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太陽の力が復活する節目の日

冬至は、北半球では太陽が一年で最も低い位置に来る日です。この日を境に太陽の力が増していく起点の日に当たるため、古くから世界各地で当時の祝祭が行われていました。
古代中国ではこの日を暦の最初の日と考え、「冬至節」という天を祀る儀式が行われており、これに影響を受けて日本でも冬至を一年の節目として祝う習慣が生まれました。
冬至に食べる物として親しまれているのが、冬至粥(小豆のお粥)とかぼちゃです。冬至粥は、小豆の赤が太陽や火や血を意味する魔よけの色で、厄をはらうとされているために食べられるようになったようです。

かぼちゃの栄養

小豆粥と並んで冬至の食べ物といえば、かぼちゃです。かぼちゃはなんといってもβ-カロテンの含有量が豊富。体内でビタミンAに変化して、肌や粘膜を保護し、感染症への抵抗力をつけてくれるため、この時期風邪予防に食べるのは大変理にかなっていると言えるでしょう。ワタの部分にもβ-カロテンが豊富に含まれるので、できるだけ捨てずに料理に活かしてください。また、油と一緒に摂るとβ-カロテンの吸収率がアップします。
ちなみに、現在最も多く流通しているのは西洋かぼちゃですが、小さめのぼっちゃんかぼちゃはβ-カロテンが西洋かぼちゃの3~4倍も含まれるそうです。
また、ビタミンE含有量は野菜の中でもトップクラス。高い抗酸化作用が期待されます。毛細血管の血行をよくする働きがあるため、肩こりや冷え性がつらい方にもおすすめです。
かぼちゃは生のままなら常温で1年近く保存できます。昔は、冬に新鮮な野菜が少なくビタミンが不足しがちだったため、夏からとっておいたかぼちゃで栄養を補うという知恵も反映されているのですね。

ゆず湯の効能

冬至と言えばゆず湯。ゆずの果汁や果皮には多くの栄養が含まれています。お肌に良いと言われているビタミンCの含有量が多く、ゆず100g中に含まれる果汁のビタミンC含有量は40mgですが、果皮には150mgと特に多く含まれています。ビタミンCは肌の保水性を高め、抗酸化作用を有することから、乾燥肌の予防や老化予防、肌を守るバリア機能の向上が期待できます。ゆずを果皮ごと食べることはほとんどありませんが、ゆずを浴槽に入れることで、ビタミンCが果汁・果皮両方から湯に溶けだします。冬の肌荒れ防止にももってこいですね。
また、ゆずの精油にはゆず独特の爽やかで優しい香りが含まれています。香り成分は揮発性のため、お湯に入れるとさらに香りがたち、リラックス効果も期待できます。

参考文献
・『おうちで楽しむ 季節の行事と日本のしきたり』2014 新谷 尚紀 監修 マイナビ
・『伝えていきたい暮らしの知恵』2014 おばあちゃんの知恵袋協会 監修 学研パブリッシング
・『新しい栄養学と食のきほん事典―安心・安全・健康を支える』 2010 井上 正 監修 西東社
・『決定版 栄養学の基本がまるごとわかる事典』 2015 足立香代子 監修 西東社
・高知県立大学健康栄養学部健康栄養学科 柚子湯の効能/健康栄養ちょっといい話
 http://www.u-kochi.ac.jp/~health/hitikotomemo/story_yuzu.html

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みんなのコメント( 1

    • ID: 324
      2508日前

      すごいわかりやすいです

      拍手 0

WRITER

冬至にはなぜかぼちゃを食べるの?

Eatreat 編集部

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