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管理栄養士の加藤知子さんが、食塩摂取量を減らすための食事や食事指導法について解説する連載です。栄養士としての視点を交えながら、減塩の話題や栄養指導や保健指導に活かせる情報を紹介していきます。今回は、高血圧症が気になる方に~高血圧症を予防する食事のコツについてです。

高血圧症とは

高血圧は診察室血圧および家庭血圧のレベルにより診断されています。診察室血圧値140/90mmHg以上、家庭血圧値135/85mmHg以上で、高血圧とされます。
高血圧症は、自覚症状の出にくい疾患です。「健診で高血圧を指摘された」など、血圧が高くなっても自覚症状が出ないことが多くありますが、高血圧の状態を放置することで、血管へのダメージは静かに進行していき、様々な影響を及ぼします。

高血圧予防の必要性

現在の日本では、高血圧になって医療機関を受診すると、ガイドラインに沿って生活指導を受けたり、薬物治療を受けたりすることができます。しかし、これからは人口減少が進んでいき、医療費の高騰も予想されることから、数十年後などには、現在と同じレベルの医療を同じような自己負担額で受けられるとは言い切れません。
よって、毎日の食生活や運動習慣を見直すことで、高血圧を予防することができれば、それはとても良い自己投資といえるのではないでしょうか。

高血圧を予防する生活習慣のポイント

高血圧ガイドライン1)には、自身の生活を望ましいとされる生活習慣へ改善していくことで、降圧効果が期待されるだけでなく、高血圧の予防としても重要であると書かれています。
それぞれの項目単独で得られる降圧度は大きくはありませんが、複合的に改善していくことで、より降圧度は大きくなると言われています。

気を付けたい生活習慣

では、具体的に気を付けていきたい生活習慣について、見ていきましょう。

1.食塩を1日6g未満に制限する
減塩の効果は他の項目より大きくはないのですが、現在の食塩摂取量より1gでも減らすことで、収縮期血圧が約1mmHg低下することがわかっています。 食塩を1日6g未満に抑えるのはハードルが高いかもしれませんが、1g減らすところから目標にしても良いのではないでしょうか。

2.DASH食の継続
「DASH(ダッシュ)食」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。“Dietary Approach to Stop Hypertension”の頭文字を取ったもので、野菜や果物、低脂肪乳製品が豊富で、飽和脂肪酸・コレステロールが少なく、高血圧を防ぐ食事のことです。野菜や海藻、青魚を積極的に摂取するのが良いとされます。ただし、腎臓の機能が低下している人は高カリウム血症を起こす可能性があるため、食事内容については主治医の指示に従う必要があります。

3.適正体重を維持すること
BMI25以上の肥満の方には、減量の降圧の効果が極めて高いことがわかっています。約4kgの減量によって、収縮期血圧・拡張期血圧も下がっていることがわかります。食事内容や運動状況などを見直して減量に励むのがよさそうです。

4.適切な有酸素運動を毎日30分、または1週間あたり180分以上行う
高血圧の予防や治療ではウォーキングのような有酸素運動が良いとされています。ただし、心疾患のある高血圧患者さんでは運動中の血圧上昇があるため強度の高い運動は推奨されていません。30分というと、ウォーキングで約3000歩程度が目安です。(約10分歩くと約1000歩前後)毎日の歩数を増やすことを目標にしてみると、良いのではないでしょうか。

5.適切な飲酒量。エタノールで男性20-30ml以下、女性10-20ml以下
飲酒量を約70%程度に制限すると降圧効果が表れるといわれます。エタノール換算では、1日あたりおおよそ日本酒1合、ビール中びん1本、焼酎0.5合、ワイン2杯以下にすることがすすめられています。

6.禁煙する
喫煙は高血圧だけでなく直接、脳疾患や心疾患の危険を高め、がんや呼吸器疾患の発症を高めるため、禁煙が強く奨められます。

いかがでしたでしょうか。すべてに完璧に取り組むのは大変なことですので、「これならできそう」と思える項目から取り組んでみてはいかがでしょうか。

その人の生活に合った食事療法を無理なく続けていくことが大切だと思います。

参考文献
1)「高血圧治療ガイドライン2019」、特定非営利活動法人日本高血圧学会、2019年、P.17-19,64-70


塩分控えめのレシピ

最後に、マルハチ村松「かけつゆ めんつゆ」を使用した、この夏のおすすめの高血圧防止レシピをご紹介させていただきます。

【レシピ】豆乳仕立てのピリ辛サラダうどん

【材料】(作りやすい量:2人分)
・無塩タイプのゆでうどん…2玉(1玉200g)
・豚ロース薄切り肉…100g

・A :豆乳だれ
 ・無調整豆乳…40g
 ・マルハチ村松「かけ汁 めんつゆ」…大さじ2
 ・いりごま…小さじ1

・きゅうり…1/2本(50 g)
・ミニトマト…4個
・水菜…20g

お好みで
糸唐辛子、ラー油

【作り方】
①うどんは熱湯で茹で、冷水で洗ってしめる。
②豚肉は熱湯にくぐらせて、火を通したあと、冷ましておく。
きゅうりは千切り、水菜は食べやすい長さに切る。ミニトマトは半分に切る。
③Aを混ぜ合わせて豆乳だれを作る。
④器にうどん、豚肉、野菜を盛り付けて、豆乳だれをかける。

【栄養価】(1人分)
エネルギー…427kcal
たんぱく質…17.5g
脂質…12.6g
炭水化物…57.4g
食塩相当量…2.1g

【コメント】
だしがきいためんつゆで作る豆乳だれ。うどんやそば、そうめんにも合います。うどんは、無塩タイプのうどんを使用すると1人分当たり食塩量が2.1gになり、食塩量がカットできます。

今回のおすすめ商品

めんつゆかけ汁
・良質なさば節、煮干し、かつお節などを使用した風味豊かなかけ汁用めんつゆです。
・お湯または水でうすめるだけで、おいしいかけ汁用めんつゆができます。

サンプルお問い合わせ先
※リンク先はマルハチ村松企業サイトとなっております。

協賛:株式会社マルハチ村松

だしと食事のマルハチ村松コラムシリーズ
第1回 栄養士必見!一歩先をいく減塩指導
第2回 栄養士必見!20代のうちに知っておきたい&学んでおきたい食事術
第3回 だしがあればアレンジ簡単。押さえておきたい夏のおかず3選
第4回 栄養指導で教えたくなるだし活用法
第5回 高血圧症が気になる方に~高血圧症を予防する食事のコツ

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WRITER

第5回 高血圧症が気になる方に~高血圧症を予防する食事のコツ

加藤 知子

・下記の各分野において、診療の一環として患者への栄養教育・患者会の開発、運営、講師担当、医療従事者への栄養教育等の一連の業務を行った。 <栄養指導・栄養相談事業>    ・武越内科クリニック(平成20年度~平成22年度、平成26年度)    ・地域栄養サポート自由が丘(平成23年~平成26年度) ・医療法人社団菅沼会 腎内科クリニック世田谷(平成24年度〜) ・医療法人瑛会 東京ネクスト内科・透析クリニック(平成25年度〜) ・渋谷笹塚循器HDクリニック(平成26年度~) ・はしば糖尿内科クリニック(平成26年、平成27年度) <疾病予防・啓蒙事業> ・認定特定非営利活動法人腎臓病早期発見機構(IKEAJ)の依頼を受けKEEP事業としての生活・食事指導を担当(平成25年度~腎内科クリニック世田谷にて) ・公益社団法人糖尿病協会 facebookサポーター(平成25年度~) 糖尿病や糖尿病療養指導の知識・啓蒙活動を管理栄養士の立場から支援。

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