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代表的な栄養素について管理栄養士が解説するシリーズ「Eatreatの栄養素事典」。
第23回目は「パントテン酸」についてです。

パントテン酸の名前の由来

パントテン酸とは、「どこにでもある酸」というギリシャ語が由来とされています。パントテン酸の「パン」とは、「広い」という意味です。すなわち、「あらゆる自然の食品のなかに含まれている=生物界で広く存在している」という意味になります。ニワトリやヒナの皮膚炎の治癒因子として見つかった栄養素で、ビタミンB群の一種です。
その仲間であるビタミンB1とともに糖の代謝、そして、ビタミンB2とともに脂質の代謝を助け、バイプレーヤー(名わき役)と言っても過言ではありません。

パントテン酸の働き

パントテン酸自体には生理作用はないのですが、体内で補酵素A(コエンザイムA)の構造の一部を作るのに使われています。 補酵素Aは1940年代末、生化学者のフリッツ・アルベルト・リップマン(Fritz Albert Lipmann)博士によって、アセチル基を活性化する耐熱性因子として発見されました。そして、アセチル=AcetylのAをとって、コエンザイムAと命名されました。
補酵素Aは、アシル基(アセチル基もそのひとつです)を化合物から化合物へと移転させる一種の運び屋ということになります。このパントテン酸がないと、栄養素をエネルギーに変えられません。
炭鉱に例えると、パントテン酸はアセチル基という石炭をTCA回路という炉の中に放り込む時の「スコップの役割」をしているということになります。

さまざまな分野で活用されるパントテン酸

さらに善玉のコレステロールを増やす働きもあります。また、「抗ストレスビタミン」「ビタミンB5」とも言われることも。ストレスをやわらげ、イライラを解消する働きも期待でき、癒し系の栄養素なのです。また、ビタミンCと協力して、いきいきとした肌や髪を保つために働いてくれます。風邪のウィルスと戦う抗体にも関係しています。パンを発酵させるのに使うイーストの培養にも必要な栄養素の一つです。

パントテン酸は不足しにくい

パントテン酸はありとあらゆる食品に含まれており、不足すると腸内細菌の力を借りて作ることもできるため、通常の食事をしていれば、不足することはまずありません。また、飲酒やコーヒーをよく飲む方は、パントテン酸の消費が多くなります。パントテン酸の欠乏による体への影響は不明な部分が多いのですが、バーニングヒート(足が熱くなる)や、血圧低下、頻脈による疲労、副腎皮質ホルモンの異常や、十二指腸潰瘍の発生要因としても注目されています。

パントテン酸が多く含まれている食品

パントテン酸はレバー・鶏もも肉・鮭・うなぎ・子持ちかれい・納豆・干しシイタケ・アボカドなどに多く含まれています。パントテン酸は水溶性で熱にも弱いので、生で食べられるものはそのまま食べるとよいでしょう。
栄養素にはさまざまな歴史と物語が詰まっています。まだまだ研究段階のことも多いですが、まんべんなく食べられて栄養を摂取できるいうことは、大切なことであり、幸せなことですね。

栄養素の含有量はEatreatの栄養価計算機で確認できます。
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参考文献
●七訂 食品成分表2016 女子栄養大学出版部 2016
●簡明食辞林 第2版 樹村房 1997
●栄養素キャラクター図鑑 田中 明・蒲池桂子 日本図書センター 2014
●世界一やさしい!栄養素図鑑 牧野直子 新星出版 2016
●栄養と料理 2012年6月号 女子栄養大出版部 2012

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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
    • Eatreat 編集部
      224日前

      Eatreat編集部です。今回は栄養素辞典シリーズの第23回目、「パントテン酸」について解説します。

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