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- イベント報告
- 2018.01.15
小児がんとAYA世代の就労支援 晩期合併症に対応した ストレッチと簡単時短料理 第2回 開催
昨年11月25日にEatreatのキッチンスタジオで帝京科学大学 福井郁子先生による「小児がんとAYA世代の就労支援~晩期合併症に対応した ストレッチと簡単時短料理セミナー」が開催されました。
今回は、AYA世代(15歳から30歳前後の思春期・若年成人:Adolescent and Young Adult)のがん経験者とその家族、関係者の方を対象としたセミナーで、3回シリーズで行われるうちの2回目の講座となります。
第一部 晩期合併症についてのミニ講座
講師:福井郁子(帝京科学大学)
第二部 スポーツインストラクターによる ストレッチ
講師:飯島心
第三部 晩期合併症に対応した旬の魚と缶詰を使った時短料理のデモンストレーションと試食
講師:若林ゆかり(管理栄養士)
生活習慣の大切さ
まずは福井先生からのお話です。昨年から継続して行っている本プログラムからわかってきたことやこれからの展望についてお話しいただきました。
現在、小児がんの治癒率は8割まで上がっており、年間2,000~2,500人が発症し、1,500人が成人を迎えます。治癒率が上がってきた一方で、お子さんが発育途中であることなどから、成長や時間の経過に伴って、がん(腫瘍)そのものからの影響や、薬物療法、放射線治療など治療の影響によって生じる合併症がみられます。これを「晩期合併症(晩期障害)」といいます。晩期合併症は小児がん特有の現象です。成長発達(低身長)、中枢神経系(知覚障害)、臓器異常(心疾患、肺疾患、内分泌障害)、二次がん、心理的問題などが、治療後何年か経過してから起こることが分かっています。
本来であれば働き盛りであるAYA世代の就労に関しても、晩期合併症の影響による様々なハードルが存在します。その中の1つとして体調管理の難しさがあります。健康な人にも言えることですが、やはり運動や食事に気を付けることが大切になってきます。
ここで、参加者の皆さんが実際に自分のBMIを計算し、自分が痩せ、適正、肥満のどこにいるのかを確認しました。がん経験者の健康管理には、適切なBMIでいること、適度な運動習慣とバランスのとれた食習慣が大切です。そのような生活習慣を身につけることを目的に、福井先生が作成された晩期合併症に応じた運動プログラムと栄養プログラムが紹介されました。晩期合併症にも様々な程度やタイプがあります。それを分類し、プログラムを個人に合わせてモジュール化(構成要素)することで、より効果が高くなることが期待されるそうです。
今回のセミナーでは、第一回に高脂血症と糖尿病予防、第二回となる今回は骨粗鬆(しょう)症、高血圧、2次がん予防、来年3月に行われる第三回には疲労回復というテーマが設定されています。各回の運動プログラムでは、カロリー消費、脂肪燃焼、体幹筋トレ、呼吸法の各メニューを5分程度で構成し組み合わせます。また、栄養プログラムで紹介される食事メニューには、それぞれ秋刀魚、鮭、マグロといった旬の魚を用います。継続性を高めるためにプログラムをさらにシリーズ化し、来年度はアプリ化が予定されているといったお話もありました。
手軽なストレッチを取り入れよう
次に飯島先生のストレッチ講座です。
椅子を利用したストレッチで、テレビを見ながらなどのすき間時間にもできる効果的なストレッチを教えていただきました。
ウォーミングアップも兼ねて足首をくるくると回す運動からスタート。くるぶしから膝にかけてふくらはぎを親指で押すマッサージもあわせて行います。
これだけでも体が温かくなってきたように感じます。体が温まったら、椅子を使ったストレッチの開始です。
腹式呼吸がポイントです。息を吸い込み、お腹を膨らませてそのまま息をはく。お腹が膨らむとともに、胸も開いているように感じることでストレッチにつながります。
肩を柔軟にするストレッチでは、ペットボトルを持って負荷をかけつつ、肩甲骨を動かしました。
缶詰を利用した手軽な魚料理
適度な運動が終わるといい香りが漂ってきました。ここからは若林先生の料理デモです。
今回のテーマはサケ。秋が旬のサケですが、冷凍では1年中出回っていますし、缶詰もあります。そんな身近な食材を使った簡単時短料理をご紹介しました。
サケはアスタキサンチンも豊富で抗酸化作用があり、高血圧予防、骨粗鬆症予防にも役立つ優秀な食材です。缶詰なら骨まで食べることができるのでカルシウムを直接補給することができますね。
こちらが本日の献立です。
・鮭の和風パスタ
・麦ごはん
・鮭の照り焼き
・鮭のけんちん汁
・鮭缶と切干大根のサラダ
・鮭のケークサレ
・りんごのコンポート
ボリューム満点の献立ですが、目の前でどんどんでき上がっていく手軽な料理ばかりでした。時短のためのアイデアを随所に盛り込んだ献立です。
けんちん汁の野菜は今回は生野菜を利用しましたが、冷凍野菜を使えばさらに手軽ですね。パスタは水に漬けておくことでゆで時間を短縮しつつもちもちの食感に仕上げることができます。照り焼きも電子レンジで調理しました。
最後に、今回の献立に関する栄養講話もしていただきました。
バランス良く食べるとは? など今後の食生活にも参考にできる情報が満載でした。
AYA世代の就労支援は真剣に取り組んでいかなければいけない重要な問題です。
このプログラムを進めることで働くことに関しての悩みを少しでも取り除き、1人でも多くの方が世の中で活躍できるようにという福井先生の思いが感じられるセミナーでした。
次回は2018年3月3日開催です。
『小児がんとAYA世代の就労支援 晩期合併症に対応した ストレッチと簡単時短料理 第3回』
対象の方、小児がんの晩期合併症について興味のある方はぜひご参加ください。
みんなのコメント( 1 )
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- ID: 313
- 2502日前
AYA世代っていうんですね
3/3興味あります!-
WRITER
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Eatreat 編集部
Eatreat編集部
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