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「おいしく」食べることで人を元気にしたい - 小川綾子さん

大学卒業後、病院に就職、調理師専門学校の勤務を経て、フリーランスの栄養士として仕事をしている小川綾子さん。現在は高齢者の介護予防の分野に力を入れているそうです。そんな小川さんに対人関係やコミュニケーションで心がけていることをおうかがいしました。

管理栄養士を目指したきっかけ

私が学生のころ、女性は結婚したら家庭に入るのが一般的でした。大学の進路を決める時に女性でも資格があれば、子育てが終わったあとに仕事につきやすいというアドバイスをもらい、何か資格を取ろうと思いました。元々興味があった食に関連する国家資格の管理栄養士養成コースが通っていた高校の付属大学にあり、管理栄養士になろうと決めました。

大学卒業後は病院に就職

通っていた大学の同級生は食品メーカーへの就職が多く、私も商品開発やメニュー開発が夢だったので食品メーカーに関心がありましたが、研究室の先生の紹介で病院に勤務する事になりました。

病院では献立作成、発注、調理、病棟訪問がおもな仕事でした。勤務する病院が精神病院でしたので栄養指導は少なく、他の先輩栄養士が担当しており私が行なうことはありませんでした。 しかし、その病院では、患者さんの治療の一環で料理教室があり、一般の病院では、経験出来ないことでしたので、その後の仕事のためにもいい経験になりました。

集団給食の仕事の現場では、人間関係で悩む管理栄養士が多いようです。私がまだ新人だった時は、職場での人間関係をスムーズにするために目上の人から教えてもらうという気持ちを大事にしていました。管理栄養士としての立場ですべてを自分で考えてやろうと思うと苦しくなることもあります。わからないことは、経験のある現場の方に素直に聞き、何か教えてもらったら、ありがとうと言う、失敗をしたら、すみませんと謝る普通の気持ちが大切だと思います。ありがとうと言われて嫌な気持ちになる人はいないと思います。若いうちは指示を受け入れられにくい事もあるかもしれませんが、ありがとうと言い続けていれば、徐々にコミュニケーションがとれるようになってきます。

その病院には栄養士が5人、調理員は20人程いましたが、栄養士同士の仲がよく、今でもお付き合いが続いています。良い人間関係はその後の仕事でも影響は大きいと感じます。

病院で5年間勤めたあと、他の仕事をやりたいと思い、病院を退職しました。ですが、思うような仕事につけず、また、大学時代の先生の紹介で調理師専門学校に勤め、結婚を機に退職しました。

大学生協の栄養士グループへ

結婚後は、知人の紹介で大学生協の栄養士グループに入りました。春と秋の年2回、関東にある大学をまわり、大学生向けの食生活相談を行なっています。この仕事は20年続けています。その栄養士グループには20〜30人くらいのメンバーが所属しており、ここでも自分より年上の方が多く、仕事の内容だけでなくいろいろと教えていただきました。

そのグループの栄養士の方の紹介で都内の保健所での仕事を紹介してもらいました。保健所では、成人や乳幼児検診での栄養指導、講習会などを経験しました。ここでは最初に勤めた病院での料理教室の経験がとても役に立ちました。

栄養指導でも相談でも人にアドバイスをする際にはどんな年齢の方でも○○しなさい的な言い方はしないように気をつけています。相談に来る人の中には、栄養士に怒られるのではないか思っている人も少なくありません。相手の話を否定せずに聞いて、同調してからアドバイスを伝える方が受け入れられる気がします。

おいしく食べることで人を元気に

フリーランスの栄養士として今は高齢者の介護予防と栄養調査関係の仕事がおもですが、一人暮らしの高齢者の方では食事に無関心な方も少なくありません。バランスが悪かったリ、欠食があったりすると低栄養にもつながります。何歳になってもおいしく食べられることは幸せだと思います。

『食』という字は人を良くすると書きますし、『食』は生命力でもあります。介護予防の仕事では高齢者の方がおいしく食べることに関心を持つことで、元気になってもらえるとうれしいですね。年齢に関係なく、人それぞれに合った食べ方で元気に過ごせるといいと思います。そんなサポートをしていきたいと思っています。

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みんなのコメント( 4

    • ID: 96
      2937日前

      栄養士としてのやりがいが溢れたキャリアでうらやましいです。今の仕事に不満はないですが管理栄養士である必要性はあまり感じないので、、、

      拍手 1

    • ID: 56
      2940日前

      「ありがとう」の気持ちをきちんと表現されているのは素晴らしいですね。そんな小川さんだからこそ、周りの方も「ありがとう」を伝えたいんだと感じました。
      心も元気になりますね。続きを楽しみにしています。

      拍手 4

    • 小川 綾子
    • 小川 綾子
      2942日前

      コメントありがとうございます。介護予防教室でも料理教室でも、帰り際の「ありがとう。」の一言が次の仕事へのエネルギーです。

      拍手 5

    • ID: 60
      2945日前

      高齢者の方がおいしく食べられることは、とても幸せなことだと思います。だから、そのサポートはとても素晴らしことですね。

      拍手 6

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