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代表的な栄養素について管理栄養士が解説するシリーズ「Eatreatの栄養素事典」。
第24回目は「ビタミンC」についてです。

ビタミンCの働きとは?

ビタミンCは自分が 酸化される(酸素と結合する)ことによって、相手を還元する(相手から酸素を奪う)働きをします。ビタミンCは壊血病の予防因子として、発見されたビタミンです。またの名をアスコルビン酸といいます。壊血病(Scurby)を予防、治癒する因子という意味で、否定の接頭辞aをつけて、「ascorbic acid』」(アスコルビン酸)と名付けられました。
ちなみに、ヒト、サル、モルモットなどの動物は、ビタミンCを食事として体外から摂取しなければなりませんが、他の動物の多くは自分の体内でビタミンCを作り出すことができるので、食物として摂取する必要がありません。

動物の身体と酸化

すべての動物の体内細胞は酸素を必要としています。酸素とくっついたり(酸化)離れたり(還元)することによって生命体を維持していますが、動物の身体は、とても酸化されやすい仕組みになっています。酸化というのは身体にとって必要不可欠な反応なのですが、いきすぎると悪影響をもたらします。

たとえば油脂類は酸化がいきすぎると「過酸化脂質」という物質になります。過酸化脂質は老化の原因の一つと言われています。体内での酸化反応は、常に適正な状態に調整されていなければならないのです。そしてビタミンCは体内での酸化反応と還元反応を調整しているビタミンなのです。

ビタミンC発見の歴史と壊血病

かつての大航海時代(15世紀〜17世紀前半)、船に野菜を積まずに長い船旅に出た人たちの多くは、ビタミンCを摂取することができず、ビタミンC不足からくる壊血病が原因で亡くなりました。また、ビタミンCがまだよく知られていない頃、牛乳で育てている赤ちゃんに時々ビタミンC不足が見られました。母乳にはビタミンCが含まれていますが、煮沸消毒した牛乳にはビタミンCが含まれていなかったためです。

また、壊血病に苦しみながら、船乗りたちが新大陸から持ち帰ったじゃが芋に、たまたまビタミンCが多く含まれていたので、それ以降ビタミンCの供給源のために、じゃが芋がヨーロッパに普及したと言われています。 細胞と細胞を結合するコラーゲンという物質を作るときにはビタミンCが必要となります。それでビタミンCが不足すると毛細血管の壁がもろくなって皮下に出血斑ができたり、歯ぐきからの出血が止まらなくなったりします。これが壊血病の代表的な症状です。

ビタミンCの特性

ビタミンCは、水溶性のため水に溶け出てしまいます。また、加熱にも弱いので、食材をゆでることなどによっても失われます。さらに自然界にはビタミンCを酸化してしまう酵素などが多いので、 採取した後、時間がたつと働く力がだんだん低下していきます。ビタミンCの体内での働きはいろいろあります。

ビタミンCの働き

また、ビタミンCは鉄の吸収率をよくする働きがあることもわかっています。現代はストレス社会です。私たちはストレス(精神的、肉体的)に出あったとき、副腎皮質ホルモンを分泌してそれに対処します。このホルモンを作るときに、ビタミンCが必要なのです。ビタミンCが不足すると、ストレスに対する抵抗力が弱くなるというのはこのためです。ではビタミンCは大量に摂取すればするほどいいのかというと、そうではありません。ビタミンCは水溶性ですから体内にためておくことができません。摂り過ぎた分はすべて尿の中に捨てられてしまうのです。
ピーマン・ブロッコリー・じゃが芋・柿・いちご・キウイフルーツなど野菜や果物にはビタミンCがたっぷり含まれているものがたくさんあります。不足しないようにまんべんなく、おいしく摂り入れていきましょう。

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参考文献
●七訂 食品成分表2016 女子栄養大学出版部 2016
●簡明食辞林 第2版 樹村房 1997
●栄養素キャラクター図鑑 田中 明・蒲池桂子 日本図書センター 2014
●世界一やさしい!栄養素図鑑 牧野直子 新星出版 2016
●アプローチ生体成分─食物・栄養・健康の化学─ 五明紀春 技報堂出版 1985

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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
    • Eatreat 編集部
      18日前

      Eatreat編集部です。今回は栄養素辞典シリーズの第24回目、「ビタミンC」について解説します。

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