今回の旬の野菜は5月に旬の「さやえんどう」です。
「絹さや」の名前の由来がおもしろい
さやえんどうはその名の通り、マメ科の野菜です。和名はえんどう。一年生のつる性草本になります。
絹さや、さやえんどうは、えんどう豆の未熟なさやを食用とする呼び方になります。若いうちに採ることで、「さやごと食べる」か、グリーンピースのように「緑色のやわらかい豆の状態で収穫する」かの違いになります。
絹さやとは、さやが上等の絹織物のようにやわらかいという言葉の意味があります。また、さや同士擦れ合う音が、絹さばきの音に似ているところから絹さやと言われるようになったなど、エピソードは尽きません。
3月8日は「さやえんどう」の日
さやえんどうの花は、品種によって白とピンクがあって、その花はスイートピーに似た可愛いらしい姿をしています。一般的に果菜(果実を食用とする野菜)は受粉後、花の後がふくらんで実になりますが、花の断面を見ると、小さな実が並んでいます。花の中に既に豆ができているのです。
消費者においしいさやえんどうをPRするために、さやえんどうの生産量の多い和歌山県と鹿児島県のJA(連合会)が協力して、「さ」と「や」のごろ合わせで3月8日が「さやえんどうの日」として、(一社)日本記念日協会に認定されているようです。
「さやえんどう」の栄養
未熟な豆をさやごと利用するので、栄養価は高いと言えます。たんぱく質、カロテン、ビタミンB1、B2、ビタミンC、カリウム、食物繊維も多く、緑黄色野菜です。カロテンはトマトとほぼ同量です。
たんぱく質は100gで卵1/2個分、牛乳100mLと同量含まれています。一度に100gを食べることは少ないですが、野菜の中では多い量になります。ビタミンCはイチゴに近い量が含まれています。
小さい種子には、リジンなどのアミノ酸も豊富です。
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おいしい「さやえんどう」の選び方と保存方法
へたの緑色が鮮やかで、ぽきっと折れるハリがあるものが新鮮です。さやが黄色いものは控えましょう。また、「板さや」と呼ばれるように、豆が大きいとさやの歯触りが悪くなるので、豆の形が表面にあまり浮き出ていない板状に薄いものがいいですね。先のひげが白っぽく、ピンとしているものもおすすめです。
乾燥に弱いので、ポリ袋に入れて野菜室で冷蔵。鮮度がよいものは軽く茹でて冷凍すると2-3か月利用できます。
「さやえんどう」の調理法
筋は、へたのついている方から二方向に分けてとり、先端はそのまま形を残すとよいでしょう。茹でる時は、塩を入れた熱湯でさっと茹で、冷水で手早く冷ましましょう。歯触りが大切なので、茹で過ぎないようにしましょう。
煮物、炒め物、汁物、天ぷらにもいいですね。新玉ねぎと合わせてサラダにも。細く刻んで和え物もおいしいです。さやえんどうは卵との相性がいいので、卵焼き、卵とじ、茶碗蒸しにもGOODです。ぜひ試してみてください。
参考文献
・とれたて大百科 JAグループホームページ https://life.ja-group.jp
・『七訂 食品成分表2016』 女子栄養大学出版部 2016
・『野菜の効用事典』 山口米子 大滝 緑 明治書院 2005
・『新・野菜の便利帳 健康編』 名取貴光 高橋書店 2016
・『新・野菜の便利帳 おいしい編』 板木利隆 高橋書店 2016
・『野菜の仕入れ事典』 瀬戸達和 旭屋出版 2008
・『簡明食辞林 第2版』 樹村房 1997
・『地域食材大百科 第2巻』 農山漁村文化協会 2010
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