするものは控えましょう。
乾燥に弱いので、水で湿らせた新聞紙で包み、ポリ袋に入れて野菜室で冷蔵しましょう。葉だけを摘んで、密閉容器に入れ、冷蔵してもOKです。鮮度が落ちると、葉が硬くなって、茎からパラパラと葉が落ちてきます。茹でても、やわらかくならずに硬いままになります。2~3日で使いきるようにしましょう。葉とやわらかい茎を利用します。

モロヘイヤの調理方法

モロヘイヤは味や香りにくせがなく、生で食べることができます。ただし、ほうれん草よりシュウ酸が多いので、たくさん食べたい時は、さっと茹でましょう。茹でた後は、せっかくの粘りを取り過ぎないようにしましょう。
包丁でたたいて酢醤油でさっぱりといただくといいですね。そのままあたたかいご飯にのせても、納豆やオクラ、やまいもに混ぜても。おひたし、サラダ、炒め物、煮物、卵とじ、天ぷら、グラタンにも合います。味噌汁やスープでもおいしくいただけます。冷製スープにして生クリームを加えたり、パスタや麺のトッピングにしたりしても。にんにくともよく合います。また、クッキーやケーキに入れてお子様向けにも活用できます。

参考文献:
・『とれたて大百科』 JAグループホームページ https://life.ja-group.jp
・『七訂 食品成分表2016』 女子栄養大学出版部 2016
・『野菜の効用事典』 山口米子 大滝 緑 明治書院 2005
・『新・野菜の便利帳 健康編』 名取貴光 高橋書店 2016
・『新・野菜の便利帳 おいしい編』 板木利隆 高橋書店 2016
・『旬の野菜の栄養事典』 吉田企世子 エクスナレッジ 2016
・『簡明食辞林 第2版』 樹村房 1997
・『原色食品図鑑 第2版』 建帛社 2008
・『地域食材大百科 第2巻』 農山漁村文化協会 2010
・『趣味の園芸 やさいの時間』 2017年6月号 NHK出版 2017
・『趣味の園芸 やさいの時間』 2017年8月号 NHK出版 2017

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WRITER

「モロヘイヤ」の栄養素や歴史【管理栄養士監修】6月の旬の野菜の栄養学

小山 幸子

現在は病院、クリニックでの食事サポート、調理実習のほか、食コラムの執筆等。 『この食事が、人生で最後の食事かもしれない』を、モットーに業務に携わっている。 メカオンチのあがり症。 高校卒業後、会社員として8年間勤務後、26歳で栄養士養成校へ。 教員より年上の生徒だった経験を持つ異色の栄養士。 毎日書道会 会友 (雅号:小山 桃花)

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