カリウムとは?
カリウムは、成人体内に約200g含まれており、大部分は細胞内液に存在しています。細胞外液のナトリウムと相互作用して、細胞の浸透圧を維持し、水分量を保持する役割を果たしています。
簡単に言うと、ナトリウムが多いと体内に水分を取り込み、カリウムが多いと体外に水分を排出する役割を持っています。つまり塩分を摂り過ぎると、浮腫(むく)みにつながります。
浮腫みにも関係するカリウム
浮腫みの原因としては、座りっぱなしや立ちっぱなしなども考えられますが、浮腫みやすい方は、食事の味の好みが濃くありませんか? 思い当たる方で浮腫みやすいという人は、カリウムをしっかり摂りましょう。ナトリウムの過剰摂取は問題ですが、カリウムは過剰になることはありません。
カリウムを多く含む食品は、野菜や果物、海藻類です。熱に弱く、茹でこぼすと約30%のカリウムが失われます。高血圧で塩分を気にしている方は、料理に野菜や海藻をたくさん入れると、塩分の排出も促されます。味噌汁は野菜や海藻などを入れて具だくさんにすれば、問題ありません。
足のつりにもカリウムが関わっている
カリウムとナトリウムのバランスは、筋肉の収縮(ちじみ)や弛緩(ゆるみ)とも関係します。特に、カリウムは筋肉の弛緩の働きに関係しているので、欠乏すると足がつるといったことも起こりやすくなります。
夏バテ予防にカリウムを
夏は汗をたくさんかくため、ナトリウムと同時にカリウムも失います。そのため、カリウム不足になりやすいのです。体内はナトリウムの濃度が高まっているため、喉が渇き水分を欲します。水をたくさん飲むと、体液が薄まることで夏バテや食欲不振の原因になります。
カリウムを失いやすい原因は以下の通りです。
【カリウムを失いやすい原因】
・熱による調理、カリウムは水に溶けやすい
・食塩の摂取量が多い(濃い味、加工食品、スナック菓子など)
・ストレス
・下痢や嘔吐
・コーヒー、紅茶などカフェインが多く、利尿作用のあるものの摂取
腎障害がある場合
また、腎臓に障害があると、カリウムの排出が出来なくなるため高カリウム血症となり、カリウム制限が必要な場合もあります。医師と相談しながら対応していきましょう。