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伝統的な日本食が健康と長寿へ

2016年版の「世界保健統計(WHO発表)」によると、2015年の日本人の平均寿命は83.7歳で世界一でした。男女別でみてみると、女性が世界トップの86.8歳、男性が6位で80.5歳という結果となりました。このような長寿国を作り出した要因として考えられるのは、医療の進歩、保健衛生の向上に加え、なんといっても日本の食事ではないでしょうか? 食の欧米化による生活習慣病罹患率も問題視されている一方で、健康の維持、疾病予防の観点から、もう一度日本食や和の食材を見直そうという動きがあります。

「まごわやさしい」のススメ

杏林予防医学研究所所長である山田豊文先生が提唱されている「まごわやさしい』をご存知ですか?これは、健康のために理想的で栄養的な価値が高いとされる食品の覚え方です。ではどのような食品が該当し、どのような栄養が摂取できるのかをみていきましょう!

ま(豆・豆製品):
   大豆、納豆、豆腐など。良質のたんぱく質、カルシウム、マグネシウム、
   ビタミンB群、食物繊維(ささげ、小豆なども食物繊維が豊富)
ご(ごまなどの種実類):
   マグネシウム、亜鉛、ビタミンE
わ(わかめなどの海藻類):
   カルシウム、マグネシウム、ヨウ素
や(野菜):
   カリウム、β‐カロテン、ビタミンC
さ(魚):
   たんぱく質、EPA・DHAなどのオメガ3不飽和脂肪酸
し(しいたけなどのきのこ類):
   トコフェロール(プロビタミンD)、食物繊維
い(いも類):
   炭水化物・糖質、ビタミンC、カリウム

いずれも、昔から日本の食卓ではなじみのある食材ばかりです。「まごわやさしい」を食事に取り入れることで、生活習慣病の予防や改善、骨粗鬆症予防などに効果があるといわれています。

日々の食事、節句にも「まごわやさしい」

近年は、献立の内容を色彩豊かにすることで、バランスをととのえる方法なども推奨されていますが、「まごわやさしい」の食材は決して華やかな食材とは言えません。しかし、日本古来から日常の食卓はもちろん、おせち料理や節句の祝い料理、彼岸の赤飯やおはぎにも欠かせない食材として使われてきました。日本の文化と健康食材を使った行事食は切っても切り離せないものです。食が豊かになりすぎた現代だからこそ、健康を意識し、改めて見直していきたい食材ではないでしょうか。

【参考文献】
・World Health Statistics 2016
  http://www.who.int/gho/publications/world_health_statistics/2016/en/
・細胞から元気になる食事   新潮社

 

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