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今回の旬の野菜はただ今旬の「レンコン(蓮根)」です。

レンコンの歴史

レンコンはスイレン科の水生多年草です。はすの地下茎が大きくなったものです。地下茎以外に、種子や葉も食べることはできますが、日本では、主に根を食べています。栽培発祥の地はインドとされています。
原産地はインド、中国、エジプト、オーストラリアなど様々な説があります。
レンコンの化石は、日本全国で出土されていて、千葉県の検見川では2000年前の地層から、古代のはすの種が発見されて、発芽して花を咲かせて話題になったことがあるようです。
花として育てられる地下茎のレンコンが、どのようにして食用になったかは不明の様です。

レンコンの種類

食用とするレンコンは、大きく分けて、明治の初めに中国から伝わった中国種と、鎌倉時代の僧道元が持ち込んだ在来種があります。中国種は在来種に比べて粘りが少ないのですが、シャキっとした食感で好まれています。根茎が太くなり、収穫しやすい中国種が今では広く栽培されています。在来種は、茎が地中深くもぐって収量が悪いので、ごく限られた地域に残るだけのようです。

レンコンのつくり

レンコンは、はす池の底の泥の中で生長します。根に平均して10個ほどある穴は、茎に通じている通期孔になっています。茎や葉で呼吸した空気を、地中の根まで送り込んでいるのです。
このように空気を送り込んでいることによって、レンコンの表皮に付いた鉄分と反応して酸化鉄を作るので、レンコンの表面が赤くなり、外観が悪くなっていきます。これは洗ってもなかなか落ちません。そのために、レンコンを収穫する時は、茎と葉を刈り取る「から刈り」をして、レンコンへの酸素の供給を断って、レンコンの表皮が還元状態になって簡単に鉄分が洗い流せるようになります。

レンコンと縁起かつぎ

「はす」の名前は、はすの果実の「蜂巣(はちす)」から呼ばれるようになったとされています。そして、食用になる根の部分は「蓮の根(はすのね)」ということで、レンコンになったと言われています。おせち料理やお祝いの料理に、レンコンが使われているのは、穴があることから「見通しがよい」という意味あいを持たせて縁起をかついだものになります。花は観賞用にされていて、インドや中国では神聖なものとして神事に欠かせないひとつです。また、蜂の巣状の果実は、種が食用となります。

レンコンの栄養

レンコンの成分で水分の次に多いのは炭水化物で、その大部分がでんぷんです。でんぷんは、ヒトの体内で分解してブドウ糖となって、生命活動のエネルギー源となります。でんぷんが多いので、野菜の中では高エネルギーになります。
そしてムチンという粘質物が含まれています。なめこと同じ糖たんぱく質になります。切ると糸を引くのはこの粘質物になります。新鮮なものほど、この糸を引きます。
レンコンのアクの成分はポリフェノールによるものです。一般的にはタンニンと呼ばれるものです。タンニンは鉄と結びつきやすく、酸化して黒くなるので、鉄鍋の使用は避けましょう。
ビタミンBの仲間のパントテン酸、ビタミンB1、B2、B12、葉酸、ナイアシン、ビタミンCが豊富です。食物繊維、カリウム、カルシウム、鉄、銅などのミネラルも含まれています。

レンコンの選び方と保方法

根がまっすぐで、よく太り、穴のサイズがそろっていて傷がないもの、外の皮がきれいでツヤがあるものがいいですね。節と節の間が細くて長いものは古い節で、色や風味が低下しているものが多くなります。表面が黒くなったもの、穴の中が赤いものや切り口が変色しているものは控えましょう。
カットされたものは、穴に空気が入らないようにラップで包み、両端に節がついた丸ごとのものは、湿らせた新聞紙に包んで、ポリ袋に入れて野菜室で冷蔵するのがいいですね。切ったり、皮をむいて空気にふれたりすると黒ずんでくるので、水や酢水に浸けるといいでしょう。

レンコンの調理方法

レンコンには、いくつもの節があり、芽に近い方が、やわらかいといわれています。芽がついた「芽ばす」は、小さいために値段が安いことが多いのですが、味がよくシャキシャキ感が強いので、サラダやきんぴらに向いています。
歯切れよく仕上げたい時は、加熱しすぎないようにしましょう。ゆっくり加熱をしてホクホク感を味わいたい時は、酢水につけるとホクホクにならないので、つけずに調理しましょう。酢のもの、揚げ物、煮物、炒め物、肉巻き、サラダ、マリネに。そのまま焼いても。 きんぴらは輪切りや、小さめの乱切り、縦に細長く切るなど、バリエーションを楽しめるのがいいですね。すりおろして味付けをして焼くと、レンコン餅に、そのままくわえてとろみのあるスープにも。刻んで肉団子に。
グラタン、シチュー、カレーにも。クリームチーズと和えても。穴のあいた切り口をいかして、厚めに切ったレンコンにハンバーグの種をつめて肉詰めに。
ちなみに、熊本の郷土料理である「からしレンコン」は、病弱だった細川家三代藩主忠利のために、考案されたものと言われています。中国では、レンコンのでんぷんを「藕粉(オウフェヌ)」といい、高価で製薬用や料理に用いられています。

参考文献:
・『とれたて大百科』 JAグループホームページ https://life.ja-group.jp
・『七訂 食品成分表2016』 女子栄養大学出版部 2016
・『野菜の効用事典』 山口米子 大滝 緑 明治書院 2005
・『新・野菜の便利帳 おいしい編』 板木利隆 高橋書店 2016
・『野菜の仕入れ事典』 瀬戸達和 旭屋出版 2008
・『機能性野菜の科学』 佐竹元吉 日刊工業新聞社 2016
・『いつもの野菜まるごと百科 やさいの教室』 かんき出版 2016
・『簡明食辞林 第2版』 樹村房 1997
・『地域食材大百科 第2巻』 農山漁村文化協会 2010

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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
    • Eatreat 編集部
      44日前

      Eatreat編集部です。本日の旬の野菜の栄養学は、「レンコン」です。シャクシャク、ホクホクとおいしいレンコンの豆知識をどうぞ。

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WRITER

「レンコン」の栄養素や歴史【管理栄養士監修】11月の旬の野菜の栄養学

小山 幸子

現在は病院、クリニックでの食事サポート、調理実習のほか、食コラムの執筆等。 『この食事が、人生で最後の食事かもしれない』を、モットーに業務に携わっている。 メカオンチのあがり症。 高校卒業後、会社員として8年間勤務後、26歳で栄養士養成校へ。 教員より年上の生徒だった経験を持つ異色の栄養士。 毎日書道会 会友 (雅号:小山 桃花)

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