• COLUMN

今回は授乳期に気を付けたい栄養素の付加量についてです。
妊娠中の付加量と食事についてはこちらを参照してください。
『妊娠初期(16週未満)の付加量・食事について』
『妊娠中期(16~27週)の付加量・食事について』
『妊娠末期(28~39週)の付加量・食事について』

【注意事項】
*年齢別の基本とするエネルギー量は18~29歳:1650kcal/日、30~49歳:1750kcal/日です。タンパク質量の目安は18~49歳:50gです。
*こちらのエネルギーやタンパク質量に追加する量を「付加量」と呼んでいます。

授乳期

①授乳期の症状と食事について

授乳期は人により異なる事も多く、母乳量にも個人差があるため一律に示すことが難しい時期です。産後1カ月は、子宮の収縮もあり、慣れない育児による寝不足など、環境の変化がめまぐるしいと思います。母乳の分泌は出産後数日で増加し、3カ月頃に最も多くなります。(1)
赤ちゃんによっては授乳開始時、授乳が1時間おきの場合もあり、お母さんへの負担が大きくなります。母乳が足りない場合や、お母さんの体調も考慮して始めは粉ミルクとの混合を検討しても良いと思います。また食事については、母乳のために食べてはいけない食品等の情報があふれていますが、根拠となる科学的データが得られていないので今回は記載しません。もちろん暴飲暴食はいけませんが、お母さんのストレスが増えないようにすることが最も大切だと思います。

②体重をこまめに量りましょう

厚生労働省が示す授乳期のエネルギー付加量は350kcal/日、タンパク質は20g/日(2)です。これは1日の母乳量が全期間を通じて780mlとして計算されています。ただし授乳期は母乳量により必要なエネルギー量には個人差が大きく、一律で示すことが難しいのが現状です。授乳量が少ない場合、エネルギーを追加する必要はないですが、授乳量がしっかりとある場合は体重をこまめに量り、産後の体重の増減を意識しましょう。体重管理は生後6カ月を目安に標準体重【(身長)m×(身長)m×22】kgに近づけること(3)が記されています。ただ、子育て中の過度なダイエットは危険ですので、無理はせずに痩せすぎないように意識をして体重を管理しましょう。

③産後のカルシウム摂取が骨密度を回復させる

妊娠により胎児へと移行するカルシウムや、母乳として出て行くカルシウムはお母さんの骨が由来となっているため、妊娠や授乳による母体の骨量減少を阻止することは難しいと報告されています。(4)しかし、妊娠・授乳期では非妊娠時と比べて腸管からのカルシウム吸収が上昇する事が報告されており、カルシウムの付加量が設定されていません。(4)ただ、非妊娠時からカルシウムの摂取量が著しく低い場合は、産後の骨密度の回復が不十分となり、将来、骨粗鬆症にかかるリスクが上がります。カルシウムの目標量700mg/日を目指しましょう。

カルシウムを多く含む食品
・牛乳コップ半分(100g):110mg
・プロセスチーズ1個(20g):126mg
・小魚アーモンド2袋(10g):90mg

参照:
(1)妊婦・授乳婦 厚生労働省 p286
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4as.pdf
(2)妊娠・授乳期の食事摂取基準
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000114401.pdf
(3)妊産婦のための食生活指針 母乳育児も、バランスのよい食生活のなかで p32
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3a3-02g.pdf
(4)日本人の食事摂取基準(2005年版)カルシウムの新しいエビデンス
http://www.kao.co.jp/rd/healthcare/activity/healthcare08_02.html

参照: (1)妊娠28~39週 公益財団法人 母子衛生研究会
http://www.mcfh.or.jp/jouhou/taiji/36_39week.html
(2)妊産婦のための食生活指針 「妊娠期の至適体重増加チャート」について p62
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3a4.pdf
(3)妊婦・授乳婦 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4as.pdf
(4) 妊婦への魚介類の摂取と水銀に関する注意事項
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/index-a.pdf

参考コラム
・『妊娠中のカフェインについて』
・『妊娠中の肥満は危険?正しい体重管理』
・『妊娠糖尿病とは?』

コメントを送ろう!

「コメント」は会員登録した方のみ可能です。

みんなのコメント( 0

  • No post.

    まだ投稿がありません。

"妊娠期・授乳期の付加量・食事について"のバックナンバー

もっと見る

WRITER

④授乳期の付加量・食事について

竹田 裕子

長男の出産を機に家庭に入り、大きな活動はしていませんでしたが、2017年10月に「こどものごはん」を立ち上げ、現在は食育の普及活動に力を入れています。 3兄弟(3歳の息子と0歳の双子の息子)の母親と管理栄養士としての視点を合わせて、実践できる「こどものごはん」について考え、伝えていきたいと思っています。 経歴としては、博士号を取得後、療養型の病院で献立作成を中心に、介護病棟の栄養管理、カンファレンスを担当し働いていました。

竹田 裕子さんのコラム一覧

関連タグ

関連コラム

"妊娠・出産・育児"に関するコラム

もっと見る

キッコーマン 基本の炒めだれ
フードキャリア
CONFERENCE

ログインまたは会員登録が必要です

会員登録がお済みの方

ログイン

まだ会員登録をされていない方

新規会員登録

ページの先頭へ