スポーツの競技別の栄養・食事に関するシリーズです。
ほかの種目もチェック
スポーツ選手にとって食は土台をつくる非常に大切な部分です。身体づくりはもちろんのこと、メンタル面を支える土台はやはり食事。「何を食べればよいですか?」とか「これさえ食べればというものはありますか?」とよく聞かれますが、まずは食事の基本を押えましょう。基本の3カ条がこちらです。
【食事の基本3カ条】
①ご飯とおかずの割合は6対4
②しっかり噛んで、消化吸収力アップ
③好き嫌いなく、美味しく食べる
それぞれについて詳しく解説してきます。
①ご飯とおかずの割合は6対4
主食に当たるご飯は全体の6割、それ以外は全体の4割の量にします。おかずの目安としては、汁物、主菜に当たるメイン料理は肉か魚、副菜に当たる野菜や海藻、きのこのおかずです。1食での摂取カロリーやスポーツ種目、身体づくりによって全体の量は変わってきますが、基本の割合は変わりません。ご飯をしっかり食べることで、スタミナや筋肉も高まります。お米離れと言われる昨今ですが、日本人にとって大事な主食である米を食べると、強い身体をつくることができます。ちなみに、一般成人男性で1日6~7膳、女性で5膳強のご飯を食べることになります(男性2,500kcal、女性2,000kcal)。スポーツ選手ならば、消費カロリーがもっと増加するので、ご飯量ももっと増えるということになりますね。
②しっかり噛んで、消化吸収力アップ
「噛む」重要性はよく知られています。噛むことで、唾液の分泌促進や胃腸への負担の軽減により栄養素の消化吸収力が高まります。また脳への刺激も高まり、集中力や判断力の向上にも役立ちます。元来、日本食は食物繊維が多く、よく噛める食事でした。しかし、戦後増加した欧米食は柔らかく、余り噛まなくても飲み込める料理が多いです。動物性たんぱく質が中心のもの、麺類、パン、一品料理などは食物繊維が不足しがちになります。主食にはパンよりご飯、野菜を食べるには生の野菜サラダより根菜類や緑黄色野菜の煮物や和え物など、汁物に野菜や海藻たっぷりのお味噌汁の組み合わせをベースにすると、食物繊維をしっかり摂れます。
③好き嫌いなく、美味しく食べる
好き嫌いが多いアスリートは大きな損をしています。身体に必要な物は一つや二つの食品だけではありません。さまざまな種類を食べることで、体内への吸収が良くなり、材料として利用しやすくなります。また、まずいと思って食べると、吸収を妨げてすぐに排出されてしまいます。美味しいと感じながら集中して食事をすると、栄養素の吸収も良くなります。毎日の食事ですから、美味しく食べる方が楽しいですよね。身体は感情によってホルモン分泌などが変化するので、意外と感情は大切なのです。
スポーツ栄養の関連コラム
①スポーツ選手の食事の基本
②瞬発力&大きい筋肉を作る食事…投てき種目、ウエイトリフティングなど
③瞬発力&大きい筋肉を作る食事…スピードスケート(500m、1000m)、陸上短距離・跳躍、野球など
④パワー、スピード&持久力を作る食事…ボクシング、レスリング、柔道など
⑤瞬発力、持久力&パワーを作る食事…バレーボール、テニスなど
⑥瞬発力、持久力&パワーを作る食事…サッカー、ラグビー(バックスBK)、バスケットボールなど