令和8年3月1日に第40回管理栄養士国家試験が施行され、同年3月27日に合格発表が行われました。本コラムでは、第40回の合格率や出題傾向を振り返りながら、直近の国家試験の特徴や今後の対策について理解を深めていきます。
第40回の合格率と推移
第40回の受験者数は15,927名、そのうち合格者数は7,582名でした。合格率は、管理栄養士養成課程(新卒)が79.3%、管理栄養士養成課程(既卒)が9.4%、栄養士養成課程から実務経験を経て受験した既卒者が11.0%で、全体では47.6%となっています。
また、以下のグラフのとおり、第38回以降は合格率が50%を下回る状況が続いています。半数を切る合格率から試験の難化が話題となりましたが、国家試験は出題基準(ガイドライン)に基づいて作成されているため、難易度が急激に変化しているわけではないと考えられます。
出典:厚生労働省「管理栄養士国家試験の結果について」より作成
一方で近年の国家試験では、複数の情報を整理して解く長文問題が増えていたり、過去に同様の問題が出題されていたとしても、別の角度から問われたりするケースが目立ちます。そのため、問題と答えを暗記する学習ではなく、「なぜその答えになるのか」を理解しながら学習することが大切です。
出題基準と出題された問題数
第40回の出題基準(ガイドライン)と出題された問題数の配分は以下のとおりです。
・社会・環境と健康…16問
・人体の構造と機能及び疾病の成り立ち…26問
・食べ物と健康…25問
・基礎栄養学…14問
・応用栄養学…16問
・栄養教育論…13問
・臨床栄養学…26問
・公衆栄養学…16問
・給食経営管理論…18問
・応用力試験(上記9科目の組み合わせ問題)…30問
計200問(120問以上の正解で合格)
幅広い分野から出題されており、各科目の知識を横断的に理解しておくことが求められます。
気になった問題①
正答…⑴
災害時対策に関する問題は、東日本大震災から15年の節目を迎えたことや、近年の自然災害の増加などを背景に出題されたと考えられます。災害時対策については、給食提供が困難になったときの栄養課題への対応として「給食経営管理論」で学分内容です。そうした中、今回は「応用栄養学」の環境と栄養管理の分野で出題されたことで、戸惑った受験者もいたかもしれません。近年の国家試験では科目を横断して知識を活用する力が求められる傾向がみられます。見慣れない出題形式であっても、基礎知識をもとに落ち着いて考える姿勢が大切です。
気になった問題②
正答…⑶
どの選択肢も子どもを支援する関わりに見えるため、迷った受験者も多かったかもしれません。「上級生を見学する」「大丈夫と励ます」などの対応も実際の教育現場で行われる支援でしょう。その中で正答の「一緒にやってみましょう」は、コツを教えながら成功体験につなげる関わりであり、自己効力感を高めやすい点がポイントです。近年の国家試験では、理論を覚えているかだけでなく、対象者の発達段階や状況に応じて「最も適切な支援」を判断する力が求められる傾向にあります。
第41回管理栄養士国家試験に向けて
近年の国家試験では、基礎知識を前提として「対象者の状況に応じてどのように考え、支援するか」を問う問題が増えています。過去問と同じ内容を暗記しているだけでは対応が難しく、知識と知識を関連付けて理解することが重要です。
第41回に向けては、過去問を繰り返すだけでなく「なぜその答えになるのか」を意識しながら理解を積み重ねていくことが合格への近道となるでしょう。
参考文献
・厚生労働省ホームページ:「1.第40回管理栄養士国家試験の結果について」、厚生労働省、https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001677805.pdf、(閲覧日:2026年5月1日)
・厚生労働省ホームページ:「1.第39回管理栄養士国家試験の結果について」、厚生労働省、https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001466573.pdf、(閲覧日:2026年5月1日)
・厚生労働省ホームページ:「第40回管理栄養士国家試験の問題および正答について」、厚生労働省、https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17056.html、(閲覧日:2026年5月1日)
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