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- 指導・監査・診療報酬
- 2026.07.03
【後編】令和8年度診療報酬改定のポイント
令和8年度診療報酬改定では、入院から在宅まで切れ目ない栄養支援とICT活用が推進され、管理栄養士の関与はさらに拡大します。前編では、入院時食事療養費や特別食加算などについて取り上げました。本コラムでは後編として、在宅・外来を中心に実務への影響を整理します。
※本稿では主な改定内容を抜粋して掲載しています。詳細は厚生労働省の告示をご参照ください。
退院後訪問栄養食事指導料の新設
これまで、管理栄養士による訪問栄養食事指導料の算定は他職種と比べて少なく、介護保険優先による契約手続きの煩雑さから、退院直後の支援が遅れることが課題でした。
今回の改定では、入院していた医療機関の管理栄養士が医療保険で退院後1か月以内に4回まで訪問可能となり、切れ目のない栄養管理が実現しやすくなりました。その後は既存制度へ円滑に移行できるため、在宅療養を支える役割がより明確となり、地域における管理栄養士の活動の幅の広がりが期待されます。
ICTを用いた栄養食事指導の推進
情報通信機器を用いた外来栄養食事指導の推進に向け、評価体系が見直されました。
従来、位置付けが曖昧だった「電話」が情報通信機器による指導から除外される一方、2回目以降の補足的な指導として電話対応の評価が新設されました。
これにより、対面や情報通信機器での指導の合間に柔軟なフォローが可能となり、継続支援の質向上が期待されます。指導時間の制約もなく、外来診療の中で実践しやすいため、患者の生活に寄り添った関わりが広がると考えられます。
病棟専従要件の柔軟化
人手不足などを背景に、入院栄養管理体制加算における管理栄養士の専従要件が見直されました。
これまで病棟専従の管理栄養士は外来業務への関与が制限されていましたが、今回の改定により、当該病棟から退院した患者に対しては外来栄養食事指導などの継続支援が可能となりました。これにより、入院中の関わりを退院後につなげやすくなり、患者理解を深めた一貫した栄養支援が実現しやすくなります。入院から外来・在宅へのスムーズな移行を支える体制整備が進むことが期待されます。
栄養保持を目的とした医薬品給付の適正化
保険給付の適正化の観点から、栄養保持を目的とした医薬品の給付要件が見直されました。
これまでは比較的容易に処方できたため、在宅で使いきれない在庫が生じるケースも見られていました。
今回の改定では、対象が「術後患者」「経管栄養実施患者」「他の食事で代替できず医師が必要と判断した患者」などに限定され、処方時には理由の記載が求められます。今後は医師・薬剤師・看護師・管理栄養士が連携し、医学的妥当性と経済性の両面から適正使用を進めることが重要です。
現場に問われるこれからの取り組みとは
今回の改定により、退院直後から在宅まで切れ目なく関われる体制が整い、管理栄養士の介入タイミングと責任範囲は確実に広がります。
特に私自身は、居宅療養管理指導に携わる立場として、今回の改定は大きな追い風であり、現場で積み重ねてきた実践が評価につながることに喜びを感じています。ICTの活用により継続支援の柔軟性が高まる一方、限られた人員で質を担保する工夫が求められます。
今後は、短期間での的確な評価と介入、他職種との連携、アウトカムで価値を示す力がより重要になります。制度を追うだけでなく、患者の生活に根ざした実践をどこまで形にできるかが問われる段階に入ったと感じます。
まとめ
今回の改定は、入院・外来・在宅を通じた一貫した栄養管理と多職種連携の重要性を、これまで以上に明確に示しました。食事提供体制の見直しや嚥下調整食の評価、退院後訪問やICT活用の推進など、管理栄養士の関与は量・質ともに拡大しています。
一方で、求められる役割はより高度化し、限られた資源の中で成果を示す力が不可欠となります。制度改定を追うだけでなく、現場での実践を積み重ね、患者の生活に根ざした栄養支援をどう形にしていくかが、今後の大きな鍵になるといえるでしょう。
参考文献
厚生労働省:「令和8年診療報酬改定について」、厚生労働省、https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html(閲覧日:2026年5月3日)
日本栄養士会:「令和8年診療報酬改定のポイント」、日本栄養士会、https://www.dietitian.or.jp/data/medical-fee/r08/(閲覧日:2026年5月3日)
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WRITER
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管理栄養士 / イートリスタ
沼倉 真宝子
1日3回、1年で1000回 栄養を摂るためだけの食事ではなく、 日常に密着した食生活を一緒に考える。 気軽に相談できる場を創りたい。 個々に合ったライフステージごとの食事を提案します。 病院管理栄養士として14年勤務。総合病院、療養型病院、リハビリ病院、産婦人科病院を経験し様々なライフステージや臨床栄養を習得。栄養管理、給食管理、NST、在宅訪問栄養指導など幅広い業務経験あり。延べ3000人以上の栄養指導を実施。また、離乳食教室を8年主宰し、3500人以上の離乳食相談の経験を積む。指導媒体の作成や、セミナー講師も経験豊富。 プライベートでは、小学生の姉妹を育てるママ。自身の手術、癌で家族を亡くしたこともあり、「育児・闘病・自宅で家族を看る」当事者として同じ目線で、頑張り過ぎない方法を一緒に考えられるのではないか…。そんな経験から、疾病・介護予防や日常の食生活を共に考えられる仕事がしたいと思い2021年夏 独立。 フリーランスとして食育、栄養相談、在宅訪問、料理教室、SNS発信、地域活動など身近な栄養士として活動しています。 気軽に相談ができる場を創り、充実した食生活を送るお手伝いをします。 肩の力を抜きながら、無理なく続けられる食事。一緒に考えてみませんか?
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- Eatreat 編集部
- 17時間前
令和8年度の診療報酬改定について、管理栄養士の沼倉さんに栄養に関する主な改定ポイントの解説コラム、後編です!
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