• COLUMN

管理栄養士の加藤知子さんが、食塩摂取量を減らすための食事や食事指導法について解説する連載です。栄養士としての視点を交えながら、減塩の話題や栄養指導や保健指導に活かせる情報を紹介していきます。

日々の食塩摂取量を減らすことで、将来の高血圧症を予防できることを本連載の第1回『栄養士必見!一歩先をいく減塩指導』で紹介しました。
では食塩摂取量を減らすには具体的にはどのようなことをしたら良いのでしょうか?今回は食事相談や栄養指導で活かせる、食塩摂取量を減らすための具体的な食事・調理方法の例をご紹介したいと思います。

 

調理法にもよる食塩摂取量の違い

前回のコラム『第3回 だしがあればアレンジ簡単。押さえておきたい夏のおかず3選』でもお伝えしましたが、平成29年国民健康・栄養調査の結果によると、20歳以上の方では、しょうゆ、塩、味噌、ドレッシングやめんつゆなどの調味料に含まれる食塩含有量が、摂取する食塩の総量における約70%近くを占めていることがわかっています。1)
料理によって含まれる食塩量には差がありますし、またその料理を食べる量でも食塩摂取量は変化します。食塩使用量が多い料理の代表としては、鍋料理、麺料理、汁物、カレーやシチューなどのお米にルーをかける料理、チャーハン、ピラフなどの味付き主食、煮物、あんかけ料理などが挙げられます。反対に比較的少ない料理としては、油脂を使用する炒め物、揚げ物などがあります。

「野菜料理はヘルシー」=「食塩が少ない」ではない

では野菜などをメインに使った料理はどうでしょうか。野菜・きのこ・海藻類は、全体的にエネルギーが低く食物繊維を多く含むため、健康維持に留意している方は積極的に食べていると思いますが、ここで注意したいのは「どんな調理法で食べているのか」という点です。エネルギー(カロリー)を抑える代わりに、食塩が多くなっていないか、確認が必要なポイントです。

以前、栄養指導で「野菜を食べるように言われたので一生懸命食べているよ!」とおっしゃる患者さんがいらっしゃいました。その患者さんの24時間畜尿検査※1の結果は、食塩摂取量が約25g/日。これは目標の6g/日の約4倍以上の食塩を摂取していたことになります。この方に食事内容と調理方法の詳細を聞き取り調査すると、「豚汁(インスタント味噌汁)」を1日2回、「きゅうりの糠漬け」を1日3本、「白菜キムチ漬け」を毎回の食事で食べていらっしゃいました。生野菜サラダはどんぶり1杯分。野菜そのままでは味気ないということで、ドレッシングを大さじ4~5杯かけていたようです。

近年の糖質制限ブームやノンオイルブームの中で、さまざまな商品が販売されるようになりましたが、商品によってはドレッシングなどの調味料が低エネルギー・高食塩量になっている商品もあります。栄養成分表示と1回の使用量を確認した上で、上手に使用したいところですね。

だしの活用法

だしを料理に活かすと、塩分の多い調味料を減らすことが出来るため、だしについては栄養指導時に紹介したいワザのひとつです。

左:だしで煮た大根に、田楽味噌をつけたもの→食塩含有量:0.4g
右:おでん→食塩含有量:1.0g

大根はどちらも100gですが、食塩含有量が大きく異なります。
おでんのような煮物料理は、食材の表面だけではなく、内部にも食塩が浸透しているため、思っている以上に食塩摂取量が多くなりやすいのです。一方、だし汁で煮た大根の表面に調味料を少量かけるだけでも、薄味が気にならず美味しく食べられる上に、食塩摂取量を少なく抑えることができます。

私が栄養指導時、塩分についての説明に使っているイラストがこちらです。
温野菜サラダ、ふろふき大根、野菜のお浸し(しょうゆや鰹節を上から少量かける)などがその代表的な例で、野菜を茹でて水気を絞り、表面に少量の調味料をかけて食べるのが一番おススメの食べ方です。

キャベツやレタスなどの生野菜のサラダも良いですが、表面積が大きいため、ドレッシングをかけても味がついていないような感覚になることもあるので、かけすぎに注意が必要です。このイラストを交えて説明すると、対象者の反応が良く、かつ減塩もスムーズに進むことがあります。栄養指導のヒントになれば幸いです。

参照:1) 平成29年国民健康・栄養調査、厚生労働省かい ※1:24時間畜尿検査 …1日に排出される尿を貯めてその一部を検査することで、腎臓の機能や1日あたりの尿たんぱく量、摂取した食塩量、摂取したたんぱく質量を知ることができる。

今回のおすすめ商品

鰹の素 桜印
良質のさば節・いわし節・かつお節などの節類を粒状にしたものに、うま味の強いかつお・まぐろエキスをコーティングしただしパックです。だしを効かした美味しいおでんに特におすすめです。

鶏がらスープ(粉末)
チキンと香味野菜のうまみをバランスよく組みあわせた風味豊かな粉末タイプの鶏がらスープの素です。スープをはじめ、炒め物、和え物など様々なお料理に幅広くご使用ください。

サンプルお問い合わせ先
※リンク先はマルハチ村松企業サイトとなっております。

協賛:株式会社マルハチ村松

だしと食事のマルハチ村松コラムシリーズ
第1回 栄養士必見!一歩先をいく減塩指導
第2回 栄養士必見!20代のうちに知っておきたい&学んでおきたい食事術
第3回 だしがあればアレンジ簡単。押さえておきたい夏のおかず3選
第4回 栄養指導で教えたくなるだし活用法
第5回 高血圧症が気になる方に~高血圧症を予防する食事のコツ

コメントを送ろう!

「コメント」は会員登録した方のみ可能です。

みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
    • Eatreat 編集部
      83日前

      Eatreat編集部です。今回のテーマは、「おだし」を活用した減塩についてです。

      拍手 1

"マルハチ村松"のバックナンバー

もっと見る

WRITER

第4回 栄養指導で教えたくなるだし活用法

加藤 知子

・下記の各分野において、診療の一環として患者への栄養教育・患者会の開発、運営、講師担当、医療従事者への栄養教育等の一連の業務を行った。 <栄養指導・栄養相談事業>    ・武越内科クリニック(平成20年度~平成22年度、平成26年度)    ・地域栄養サポート自由が丘(平成23年~平成26年度) ・医療法人社団菅沼会 腎内科クリニック世田谷(平成24年度〜) ・医療法人瑛会 東京ネクスト内科・透析クリニック(平成25年度〜) ・渋谷笹塚循器HDクリニック(平成26年度~) ・はしば糖尿内科クリニック(平成26年、平成27年度) <疾病予防・啓蒙事業> ・認定特定非営利活動法人腎臓病早期発見機構(IKEAJ)の依頼を受けKEEP事業としての生活・食事指導を担当(平成25年度~腎内科クリニック世田谷にて) ・公益社団法人糖尿病協会 facebookサポーター(平成25年度~) 糖尿病や糖尿病療養指導の知識・啓蒙活動を管理栄養士の立場から支援。

加藤 知子さんのコラム一覧

関連タグ

関連コラム

"栄養の知識・食育"に関するコラム

もっと見る



CONFERENCE

ログインまたは会員登録が必要です

会員登録がお済みの方

ログイン

まだ会員登録をされていない方

新規会員登録

ページの先頭へ