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- 指導・監査・診療報酬
- 2026.08.05
令和6年国民健康・栄養調査のポイントを解説
今回は、先日発表された、令和6年国民健康・栄養調査結果について、管理栄養士・栄養士の皆さまに押さえていただきたいポイントを抜粋し、解説します。
国民健康・栄養調査とは
国民健康・栄養調査は、健康増進法に基づき、国民の身体の状況、栄養素等摂取量及び生活習慣の状況を明らかにすることを目的としています。国民の健康増進を総合的に推進するための基礎資料を得るため、毎年、層化無作為抽出された地区の世帯及び世帯員を対象に実施されています。
体格及び生活習慣に関する都道府県の状況
今回の調査では、都道府県別に年齢調整を行った上で4つの区分に分け、上位群(上位25%)と下位群(下位25%)の状況を比較しました。その結果、いくつかの項目において有意な差が見られました。ここでは抜粋してお伝えします。
◾️野菜摂取量について
野菜摂取量の平均値(g/日)は、男性(20歳以上)の上位群の平均値は305gに対し、下位群では235gと69gの差が生じました。女性(20歳以上)の上位群の平均値は285gに対し、下位群では228gと57gの差が見られました。これは小鉢1つ分程度の野菜に相当し、地域によってこれほどの差があるということが分かります。
◾️歩数について
歩数の平均値(歩/日)では、男性(20〜64歳)の上位群の平均9,151歩に対し、下位群の平均7,713歩、女性(20〜64歳)の上位群の平均7,632歩に対し、下位群の平均6,207歩でした。
男女ともに上位群と下位群の間には約1400歩の差が生じています。生活地域によって主な移動手段が車のため歩く機会が少ないなどのケースや、気候の影響により、歩行の機会が奪われていることなどが原因として考えられます。
糖尿病に関する状況
「糖尿病が強く疑われる者」は約1,100万人と推計され、平成9年以降、増加傾向が続いています。一方で、「糖尿病の可能性を否定できない者」は約700万人と推計されました。こちらは平成9年から平成19年までは増加傾向であったものの、平成19年から令和6年にかけて減少に転じています。
今回の調査結果からそれぞれの割合を見ると、「糖尿病が強く疑われる者」の割合は12.9%で、男女別では、男性17.7%、女性9.3%です。「糖尿病の可能性を否定できない者」の割合は8.2%で、男女別で見ても、ともに8.2%となっています。
また、糖尿病の治療状況については、「糖尿病を指摘されたことがある者」のうち、現在治療を受けている者の割合は67.4%で、男女別では、男性73.1%、女性60.5%でした。年齢階級別にみると、30〜40歳代では治療を受けていない者の割合が他の年代よりも高いことが分かります。特に、30代の女性では、6.1%と極端に低い割合でした。これは、令和6年版「男女共同参画白書」内で報告されているように、仕事をしていない若年層の健診等受診率の低さからも、健診等を受診する機会が少なくなっている状況、健康に対する意識の低さ、継続的に通院することの困難さなどが考えられ、若年層へのアプローチや受診勧奨の重要性が求められているのではないかと思われます。
食塩摂取量の状況
食塩摂取量の平均値は9.6gであり、男女別にみると、男性10.5g、女性8.9gでした。国全体の健康づくり運動である「健康日本21(第三次)」では、令和14年度までに食塩摂取量の平均値を男女ともに「7g未満」にすることを目標に掲げています。今回の調査結果の全体平均(9.6g)と比較すると、目標値とはまだ2.6gもの乖離がある状況です。
さらに、私たちが日々の栄養指導や給食管理で参照する「日本人の食事摂取基準(2025年版)」が定める「目標量(個人の目標)」と比較してみます。男性(15歳以上)が7.5g、女性(12歳以上)が6.5gに設定されています。これらと比較すると、男性が+3.0g、女性が+2.4gという結果になります。
国としての集団目標(7g未満)に対しても、個人の指導目標(男性7.5g未満、女性6.5g未満)に対しても、依然として目標量を大きく上回っている現状です。今後も更なる減塩へのアプローチをすすめていく必要があるのではないかと感じています。
喫煙の状況
現在習慣的に喫煙している者の割合は14.8%で、男女別にみると、男性24.5%、女性6.5%でした。年齢階級別にみると、男性では40〜50歳代でその割合が高く、3割を超えています。
また、現在習慣的に喫煙している者の割合の年次推移(20歳以上)を平成24年〜令和元年、および令和4年〜6年でみると、全体・男女別のいずれも、減少傾向が続いています。
まとめ
国民健康・栄養調査は、国の栄養・生活習慣の動向を知る上で重要な指標です。毎年実施されている調査結果を定期的にチェックし、日々の栄養指導や地域での栄養活動などの日常業務に活かしていきたいですね。
参考文献
・厚生労働省:「令和6年国民健康・栄養調査報告」、https://www.mhlw.go.jp/content/001675217.pdf、(閲覧日:2026年5月21日)
・厚生労働省:「令和6年国民健康・栄養調査結果の概要」、https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001603146.pdf、(閲覧日:2026年5月21日)
・厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」、https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316585.pdf、(閲覧日:2026年5月21日)
・内閣府:「男女共同参画白書 令和6年版」、https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r06/zentai/pdf/r06_11.pdf、(閲覧日:2026年6月1日)
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WRITER
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管理栄養士 / イートリスタ
横原 夢見
病院勤務を経て、現在はフリーランスとして専門学校の非常勤講師、コラム執筆、地域活動などを行っています。
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