世の中でさまざまな定義がされているウェルビーイングですが、Eatreatでは「個人それぞれの持続的な幸福感」と定義しています。管理栄養士・栄養士の中には、それぞれの個性に合った生き方を実践している方も多くいらっしゃいます。
本連載では、そんな管理栄養士・栄養士のライフスタイルや働き方をご紹介。
今回は、栄養相談やレシピ開発、コラム執筆と幅広くお仕事されている管理栄養士の川島美由紀さんにお話を伺いました。
今のライフスタイルになったきっかけ
管理栄養士取得後、医療系ベンチャー企業や特定保健指導の委託会社、食育関連の企業などで企画・開発・運営、プロジェクトマネージャーなどを経験しました。現在は会社での勤務を軸に、子どもの栄養相談や離乳食指導、食品メーカー様向けのレシピ開発やコラム執筆など、幅広くお仕事をさせていただいています。
以前、開催した食育講座の様子
今のようにいくつかの拠点や分野に関わりながら働くようになったきっかけは、出産と子育てを経験したことです。当時、特定保健指導の委託会社で働いていた私は、出産を機に「子どもの健康は日々の食事からつくられる」という思いを一層強く持つようになりました。一方で、働く母親としては時間もエネルギーも限られており、自分のやりたいことと家庭とのバランスに悩むことが増えていきました。
そんな中、地域のママ向けに始めた「産後食講座」が転機となります。子育て中のママたちと食を通じてつながり、情報を共有し、励まし合う中で、自分の知識や経験が誰かの役に立っていると実感しました。そこから「食育×共育」という軸を見出し、会社員として働きながら、地域での講座開催やコラム執筆、飾り巻き寿司の講師など、さまざまな活動に挑戦するようになりました。
以前、開催していた飾り巻き寿司教室の様子(現在は、お休み中)
お仕事を継続するポイント
私がいくつかの仕事を無理なく続けてこられたのは、どの仕事も「自分が大切にしている価値観」と結びついているからだと思います。私にとっての価値観とは、「食を通じて人の健康と笑顔を支えること」です。その想いが軸にあるからこそ、多少忙しくてもやりがいを感じながら続けていけるのだと思います。
また、家庭も仕事も全力投球では疲れてしまうので、「7割できていれば大丈夫」と自分を許すようにしています。さらに、夫や管理栄養士仲間、地域の人たちなどと信頼関係を築き、周囲の力を借りながら無理せず助け合える環境を整えることも継続の鍵です。
お仕事の楽しさ・やりがい
私の仕事の楽しさは、「人とのつながり」と「成長を実感できること」にあります。例えば、講座に来てくださったお母さんたちが、「子どもが野菜を食べてくれるようになった」と笑顔で報告してくれたことがありました。また、企業とのプロジェクトが形になり、感謝の言葉をいただけると、「この仕事をやっていてよかった」と心から思います。
さまざまなお仕事を通じて、自分のスキルや視野も広がっているのを実感できるのも、大きなやりがいです。飾り巻き寿司の講師を始めたことで、プレゼンテーション力が身につきました。コラム執筆では、言葉で伝える力が磨かれました。それぞれの経験が、相乗効果を生みだしていると感じます。
これから叶えたい夢・やりたいこと
子育てがだいぶ落ち着き、手が少し離れた頃に、新たに介護が始まりました。これまでとは違うステージに入り、自分の働き方にもセーブが必要な時期に入りました。介護をしながら管理栄養士としての知識が役立つ場面も多く、これからは、高齢者の低栄養予防や介護分野にも関わっていきたいと考えています
私にとっての「ウェルビーイング」とは
私にとってのウェルビーイングとは、「自分らしく、笑顔で過ごせる状態」です。就職や結婚、育児、介護などといった人生のターニングポイントごとに、考え方や価値観は変化していくものだと思います。私は、今までの経験を糧に、柔軟にそしてしなやかに、自分や周りの人たちを幸せにできる働き方や生き方を目指しています。
最近、人生で初めて新しいスポーツを始めました。最初は思うようにできず難しさを感じますが、簡単にできないことが楽しく、幸せだなと感じます。これからも変化を恐れず、常に“Try&Error”で前向きに歩んでいけたらと思います。
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