• COLUMN

今回の旬の野菜は9月に旬の「なす」です。

なすの歴史と由来

なすは、ナス科の1年草ですが、熱帯では多年草になります。「なすび(奈須比)」、「なすみ(中酸実)」とも呼ばれる日本の代表的な野菜の一つです。フランスでは「オーベルジーヌ」と呼ばれています。
原産地はインドで、インド周辺では古くからカレー煮などに使われていました。
日本へは7世紀後半から8世紀の始めに伝えられたとされていて、ヨーロッパよりも早く普及したようです。江戸時代には既に、多くの品種がありました。それぞれの地方の環境や好みによって、独特の地方種を生み出してきたので、品種の多さは大根に次ぐと言われています。 「成す」「生す」などの言葉を思うことから、縁起のいい野菜として親しまれています。なすのかわいい花には「優美」「真実」などの花ことばもあります。

「秋なすは嫁に食わすな」の意味

「秋なすは嫁に食わすな」ということわざがありますが、この意味は、味のよい秋なすを嫁には食べさせないという説以外に、秋なすは種が少ないので、嫁に食べさせると子どもができなくなる、身体を冷やす、消化が悪いからといった、嫁の身体を気遣っての解釈など、さまざまな説があります。

なすの栄養素

なすの成分の90%が水分です。ビタミンやミネラルは少なめで、カリウム、ビタミンC、葉酸がほどよく含まれています。なすのアクは、ポリフェノールの仲間のクロロゲン酸です。活性酸素の働きを抑え、血圧や血糖コントロールにも有効とされています。きれいに仕上がるように水につけるのが一般的ですが、栄養がにげてしまうので最小限にしましょう。

Eatreatの栄養価計算機なら、旬の野菜もラクラク栄養価計算ができます↓
なすの栄養価計算結果へ
※計算結果は、会員登録(登録無料)すると見られます。

なすの色の秘密

「なす紺」と呼ばれる美しい色は、アントシアニン系のナスニン(紫)と、ヒアシン(青褐色)、デルフィニジンなどで、加熱や酸などで色があせやすくなります。皮が緑や白い品種のものには、ほとんど含まれていません。
ナスニンはアルミニウムや鉄分によってきれいな色になります。この性質を利用して、ぬか漬けの色止めに釘やミョウバンが使われています。

おいしいなすの選び方と保存方法

なすの商品価値は、色とツヤで決まることが多いようです。皮に傷や色ムラがなく、色が濃くてふっくらと光沢とハリがあるもの、ヘタの切り口がみずみずしいもの、ヘタの下のガクが反り返るようにはっているもの、トゲのある品種はトゲが痛いくらいのものがお勧めです。 手にした時に軽いものは、中がスカスカになっていることがあります。ヘタの大きさに比べて実が小さいのは未熟です。

なすの保存方法

長く冷蔵すると低温障害を起こして、種が黒くなって硬くなり痛みやすくなります。短期間であれば、新聞紙に包んで常温で保存するのがいいですね。室温が高い時は新聞紙や通気性のいいポリ袋に入れて、冷えすぎないように野菜室で冷蔵し、2・3日でいただきましょう。

なすの調理法

なすは漬けてよし、焼いてよし、揚げてよし。煮物、汁物、おひたし、和え物、炒め物にいいですね。味噌やごまとの相性も抜群です。カレー、パスタ、グラタン、ピザにも。煮物をする時は、水分が出てくるので煮汁は控えめにするといいでしょう。
薄くスライスして焼いたなすは、ベーコンやハムと合わせてサンドイッチにしてもおいしいです。

電子レンジ楽ちんなす調理

ヘタをとったなすを、丸ごと1本ずつラップでピッタリくるみます。なす2本で電子レンジで3分を目安に加熱します。やけどしないよう、すぐにラップをとり、そのまま冷まします。すぐにラップをとることで色よく仕上がります。粗熱がとれたら、好きな大きさに切ったり、さいたりして利用できます。さいたものは麺のトッピングにも。
こうして電子レンジを利用すると調理の時の油の量も少なくて済みます。ラップでくるむ時、巻き終わりが分かりやすいよう、のり巻きを作る要領でくるんで端をおると、ラップをとる時に便利です。
レンジでチンしたなすにレモン汁と砂糖を加えてジャムとしても召し上がれます。

冷凍なすもお勧め

へたを切り落として、縦半分に切って、さっと水にさらしてアク抜きをします。水気をしっかりと拭いて、冷凍保存袋に入れて冷凍保存もできます。使う時は解凍せず、そのまま調理しましょう。2~3分おくと切りやすくなります。炒め物、肉巻き、素揚げにも。冷凍しても3週間~1か月以内で食べきりましょう。

参考文献
・『とれたて大百科』 JAグループホームページ https://life.ja-group.jp
・『七訂 食品成分表2016』 女子栄養大学出版部 2016
・『野菜の効用事典』  山口米子 大滝 緑 明治書院 2005
・『新・野菜の便利帳 健康編』 名取貴光 高橋書店 2016
・『新・野菜の便利帳 おいしい編』 板木利隆 高橋書店 2016
・『野菜の仕入れ事典』 瀬戸達和 旭屋出版 2008
・『いつもの野菜まるごと百科 やさいの教室』 かんき出版 2016
・『野菜の作型と品種生態』 山川邦夫 農山漁村文化協会 2016
・『簡明食辞林 第2版』 樹村房 1997
・『野菜園芸大事典 第4版』 養賢堂 1988
・『原色食品図鑑 第2版』 建帛社 2008
・『地域食材大百科 第2巻』 農山漁村文化協会 2010
・『趣味の園芸 やさいの時間』 2017年7月号 NHK出版 2017

関連コラム
『10月15日は「きのこの日」 きのこの豆知識①』
『減塩に大活躍! 話題の「乳和食」について知ろう 』
『見直される伝統食材! 発酵食品と健康①』

コメントを送ろう!

「コメント」は会員登録した方のみ可能です。

みんなのコメント( 1

"管理栄養士が解説する旬の野菜の豆知識"のバックナンバー

もっと見る

WRITER

「なす」の栄養素や歴史【管理栄養士監修】9月の旬の野菜の栄養学

小山 幸子

現在は病院、クリニックでの食事サポート、調理実習のほか、食コラムの執筆等。 『この食事が、人生で最後の食事かもしれない』を、モットーに業務に携わっている。 メカオンチのあがり症。 高校卒業後、会社員として8年間勤務後、26歳で栄養士養成校へ。 教員より年上の生徒だった経験を持つ異色の栄養士。 毎日書道会 会友 (雅号:小山 桃花)

小山 幸子さんのコラム一覧

関連タグ

関連コラム

"食材の知識・食育"に関するコラム

もっと見る

CONFERENCE

ログインまたは会員登録が必要です

会員登録がお済みの方

ログイン

まだ会員登録をされていない方

新規会員登録

ページの先頭へ