今回の旬の野菜は10月~11月に旬の「ツルムラサキ」です。
ツルムラサキの呼び名はさまざま
ツルムラサキはツルムラサキ科の1年草です。熱帯地方では2年草になります。会
ほかに「バセラ」、「フジナ(藤菜)」、「オチアオイ(落葵)」、「フジアオイ(藤葵)」、「インディアンスピナッチ」、「セイロンスピナッチ」、奄美大島では「ハンダマ」、中国では「キクラゲ菜」など、さまざまな呼び名があります。スピナッチとはほうれん草の事で、「インドのほうれん草」とも呼ばれています。若い葉と茎を食べます。
ツルムラサキの歴史
ツルムラサキの原産地は熱帯アジアです。日本では主に観賞用でしたが、熱帯地方では野菜として広く食べられていました。茎と葉が緑色の緑茎種と、茎が紫紅色の紫茎種があり、野菜としては緑茎種が好まれています。緑茎種は徳川の時代に、紫茎種は明治頃に日本に伝わったとされています。そのため紫茎種は「しんつるむらさき」とも呼ばれています。
日本でのつるむらさきの最も古い記載は、江戸時代初めの「多識篇」内での「豆留牟良佐岐(つるむらさき)」とされています。1972年(昭和47年)の日中国交回復を境に、中国野菜のブームとともに南方野菜のつるむらさきも脚光を浴びることになり、栽培が広がっていきました。
日本では、ほうれん草の栽培が不安定な暑い時期に、ほうれん草に代わる野菜として栽培されることが多くなっています。
ツルムラサキの栄養
土臭い香りがあり、加熱すると少し粘りが出ます。アクが少ないのも特徴です。カロテンが多く、緑黄色野菜になります。そして、ビタミンK、ビタミンE、ビタミンC、葉酸も多く、「ビタミンACE(エース)」野菜になります。カルシウム、マグネシウム、リン、鉄分などのミネラルも豊富です。カルシウムの量は、ほうれん草のおよそ3倍含まれています。
ツルムラサキの選び方&保存方法
茎が太く、葉がしっかりと茎に付いているもの。茎も葉も、ピンとしていて厚みとツヤがあるもの。
寝かせてしまうと鮮度が落ちやすいので、ぬれた新聞紙に包んで立てて野菜室で冷蔵しましょう。鮮度が落ちてくると、葉がしおれて変色し、折れ口から「トロケ」が急速に進んでいきます。
ツルムラサキの調理方法
たっぷりのお湯で1分ほど茹で、すばやく水で冷やしましょう。茹で過ぎると歯触りがなくなり、ビタミンも逃げていきます。調理の際には、ほうれん草のように利用すれば、調理の幅も広がります。おひたし、汁物、サラダ、和え物、ナムル、炒め物、天ぷらにもよく使われます。生でもおいしくいただけます。お菓子ならば蒸しパンにもいいですね。赤また、紫色の実は染色に使われています。
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参考文献:
・つるむらさき JA全農みやぎ http://www.mg.zennoh.or.jp/foods/vegi-fruit/vegetable-recipe/basella-alba.html
・『七訂 食品成分表2016』 女子栄養大学出版部 2016
・『野菜の効用事典』 山口米子 大滝 緑 明治書院 2005
・『いつもの野菜まるごと百科 やさいの教室』 かんき出版 2016
・『旬の野菜の栄養事典』 吉田企世子 エクスナレッジ 2016
・『簡明食辞林 第2版』 樹村房 1997
・『原色食品図鑑 第2版』 建帛社 2008
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