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今回の旬の野菜は9月に旬の「ズッキーニ」です。

ズッキーニの由来

ズッキーニはウリ科の1年草で、かぼちゃに属するスクワッシュ(洋種の小さいかぼちゃ)の一種です。ハロウィンに飾る、あのかぼちゃの仲間です。形はキュウリに似ています。種が育つ前に未熟果と花を収穫して、食用とします。フランス語では「クルジェット」、ほかに、ズッキーカボチャ、ツルナシカボチャ、ベルナ、パンサー、サマースカッシュなどと呼ばれています。
ズッキーニはイタリア語で、「小さいかぼちゃ」という意味です。

ズッキーニの歴史

メキシコが原産のペポかぼちゃが、ヨーロッパで発達した品種のひとつで、長細い形に改良したのはイタリアでと言われてます。日本には第2次大戦後に一度伝えられたのですが広まらず、1975年以降に、主にアメリカから輸入された野菜として広まりました。日本に入ったかぼちゃの中では、最も遅いかぼちゃですが、昔から日本で栽培されている「そうめんかぼちゃ」と同じ種類になります。

ズッキーニのでき方

雄しべだけもつ花を雄花、雌しべだけもつ花を雌花と言いますが、ズッキーニなどのウリ科の野菜は、一つの株の中に雄花と雌花が別に咲く「雌雄異化同株植物(しゆういかどうしゅしょくぶつ)」で、きゅうり以外は人工授粉をした方が実のつき方がいいとされています。雄花は連日咲き、雌花は数日おきに咲くので、雌花が咲くのを待って受粉します。
最初に雄花が咲くのは、植物の戦略と言われています。雄花を先に充実させて、花粉をよそへ飛ばし、自分の遺伝子を届けようとしている証とされています。そして雌花がしばらくしてから咲き始めるのです。これが雌雄異化同株植物の特徴です。

ズッキーニの栄養素と選び方&保存方法

ズッキーニはカリウム、カルシウム、ビタミンC、葉酸、カロテン、ビタミンE、ビタミンKがほどよく含まれた野菜になります。肉質は白くなめらかで、ほのかな甘味があり味にくせがありません。
太さが均一で、色が鮮やかでツヤがあるもの、傷がなく、ヘタの切り口がみずみずしいもの、手に持った時に弾力があるものや、斑点がないものがお勧めです。また、サイズが大き過ぎると、皮や種が硬くなりますので、重さは200g位を目安にしましょう。
花は雄花の方が、味が良いとされています。イタリア料理では雄花だけを利用する地域と区別せずに利用する地域とがあるようです。
保存はポリ袋に入れて野菜室で冷蔵するのがよいでしょう。使いかけのものは、切り口が空気にふれないようラップでぴっちりと包みましょう。

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ズッキーニの調理方法

皮や種やワタを取り除かずに、そのまま使いましょう。薄くスライスすれば、生でもいただけます。ズッキーニで料理するイメージが難しい時は、なすを使うようなメニューを考えると、料理の幅が拡がります。
焼き物、炒め物や煮物にも。グラタン、フライや天ぷら、中をくりぬいて肉詰めにしたり、肉巻きにしたりしてもいいですね。漬物、ピクルス、サラダ、ナムル、汁物、和え物にも合います。トマトベースの煮物は冷たくしてもおいしく召し上がれます。パスタやピザの具材としてもいいですね。全粒粉のビスケットを土台に、甘くないレアチーズケーキにしてソテーしたズッキーニをトッピングしたり、すりおろして粉と混ぜてケーキにしたりしてもいいですね。
おしべとめしべをとった花先をそっと洗い、花の中にチーズを詰めて、フリッターにした料理は有名です。花は生でも食べられるようですが、花の中に具材を詰めて調理するので、加熱していただくのが一般的です。ちなみに、白ワインともよく合います。

参考文献
・『とれたて大百科』 JAグループホームページ https://life.ja-group.jp
・『七訂 食品成分表2016』 女子栄養大学出版部 2016
・『野菜の効用事典』 山口米子 大滝 緑 明治書院 2005
・『新・野菜の便利帳 おいしい編』 板木利隆 高橋書店 2016
・『新・野菜の便利帳 健康編』 名取貴光 高橋書店 2016
・『いつもの野菜まるごと百科 やさいの教室』 かんき出版 2016
・『簡明食辞林 第2版』 樹村房 1997
・『地域食材大百科 第2巻』 農山漁村文化協会 2010
・『趣味の園芸 やさいの時間』 2017年5月号 NHK出版 2017
・『趣味の園芸 やさいの時間』 2017年8月号 NHK出版 2017

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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
    • Eatreat 編集部
      1999日前

      Eatreat編集部です。
      本日の旬の野菜はズッキーニ。
      漬物、ピクルス、サラダ、ナムル、汁物、和え物にも◎なズッキーニの豆知識をどうぞ!

      拍手 1

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WRITER

「ズッキーニ」の栄養素や歴史【管理栄養士監修】9月の旬の野菜の栄養学

小山 幸子

現在は病院、クリニックでの食事サポート、調理実習のほか、食コラムの執筆等。 『この食事が、人生で最後の食事かもしれない』を、モットーに業務に携わっている。 メカオンチのあがり症。 高校卒業後、会社員として8年間勤務後、26歳で栄養士養成校へ。 教員より年上の生徒だった経験を持つ異色の栄養士。 毎日書道会 会友 (雅号:小山 桃花)

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