今回の旬の野菜は11月~2月に旬の「水菜」です。
水菜の由来
水菜はアブラナ科の1-2年草です。結球しないアブラナ科の野菜である「つけな」の一種になります。
古くは栽培する時に、肥料を使用せず、畑の隙間に水を引き入れて、地力の高さを利用して栽培したことから「水菜」の名がついたと言われています。
日本への起源は定かではなく、「倭名類聚抄」(931~938)に記されたのがはじめとされています。一株に細かい葉が数十本密生した形をしています。
水菜のさまざまな呼び名
京都が原産なので「京菜」ともいいます。霜があたってから味がよくなるので、京都では「水菜が並ぶようになると冬本番」と言われています。
関西のものは、葉に深いギザギザの切れ込みがありますが、関東のものは切れ込みが浅くなっています。
このような葉の形から「ヒイラギナ」、「千本菜」、「糸菜」など、様々な呼び方があります。ちなみに、葉のギザギザの部分を「欠刻(けっこく)」と言います。
明治時代に、産地は従来から栽培されていた京都に一極化していましたが、平成元年に商品開発により小束化したものが、消費者に広く受け入れられ、産地とともに全国に拡大しました。小束のものは1年中出回るようになりました。
水菜の栄養素と保存方法
カロテンが豊富な緑黄色野菜です。ビタミンE、ビタミンK、ビタミンC、ビタミンB2、B6も多く、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄、食物繊維もたっぷり含まれています。
みずみずしくて緑色が濃く、葉先がピンとして葉脈がくっきりとしているものや、株が大きくてボリュームがあり、茎は白く、根元が変色していないもの、葉がしおれていたり、茎がつぶれていたりしないものを選びましょう。
湿らせた新聞紙などで包んで、ポリ袋に入れて野菜室で冷蔵します。日持ちはしないので、早めに使いきりましょう。
水菜の調理法
栽培した時の間引き菜は、柔らかいので捨てずに利用しましょう。汁物やサラダにもってこいなのです。
京都の漬け菜である「壬生菜(みぶな)」は、壬生狂言で名高い壬生寺付近で作られていたものになります。水菜の近縁種で、葉の切れ込みがないのが特徴です。
アクがなくて、やわらかいので、生でそのままサラダに使えます。漬物、煮物、鍋物、和え物にしてもいいですね。
「はりはり鍋」の「はりはり」は、歯ごたえのある水菜を食べる時の音に由来しています。この食感を味わう時は、さっとくぐらせて、火を通しすぎないようにしましょう。
パスタなどの麺類にも向いています。麺類は噛まずに早食いになりやすいので、水菜を加えることで、ゆっくり噛んで食べる習慣にもつながります。細かく刻んで、混ぜご飯の仕上げにも。また、焼きたてのピザにそのまま乗せてもいいですね。ピザの味で野菜もモリモリいただけます。お試しください。
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参考文献:
・とれたて大百科 JAグループホームページ https://life.ja-group.jp
・『七訂 食品成分表2016』 女子栄養大学出版部 2016
・『野菜の効用事典』 山口米子 大滝 緑 明治書院 2005
・『新・野菜の便利帳』 板木利隆 高橋書店 2016
・『野菜の仕入れ事典』 瀬戸達和 旭屋出版 2008
・『簡明食辞林 第2版』 樹村房 1997
・『野菜園芸大事典 第4版』 養賢堂 1988
・『地域食材大百科 第2巻』 農山漁村文化協会 2010
・『趣味の園芸 やさいの時間』 2017年11月号 NHK出版 2017
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