COLUMN

砂糖、ブドウ糖、血糖、糖尿病…このように身近にあふれている「糖」ですが、それではいったい糖の役割とは何でしょうか。

糖の役割とは

糖は食品の栄養素としては炭水化物に分類され、エネルギー源になります。炭水化物とは消化吸収されないものが食物繊維で、消化吸収されるものが糖質です。糖質の多くは1gあたり4kcalのエネルギーになります。

調理の面では、甘味をプラスするだけでなく、食品の品質保持において幅広い役割も担っています。一口に糖と言ってもたくさんの種類があり、消化吸収の特性や食品の物性への影響は、その物質によって異なります。ひとつひとつの特性を理解し、選択していくことが健康で美味しい食事につながっていきます。

糖質カットはしても大丈夫?

最近、糖質オフの製品や糖質制限ダイエットなどよく耳にします。では本当に糖質なしでも問題はないのでしょうか。
前述の通り、糖質は甘味をプラスする以外に、食品の品質保持に多くの役割を担っています。ケーキを作るとき、糖質を控えるために砂糖を抜いてしまうと甘さもなくパサパサのものができてしまいます。このように糖質には、ケーキをしっとりさせる役割があり、単に糖質を抜いてしまうと美味しいものを作るのが難しくなってしまうのです。
砂糖を他の糖質に置き換えた場合はどうでしょう。例えば、砂糖と比べてカロリーの低い糖アルコール(キシリトールやマルチトールなど)は、糖質ではあるものの、食品の品質保持効果は優れているとは言えません。特に、でん粉のやわらかさを保つ力はあまりなく、砂糖を糖アルコールに変えたからといって同じ品質のものができるとは限らないのです。

高齢の方におすすめのトレハロース

トレハロースという糖質をご存知でしょうか。トレハロースは砂糖と比べて甘さは低いものの、食品の品質保持効果は非常に高い糖質です。保水力があり、食品の瑞々しさを保つことにかけては群を抜いています。ごはんの柔らかさを保ったり、冷凍の作り置きをさらに美味しくしたりと活用の幅も広いです。さらにトレハロースはエネルギー1gあたり4kcalあるもののインスリン刺激性が低く消化・吸収が穏やかであるという結果が出ています。こういった機能性の高い糖質を使用するの手法のひとつです。またトレハロースはブドウ糖2分子からなるため、高齢の方にはエネルギー不足を補う方法として、低甘味のトレハロースを利用することも考えられます。

参照:https://www.hayashibara.co.jp/data/66/rd_tp_four/

みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
      2185日前

      Eatreat編集部です。今回のテーマは糖。話題の糖質カットにも触れています。

WRITER

今津 奈都子

食品の原材料メーカーに勤務している管理栄養士です。 ナガセヴィータ株式会社では、多機能糖質“トレハ®”や水溶性食物繊維“イソマルトデキストリン”、柑橘ポリフェノール“糖転移ヘスぺリジン”などの食品素材を製造販売しております。美味しさと健康の両面からサポートできるようなご提案をさせていただきます。

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