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代表的な栄養素について管理栄養士が解説するシリーズ「Eatreatの栄養素事典」。
第26回目は「一価不飽和脂肪酸」についてです。

一価不飽和脂肪酸とは

不飽和脂肪酸のうち、二重結合を1つ含むものを一価不飽和脂肪酸と言います。一価不飽和脂肪酸ほかにも、モノエン酸、モノ不飽和脂肪酸とも呼ばれています。不飽和脂肪酸は、二重結合の周りの原子団の配置によって、シス型(こちら側)とトランス型(向こう側)の2つの幾何異性体がありますが、天然の不飽和脂肪酸は、ほとんどシス型配置をしています。
もし、トランス型であれば、炭素の鎖はちょうどアコーディオンを引き伸ばしたような形となり、飽和脂肪酸とほとんど同じ分子の形になります。シス型では、アコーディオンを湾曲させたような形になります。2個以上の二重結合を持つ多価不飽和脂肪酸では、ますます湾曲が増します。

体内でも合成される一価飽和脂肪酸

一価飽和脂肪酸は食品からの摂取に加え、体内でも不飽和脂肪酸から合成されます。そして、一価不飽和脂肪酸の代表選手が、オレイン酸です。これは炭素数が18で、二重結合が1つ、メチル末端から数えて9番目の炭素に最初の二重結合がある脂肪酸です。この時、オレイン酸はC₁₈:₁ n-9と表します。

この末端の炭素をω(オメガ)炭素と呼ぶので、不飽和脂肪酸はn-3系(ω3系)、n-6系(ω6系)、n-9系(ω9系)と系列に分類できます。n-3系(ω3系)はリノレン酸系列、n-6系(ω6系)はリノール酸系列、n-9系(ω9系)はオレイン酸系列とも言います。 n-9系(ω9系)の不飽和脂肪酸は、哺乳動物の体内で合成できますが、n-3系(ω3系)とn-6系(ω6系)は、合成ができません。そのため、この系列の不飽和脂肪酸については、植物体内で合成されたものを食物の形で摂らざるを得ない事になるため、必須脂肪酸と呼ばれるのです。

一価不飽和脂肪酸と多く含む食材は?

一価不飽和脂肪酸は、肉・魚・植物油に多く含まれています。脂肪酸成分表によると、可食部100gあたり、エゴマ油には16g、今人気のアマニ油にも15gの含有量があります。血中コレステロールの減少、胃酸の分泌の調整や、腸の運動を高める作用などがあります。ただし、日本人の食事摂取基準では必須脂肪酸ではないため、目安量は設定されていません。

また、一価不飽和脂肪酸と冠動脈性疾患などの生活習慣病リスクの関連は明らかではないとして、目標量も設定されていません。しかし、欧米の研究では、摂取量が多いと、冠動脈性心疾患や肥満のリスクになることが示唆されているため、過剰摂取に注意すべきとしています。脂質摂取に関しては、脂肪酸のバランスも重要とされています。いずれの脂肪酸も、主な供給源は脂質含量が高い食品になります。おいしいコクを楽しみながら、加えていきましょうね。

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参考文献
●農林水産省ホームページ
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_eikyou/fat_eikyou.htm
●七訂 食品成分表2016 女子栄養大学出版部 2016
●栄養科学シリーズNEXT 基礎栄養学 第3版 講談社 2015
●簡明食辞林 第2版 樹村房 1997
●栄養素キャラクター図鑑 田中 明・蒲池桂子 日本図書センター 2014
●世界一やさしい!栄養素図鑑 牧野直子 新星出版 2016
●アプローチ生体成分─食物・栄養・健康の化学─ 五明紀春 技報堂出版 1985
●臨床病態栄養学 武田 英二 文光堂 2013

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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
    • Eatreat 編集部
      294日前

      一価不飽和脂肪酸の特徴と一価不飽和脂肪酸を多く含む食品についてを解説します。

      拍手 0

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