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- スポーツ栄養
- 2022.08.05
大学生アスリートに向けた夏場の栄養管理 ~前編~
運動中に大量の汗をかくアスリートは、一般の人に比べて脱水を起こしやすく、それがパフォーマンスの低下につながったり、ひどくなると体調不良のみならず時には命に関わるリスクがともなうこともあるので、より注意が必要です。
今回はスポーツに取り組む方々に向けた夏場の栄養管理のポイントと、私のこれまでの経験を踏まえた大学生アスリートにおけるサポート事例を、2本立てでご紹介いたします。
スポーツ現場における暑さ対策の重要性
人の体は、運動すると体内から熱が多く産生されて体温が上がります。そして汗をかくことで皮膚が濡れ、その水分が蒸発する際の気化熱によって体温が下がり、36度前後の一定範囲を保つ機能が備わっています。
しかし、暑熱環境下で長時間にわたって動き続けたり、発汗量に対して水分補給が足りなかったりすると、体温のコントロールがうまく行われなくなり、急激に体温の上昇が進行し脱水状態に陥ったりします。ひどくなると、めまいや重苦しさなどの意識障害、頭痛、吐き気といったさまざまな症状があらわれてきます。
日差しの強い炎天下や湿度の高い体育館でスポーツを行うアスリートは、熱中症になるリスクが高くなるため、予防や対策が重要視されます。
汗とともに電解質も失われます
汗の成分は、99%が水分で1%は電解質です。電解質とは、ナトリウムや塩素、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルを指します。これらは筋肉の収縮や神経伝達の機能と関わっており、発汗量が多くなって水分とともに損失してくると、足の痙攣や手のこわばりなどの症状があらわれることがあります。
特にナトリウムと塩素は、発汗量の増加にともない汗中の濃度が上昇するという特徴があるため、夏のスポーツ現場ではスポーツドリンクなど電解質を含む飲料を使用したり、手軽に塩分補給ができるタブレットを用意しておくなどの工夫が求められます。
大学生アスリートへのサポート
スポーツ現場において、私はこれまで主に大学生アスリートへの栄養サポートを行ってきました。サポート内容としては、座学による集団教育、個別面談、メッセージのやりとりなど状況によってさまざまです。
夏場のサポートのポイントとしては、まずは熱中症や体調管理への理解、水分や栄養補給に関する知識の習得です。セミナーを実施したり、おすすめのサプリメントや補給食を配付して体感してもらいながら、継続的な実践を促しています。
大学生といえば、1人暮らしを始めたばかりだったり、学業と部活動の両立が求められたりと、食生活が乱れやすくなる時期です。
また、ただでさえ夏場は体調不良を起こしやすい季節です。そんな中、少しでも体の負担を軽減しながらスポーツに取り組んでいくためには、適切な栄養管理を身につけておくことが大切になってきます。
後編では、具体的なサポート事例をご紹介したいと思います。
参考文献
・鈴木志保子著:「理論と実践 スポーツ栄養学」、日本文芸社、(2018)
・公益財団法人日本陸上競技連盟医事委員会編著:「今より強く!を目指して~アスリートの身体づくりと食のエッセンス~」、ライフサイエンス出版、(2019)
みんなのコメント( 1 )
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- Eatreat 編集部
- 839日前
連日厳しい暑さが続いていますね。この暑さの中スポーツを行うアスリートへ夏場はどういった栄養管理が必要なのか、今回は学生アスリートに注目して公認スポーツ栄養士の山田志織さんに解説していただきます。
"学生アスリートへの栄養管理"のバックナンバー
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WRITER
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山田 志織
【主な活動】 ◆特定保健指導(ICT面談は4000件以上経験) ◆産業保健指導(健康保険組合非常勤) ◆研修(管理栄養士の育成) ◆コラム連載 ◆セミナー講師 ◆スポーツ栄養 【特技】 ★マラソン(走歴15年以上、100kmマラソン完走) ★アナウンス(学生時代アナウンス部)
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