地域の栄養課題を支える拠点として注目されている「栄養ケア・ステーション」は、管理栄養士・栄養士が活躍できる場としても期待されています。本コラムでは、栄養ケア・ステーションの概要と、3つに分類されるそれぞれの栄養ケア・ステーションについて解説します。
栄養ケア・ステーションとは
栄養ケア・ステーションとは、地域住民・医療機関・自治体・健康保険組合・企業・保険薬局などを対象に、健康づくりや食に関する支援を提供するため、日本栄養士会が推進している地域密着型の拠点です。
生活習慣病の増加や高齢化に伴い、健康づくりにおける栄養ケアの重要性はますます高まっています。一方で、地域で活動する管理栄養士・栄養士の存在が十分に認知されておらず、必要な栄養ケアにつながりにくいという課題がありました。
このような背景から、日本栄養士会は誰もが身近に管理栄養士・栄養士へ相談できる環境づくりを目指し、2008年に栄養ケア・ステーション事業を開始しました。2025年4月1日時点で、全国の栄養ケア・ステーションは535拠点、登録している管理栄養士・栄養士は4,771名となっています。
都道府県栄養士会栄養ケア・ステーションとは
都道府県栄養士会栄養ケア・ステーションとは、各都道府県栄養士会が設置・運営する栄養ケア・ステーションです。全国47都道府県に設置されており、地域の認定栄養ケア・ステーションをとりまとめるセンター機能と、診療報酬の算定要件に対応した栄養ケアサービスを行うための連携機能を持っています。
認定栄養ケア・ステーションとは
認定栄養ケア・ステーションとは、日本栄養士会が定める認定基準を満たし、「認定栄養ケア・ステーション」の標榜使用を認められた拠点です。
この認定制度は、地域で栄養ケアに従事する管理栄養士・栄養士または事業者に対し、日本栄養士会が商標を有する「栄養ケア・ステーション」の名称使用を認めるものです。
認定栄養ケア・ステーションでは、栄養相談や健診後の食事指導のほか、レシピや献立の考案、健康づくりに関するセミナーの開催など、それぞれの専門性を活かした栄養ケアサービスを提供することができます。
病院やクリニック、歯科医院などの医療関連施設が開設するほか、近年では薬局や一般企業による開設も増えており、栄養ケア事業の展開や地域貢献の場として活用されています。
機能強化型認定栄養ケア・ステーションとは
機能強化型認定栄養ケア・ステーションとは、認定栄養ケア・ステーションの機能に加え、傷病者や介護・支援を必要とする方に対して、より専門性の高い栄養ケアを担う拠点です。
医療・介護分野における栄養ケア体制が整備され、地域住民のための栄養ケア拠点として十分な機能を有すると認められると、日本栄養士会より「機能強化型認定栄養ケア・ステーション」として認定されます。
地域住民への栄養相談や健康づくり支援だけでなく、在宅療養者や高齢者への栄養管理、医療・介護職との連携など、より専門性の高い栄養ケアを継続的に提供できることが特徴です。そのため、医療機関や介護事業所、在宅分野での栄養支援に力を入れている認定栄養ケア・ステーションに適した制度といえるでしょう。
まとめ
栄養ケア・ステーションにはそれぞれ異なる役割があり、管理栄養士・栄養士の活躍の場も地域へと広がっています。
次回のコラムでは、認定栄養ケア・ステーションの開設要件や申請方法について詳しくご紹介します。
参考文献
公益社団法人日本栄養士会:「栄養ケア・ステーション」、公益社団法人日本栄養士会、https://www.dietitian.or.jp/carestation/、(閲覧日:2026年6月15日)
公益社団法人東京都栄養士会:「栄養ケア・ステーション®について」、公益社団法人東京都栄養士会、https://www.tokyo-eiyo.or.jp/care/、(閲覧日:2026年6月15日)
関連コラム
・飲食店と認定栄養ケア・ステーションを運営する管理栄養士を紹介
・認定栄養ケア・ステーションで働く管理栄養士の仕事内容や1日の流れとは