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病院、特別養護老人ホームで10年間勤務した後、訪問栄養食事指導に興味持ち、「地域栄養サポート自由が丘」で在宅訪問管理栄養士として働く村上奈央子さん。訪問栄養食事指導では、それまでの現場以上に深く幅広い知識とコミュニケーション能力が求められたそうです。まだ一般的にはあまり知られていない訪問栄養食事指導のお仕事についておうかがいしてきました。
深く幅広い知識が求められる訪問栄養食事指導の仕事 -村上奈央子

現場で求められるより深く幅広い知識

木下先生はもともと訪問診療をやっていて、2010年にクリニックに併設する形で、訪問栄養食事指導を行なう「地域栄養サポート自由が丘」を立ち上げました。私は開設3年目のころに3人目の管理栄養士として働き始めました。

訪問栄養食事指導をはじめてみて、最初に感じたことは摂食嚥下障害や病態栄養に関する、より深く幅広い知識の必要性でした。病院や施設での食事は、決まった食種の中から形態を選べばよかったのですが、訪問栄養食事指導の場合には、食事の形態の幅が非常に広いんです。例えば、ごはんはおかゆで、卵焼きはそのままで、お肉はミキサーにしていますなど、利用者の方の嗜好や状態、調理担当者の調理能力、経済力に応じて個別対応が求められ、単純な食種にあてはめられません。それまで摂食嚥下障害に関する食事指導は得意だと思っていたにもかかわらず、わからないことが多く、落ち込んでしまいました。

病態栄養についても同様に、糖尿病や心臓病、腎臓病などについての深い知識が求められます。1人の利用者でも複合的な病気を抱えている場合が多く、食事の提案は非常に難しい。そのため、必要な知識をより深めるために栄養や病態がテーマの勉強会にはできるだけ参加するようにしています。

ただ、そういった難しさがある反面で、訪問栄養食事指導ならではのやりがいを感じることもあります。施設の場合には、食事はどうしても画一的になってしまい、利用者が食べたいものはご家族の個人購入に頼らざるを得ませんでしたが、利用者の実際の生活を見てより求められているものや望まれているものを探りながら提案できるところは、訪問栄養食事指導だからこそできることだと思います。

大切なのは相手を否定しないこと

訪問栄養食事指導の仕事は、コミュニケーション能力がすごく求められると思います。利用者ご本人や、ご家族、ケアマネジャー、ヘルパーなどいろんな関係者の方の立場によって意見があるので、その調整は非常に難しいですね。その中で、特に利用者さんとのコミュニケーションで気をつけていることが3つあります。常に笑顔を忘れないこと、利用者や家族の気持ちに寄り添うこと、そして相手を否定しないことです。たとえ利用者さんのやっていることのポイントがずれていたとしても、その人にはその人なりの考えがあるものなので、決して否定はしません。その上でどうしたらいいかということをアドバイスしています。その結果、数値や身体状況などに効果的に現れて食事と栄養の大切さを実感してもらえると、よりうれしいですね。

前回はこちら >>深く幅広い知識が求められる訪問栄養食事指導の仕事① - 村上奈央子

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フリーランスの管理栄養士の仕事 | 訪問栄養食事指導の仕事②村上奈央子さん

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