• COLUMN

※太田さんいわく「日本の食肉処理のセオリー上流通の無い「屠殺直後の熟成していないお肉」BBQ用」

 

海外で活躍している栄養士の太田旭さんが、外国の食品の栄養価について解説します。

風土が違えばFOODも違う

水・土壌・空気・気候・肥料が異なれば、同じ野菜でも栄養価は異なると言われています。その土地特有の食物の多様性という観点の話ではなく、例えば、同じ日本でも、旬の食べ物とそうでない食べ物の栄養価を比較すると、旬の食べ物の方が栄養価が高いという話があるように、海外のトマトと日本のトマトでは栄養価は異なるということを前提に、私が実践している栄養価予測の紹介をしたいと思います。

食品成分表を用いて算出

国連食糧農業機関*1は、世界中で開発された食品成分表をとりまとめ、International Network of Food Data Systems (INFOODS)として発表しています。
まずはこれらの情報を参考に、担当国の政府へどの食品成分表を用いて栄養価計算を行うのが適しているか相談をします。そのうえで協議にて同意した食品成分表を用いて栄養価計算を行います。

*1(英記:Food and Agriculture Organization of the United Nations)国際連合の専門機関の一つ。世界各国民の栄養と生活水準の向上、食糧と農産物の生産と分配の改善を目的として、各種統計の作成・調査研究・勧告などを行う。1945年設立。本部はローマ。日本は1951年(昭和26)加盟。

食品の成分分析検査に出す

特に途上国と言われる国には成分の分析センターが無い、または、あっても検査機器の質や技師の能力によって精度が異なってしまうという状況が多く見られます。このため、本当に信憑性の高い結果を得たい場合は、実際に食品を検査機器の質の高い訓練の受けた技師がいる国へ輸出し、成分検査を行うようにしています。ここで気を付けたいのは、調べたい食品によっては、輸出や持ち出しの許可が必要だったり、食品の変性を避けるべく保存・保管方法が必要だったりすることです。その国の規約に沿えるよう事前に調べておく必要があります。

ザンビアでの例

私が実際に携わったザンビアでの例を紹介しましょう。ザンビアでは、事業実施のパートナーである保健省・農業省からのリクエストで、国立ザンビア大学が発刊している成分表を用いて算出し報告しました。しかしながら、算出できる栄養素の品目が少ないのと、記載食品数が少ないということもあり、日本の関係者への報告は日本の文部科学省が発行している食品標準成分分析表を用いて栄養価を算出し、報告相手によって用いる成分表を使い分けるという方法をとりました。また、加工食品や原料として製造していた食品に関しては、同じくザンビア政府のリクエストでザンビアの成分分析センターへ検査に出しつつ、日本でも分析を致しました。

報告書には詳細な明記が必要

食品成分表を用いた栄養価計算の結果も、成分分析検査の結果も、あくまで1つの目安です。なぜなら、例え分析に出した地場産のトマトでも、隣の畑のトマトが同じ成分かと言われたら、そうではないと思うからです。そんな中、私が一番大切だと思うことは「どの目安を用いて予測する/した」か、政府関係者やドナーがいる場合は事前に同意を得ることと、報告する際にはどんな方法で算出したものか、食品成分表を用いた場合どの食品成分表を用いたのかをはっきりと明記することです。
目安の1つではありますが、昨今栄養業界でもエビデンスが伴わない指導や提案は避けるべきと言われてきています。そのため、国際機関や政府などが関係者にいる場合は特に、関係者への配慮としてデータを報告することが事業を好転できるポイントにもなるかと思っています。

参考文献
国連食糧農業機関(FAO)
International Network of Food Data Systems (INFOODS)
http://www.fao.org/infoods/infoods/tables-and-databases/africa/en/?fbclid=IwAR0s6hwcraCyi-bZ5YXc1KO-HB7cnz2R_E6nsknsFZTckzrWFZmzOx8tGMQ

関連コラム
現地で活用される愛されるレシピ作りのコツ①
現地で活用される愛されるレシピ作りのコツ②
地域開発・食事相談時に思い出したい「プライマリー・ヘルス・ケア」の理念とは

コメントを送ろう!

「コメント」は会員登録した方のみ可能です。

みんなのコメント( 2

    • 米山 久美子
    • 米山 久美子
      9日前

      とっても興味深い内容ですね!
      太田さんには本当にお会いしたい&いろいろお話してみたいです★

      拍手 3

    • Eatreat 編集部
    • Eatreat 編集部
      18日前

      Eatreat編集部です。
      本日のコラムは海外で活躍している栄養士、太田旭さんのコラムです。

      拍手 2

WRITER

外国の食品の栄養価。同じ食品でも栄養価が異なるって知っていますか?

太田 旭

【国際栄養・母子保健】途上国へ進出したい日本企業向けコンサルティング、途上国での栄養改善・人材育成事業を担当する栄養士です。2004年~出身地である宮城県にて在宅型ホスピス、認可保育園、離島での僻地医療、災害支援(東日本大震災)に従事。2012年青年海外協力隊としてグアテマラに派遣。2015年アライアンス・フォーラム財団へ入団し、途上国での慢性栄養不良改善・貧困削減を目指して活動中。

太田 旭さんのコラム一覧

関連タグ

関連コラム

"国際栄養"に関するコラム

もっと見る



CONFERENCE

ログインまたは会員登録が必要です

会員登録がお済みの方

ログイン

まだ会員登録をされていない方

新規会員登録

ページの先頭へ