スポーツに初めて出会い、スポーツの楽しさや負ける悔しさなどを知るジュニア期(小学生~中学生)。この時期は、食習慣や身体の基礎を作る大切な時期です。スポーツをする子供たちの食事のポイントは、必要な栄養をしっかり満たすこと、食習慣を身に付けることにあります。
子供は成長に必要な栄養を考える
ジュニア期は成長期まっただ中。成長に必要なエネルギーや栄養素をしっかりとることが大事です。ここが大人のアスリートの食事と考え方が大きく違うところです。
大人は基礎代謝量に生活活動量をプラスしたエネルギー量を基準とします。スポーツ愛好家の方やアスリートは、そこに運動で消費される分を追加します。一方ジュニア期は、運動で消費する栄養の前に成長に必要な栄養を考えて、その次に運動で消費する栄養を考えます。
また、ジュニア期は味覚形成や食習慣を身に付ける大事な時期でもあります。いろんな味や食感を体験させてあげ、お箸の持ち方などの食事のマナー、3食を食べる、コンビニ&ファストフードの活用のしかたなども身に付けられるような献立にします。
間食を上手く使う
成長に必要な栄養や運動に必要な栄養を摂取するとなると量が必用です。しかし、ジュニア期は体が小さく、一度に食べられる量が多くありません。ジュニア期は、間食を「4回目の食事」として考えます。
エネルギー量、タンパク質、ビタミンが摂れるメニューにします。梅干のおにぎり、焼き鮭のおにぎりを持たせるのもいいですし、寒い季節には、コンビニで肉まんなどを買って食べるのもいいでしょう。フルーツヨーグルト、茹で卵のような、子供たちが自分で用意しやすいものもおすすめです。
スポーツ貧血に注意
ジュニア期は、体作りをしっかりする時期ですが、強度の高いトレーニングを続けていると貧血を起こしやすくなります。強度の高いトレーニングによって、筋肉内で鉄の必要量が増えること、発汗による鉄の喪失、ジャンプなど足の裏に強い衝撃がかかることによる赤血球の破壊などが貧血の原因となっています。陸上の長距離選手がトレーニングを続けていてスポーツ貧血になることもあります。貧血になると、持久力の低下、疲労感がとれない、などの症状が起こりやすくなります。また、近頃ではダイエットが原因で貧血になるジュニア選手が増えているようです。貧血になると骨も筋肉も成長ができにくい状態になるので注意が必要です。
お菓子を食事の代わりにしていないか、食事や体型についての考え方にゆがみがないかを確認することも大切です。そして、スナック菓子や洋菓子、和菓子でお腹を満たすのは、ビタミンの無駄遣いになること、身体が作られないこと、競技の結果が出ないことを理解できるように食育をすることが重要です。
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