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今回の診療報酬改訂で管理栄養士に関係が深い項目を抜粋し、4回にわけて紹介しています。

Ⅲ 医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進

Ⅲ-1 医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価

特定集中治療室での栄養管理の評価
◆具体的な内容
患者の早期離床、在宅復帰を推進する観点から、特定集中治療室において、早期に経腸栄養等の栄養管理を実施した場合について早期栄養介入管理加算が新設されました。
(新)早期栄養介入管理加算 400点(1日につき)

[算定要件]
特定集中治療室に入室後早期から経腸栄養等の必要な栄養管理が行われた場合は、7日を限度として、所定点数に加算する。

[留意事項]
日本集中治療医学会の「日本版重症患者の栄養療法ガイドライン」に沿った栄養管理 を実施すること。また、入室患者全員に栄養スクリーニングを実施し、抽出された患者に対し、次の項目を実施すること。なお、アからウは入室後48時間以内に実施すること。
栄養アセスメント
栄養管理に係る早期介入の計画を作成
腸管機能評価を実施し、入室後48時間以内に経腸栄養等を開始
エ 経腸栄養開始後は、1日に3回以上のモニタリングを行い、その結果を踏まえ、必要に応じて計画の見直すとともに栄養管理を実施
オ 再アセスメントを実施し、胃管からの胃内容物の逆流の有無等の確認
カ アからオまでの内容を診療録等に記載すること。なお、エに関しては、経腸栄養の開始が入室後何時間目であったのか記載すること。

加えて、上記項目を実施する場合、特定集中治療室の医師、看護師、薬剤師等とのカンファレンス及び回診等を実施するとともに、早期離床・リハビリテーションチームが設置されている場合は、適切に連携して栄養管理を実施すること。
当該加算の1日当たりの算定患者数は、管理栄養士1名につき、10人以内とする。また、当該加算及び栄養サポートチーム加算を算定する患者数は、管理栄養士1名につき、合わせて15人以内とする。

[施設基準]
特定集中治療室に次の要件を満たす管理栄養士が専任で配置されていること。
①栄養サポートチーム加算の施設基準にある研修を修了し、栄養サポートチームでの栄養管理の経験を3年以上有すること。
特定集中治療室における栄養管理の経験を3年以上有すること。
③特定集中治療室管理料を算定する一般病床の治療室における管理栄養士の数は、当該治療室の入院患者の数が10又はその端数を増すごとに1以上であること。

回復期リハビリテーション病棟入院料の見直し
◆具体的な内容
回復期リハビリテーション病棟における実績要件について、アウトカムを適切に反映させるとともに、栄養管理の充実を図る観点から、回復期リハビリテーション病棟入院料について要件が見直されました。
回復期リハビリテーション病棟入院料1及び回復期リハビリテーション病棟入院料3におけるリハビリテーション実績指数の要件について水準が引き上げられ、入院料1については常勤の専任管理栄養士の配置を要件とすること、入院料2~6については管理栄養士の配置が望ましいこと、とされました。

[施設基準(回復期リハビリテーション病棟入院料)]
(2) 回復期リハビリテーション病棟入院料1の施設基準
当該病棟に専任の常勤の管理栄養士が1名以上配置されていること
2 回復期リハビリテーション病棟入院料1及び2の施設基準
(1) 回復期リハビリテーション病棟入院料2を算定しようとする病棟では、当該病棟に専任の管理栄養士1名以上の常勤配置を行うことが望ましいこと。
3 回復期リハビリテーション病棟入院料3、4、5及び6の施設基準
(1) 管理栄養士1名以上の常勤配置を行うことが望ましいこと。


入院時食事療養費に係る帳票等の見直し
◆具体的な内容
医療従事者の負担軽減及び業務の効率化の観点から、入院時食事療養費で求めている帳票
等について、電子的データでの保管及び、患者毎に個別に栄養管理が実施されている場合に
必ず備えるべき帳票から除外する見直しが行われました。

・電子カルテやオーダリングシステム等により電子的に必要な情報が変更履歴等を含めて作成し、保管等されている場合、紙での保管は不要とする。

・栄養管理体制を整備している施設では、栄養管理手順に基づき管理栄養士等が患者毎に栄養管理を実施していることから、集団としての栄養管理を行う上で必要な帳票については、必ず備えるべき帳票から除外する。(有床診療所においては、栄養管理実施加算を算定している施設)

・ただし、栄養管理体制が整備されていない施設においては管理栄養士等が患者毎に栄養管理を実施していないと考えられることから、引き続き、帳票の作成等を求める。(有床診療所にあっては、栄養管理実施加算を算定していない施設)

〔必ず備えるべき帳票から除外される要件〕
① 患者の入退院等の管理をしており、必要に応じて入退院患者数等の確認ができる場合…提供食数(日報、月報等)、患者入退院簿
② 栄養管理体制の基準を満たし、患者ごとに栄養管理を実施している場合…喫食調査
③ 特別治療食等により個別に栄養管理を実施している場合…患者年齢構成表、給与栄養目標量
④ 食材料等の購入管理を実施し、求めに応じてその内容が確認できる場合…食料品消費日計表、食品納入・消費・在庫等に関する帳簿
※ 食事の提供に関する業務の一部又は全部を委託している場合は、委託契約の内容に合わせた食事療養の質が確保されていることを保険医療機関が確認するための帳票を定め、必ず備えるべき帳票から除外された帳票であっても整備すること。


入院時食事療養費の適時適温に係る見直し
・適時の食事の提供に関しては、実際に病棟で患者に夕食が配膳される時間が、原則として午後6時以降とする。ただし、当該保険医療機関の施設構造上、厨房から病棟への配膳に時間を要する場合には、午後6時を中心として各病棟で若干のばらつきを生じることはやむを得ない。この場合においても、最初に病棟において患者に夕食が配膳される時間は午後5時30分より後である必要がある

・保温食器等を用いた適温の食事の提供が行われていること。
即ち、適温の食事の提供のために、保温・保冷配膳車、保温配膳車、保温トレイ、保温食器、食堂のいずれかを用いており、入院患者全員に適温の食事を提供する体制が整っていること。
なお、上記適温の食事を提供する体制を整えず、電子レンジ等で一度冷えた食事を温めた場合は含まないが、検査等により配膳時間に患者に配膳できなかった場合等の対応のため適切に衛生管理がされていた食事を電子レンジ等で温めることは、差し支えない。また、食堂における適温の食事の提供とは、その場で調理を行っているか、又は保温庫等を使用している場合をいう。保温食器は名称・材質の如何を問わず、保温機能を有する食器であれば差し支えない。
加えて、クックチル、クックフリーズ、真空調理(真空パック)法により料理を行う過程において急速冷却し、提供する際に再度加熱する場合は、電子レンジ等で一度冷えた食事を温めた場合にはあたらない。


次回は、「Ⅲ-4 地域包括ケアシステムの推進のための取組の評価」について解説してきます。

 

参考文献1) 「令和2年度診療報酬改定」厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00027.html

参考文献2)
「令和2年度診療報酬改定説明資料等について」厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196352_00001.html

「令和2年度診療報酬改定の概要」厚生労働省保険局医療課、厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000616842.pdf

今回の解説者加藤 知子さんについて
管理栄養士、看護師、日本糖尿病療養指導士、病態栄養認定管理栄養士
仙台白百合女子大学卒業。総合病院勤務、人間ドック・健診機関勤務を経て、現在一般社団法人食サポートオフィス代表。 生活習慣病を予防するための生活・食事相談から疾病により食事療法を必要とする方への食事相談など広範囲にわたって食生活をサポートしている。特定保健指導制度の開始とともに特定保健指導室の立ち上げや特定保健指導に従事。現在はWEBサイト・雑誌・書籍への掲載やレシピ提案、特定保健指導や外来栄養食事指導に従事する管理栄養士へのトレーニングを行っている。また、イートリートアカデミー本気で特定保健指導したい人向け講座【知識編】の講師でもある。

 

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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
    • Eatreat 編集部
      47日前

      Eatreat編集部です。2020年度診療報酬改定のポイント・栄養管理に関する改定を伝授!シリーズ、【外来・入院編】は特に内容がたくさんです。

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WRITER

2020年度診療報酬改定のポイント・栄養管理に関する改定を伝授!【外来・入院編】③

加藤 知子

イートリートアカデミー本気で特定保健指導したい人向け講座【知識編】の講師。 仙台白百合女子大学卒業。 総合病院勤務、人間ドック・健診機関勤務を経て、現在一般社団法人食サポートオフィス代表。 生活習慣病を予防するための生活・食事相談から疾病により食事療法を必要とする方への食事相談など広範囲にわたって食生活をサポートしている。 特定保健指導制度の開始とともに特定保健指導室の立ち上げや特定保健指導に従事。 現在はWEBサイト・雑誌・書籍への掲載やレシピ提案、特定保健指導や外来栄養食事指導に従事する管理栄養士へのトレーニングを行っている。 【所有資格】 管理栄養士、看護師 日本糖尿病療養指導士、病態栄養認定管理栄養士

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