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代表的な栄養素について管理栄養士が解説するシリーズ「Eatreatの栄養素事典」。第9回目は「鉄」についてです。

鉄のはたらき

鉄は、たんぱく質と共に赤血球中のヘモグロビンをつくる大切な栄養素です。このヘモグロビンは全身に酸素を運ぶ役割を果たしています。ヘモグロビンが不足すると、全身への酸素が届かなくなる、いわゆる酸欠の状態になります。これでは、エネルギーの生産ができなくなり、疲れやすくなり持久力が低下します。これを鉄欠乏性貧血といいます。
鉄欠乏性貧血は通常、男性より女性に多く発症し、中でも、閉経前の女性、妊婦、体重が軽い方が良いとされるスポーツ選手(長距離、新体操、体操、フィギュアスケートなど)に見られます。偏ったダイエット、月経での出血過多、妊娠中、過度のトレーニング行うなどの人は、貧血になりやすい状態です。

鉄欠乏性貧血の症状

鉄欠乏性貧血の症状としては以下のようなものが挙げられます。
・めまい(ただし、立ちくらみは脳貧血であり、鉄欠乏性貧血とは別である)
・顔色が悪い
・疲れやすい
・スプーン爪
・倦怠感
・氷をかじりたくなる
・動悸や息切れ

鉄欠乏性貧血における血液検査の項目

鉄欠乏性貧血における血液検査の項目は以下です。
・ヘモグロビン濃度
・血清鉄…血清中の鉄
・フェリチン…貯蔵鉄 いわゆる鉄の貯金箱

他の項目もありますが、とりあえずはこの3点を覚えておきましょう。一般の血液検査では、ヘモグロビン濃度しか含まれていません。血清鉄やフェリチンは貧血検査の項目です。これらの値が低下していると、潜在性の貧血、ヘモグロビンの値が下がってきたときには、フェリチンや血清鉄はかなり低い値になっています。
日常的にスポーツをやっている人は、血清鉄やフェリチンが低下していると、パフォーマンスが低下してくることがあります。

鉄を多く含む食品

鉄を多く含む食品には以下のようなものがあります。
・ヘム鉄が豊富な食品…レバー(鶏、豚、牛)、赤身の豚肉や牛肉、赤身のカツオやマグロ
・非ヘム鉄が豊富な食品…葉物の緑黄色野菜(小松菜、ほうれん草など)、大豆・大豆製品、海藻類など

ヘム鉄の豊富な食品は、動物性食品です。比較的吸収率が良いと言われています。
非ヘム鉄の豊富な食品は、吸収率がとても悪いため、ビタミンCの食品と一緒に食べると、吸収が良くなります。ピーマンやブロッコリー、芋類、かんきつ類などにビタミンCが多く含まれています。

鉄の吸収を阻害するものに注意

また、鉄の吸収を阻害するものもあります。コーヒーや緑茶、紅茶に含まれるタンニン、ほうれん草やたけのこに含まれるシュウ酸です。シュウ酸は、調理の上で抜けるので、問題ないと思いますが、コーヒーなどの飲み物は気になるところです。貧血気味の人は、食後にこれらを飲むのは避けるようにしてください。食後2時間程度経っていたら、飲んでも問題はありません。

なお、最近は鉄のサプリメントもドラッグストアなどで手に入ります。鉄は、不足すると貧血になりますが、過剰摂取すると、肝臓に負担がかかり害になります。鉄のサプリメントなどを自己判断で飲むのはやめましょう。貧血を疑う場合は、まず医師と相談して、血液検査の結果から診断してもらってください。

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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
    • Eatreat 編集部
      149日前

      Eatreat編集部です。今回の栄養素辞典「栄養素について知ろう」は、「鉄」です。若い女性を中心として、問題いなっている「鉄欠乏性貧血」にも触れています。

      拍手 3

WRITER

栄養素について知ろう⑨「鉄」とは?

岡田 あき子

フリーランスのスポーツ管理栄養士です。 アスリートのサポート、スポーツ栄養の料理教室、 実業団チームの合宿帯同、記事執筆、セミナー開催などやっています。 管理栄養士 体育科学修士 食アスリート協会認定 シニアインストラクター 日本健康食育協会 シニアマスター

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