COLUMN

世の中でさまざまな定義がされているウェルビーイングですが、Eatreatでは「個人それぞれの持続的な幸福感」と定義しています。管理栄養士・栄養士の中には、それぞれの個性に合った生き方を実践している方も多くいらっしゃいます。
本連載では、そんな管理栄養士・栄養士のライフスタイルや働き方をご紹介。
今回は、子どもの食育をメインに活動する管理栄養士と、新米菜園家という二つの顔を持つ木下麗子さんにお話を伺いました。

新米菜園家になった管理栄養士

管理栄養士として「子どもの主体性を食卓から伸ばす!」ことを掲げ、日々子どもの食事に悩むママのご相談対応にあたっています。オンライン相談や講座、都会での講演会や離乳食教室、時短調理のレッスンなどを展開しています。もうひとつの顔は、素晴らしい景観やおいしい農作物がたくさんある兵庫県丹波篠山市で新米菜園家。自分の畑を耕し、草刈りをし、時にはご近所の稲刈りや畑作業を手伝いに、と集落をかけまわる暮らしをしています。

里山の可能性を感じた往復生活

プライベートでは、中1と小2の女の子のお母さんです。次女が3歳くらいの頃に、自然の中で休日過ごしたいなというただの興味から、偶然丹波篠山市を訪れることになりました。景色はもちろんですが、子どもたちが目を輝かせて遊びだす姿、自分自身が土と触れ合うことでリセットされる感覚に魅了され、車で片道1時間半の距離を月に何度も往復する生活となりました。
通う中で、里山の高齢化や農業の衰退の現実を知ることとなり、里山にあるおいしい農作物や子どもたちが目を輝かせる遊び場となる自然を都会の人が知ることができたら、子育てのさまざまな問題が解決していくのではないか?と思うようになりました。

移住のきっかけへ

「この景色やおいしい農作物を子どもたちの未来にも残したい!」そう感じた私は、まずは今の自分の立場でできることからやってみたいと思い、お野菜直送便+現地での体験イベントを親子向けに募集することをはじめました。
最初はお試しだったのが需要が少しずつ広がっていきました。「もっと協力していただける農家さんを増やしたい」「活動しやすい場所を持ちたい」「おいしい農作物の維持のためにもっと自分が役に立てることを増やしたい!」そのような思いから、長女が中学生になるタイミングで家族そろって移住を決断しました。家族みんな丹波篠山が大好きで、全員一致の意見でした。

これから叶えたい夢・やりたいこと

日々自然と向き合う農家さんの姿は、子育てと同じでマニュアルがありませんし、答えはひとつではありません。生きる力を養ってくれる農作物、それをつくる人々の暮らしは、生きる力の高め方を教えてくれます。高齢化により農家が減少、担い手も不足しているという現実ですが、その農業を子どもたちの未来にも残したい!と今は強く思っています。今すぐ移住は難しくても、里山の暮らしを遠くから知れる・感じられる・応援したいと思えるような架け橋になりたい。さらにこの地域を盛り上げ、皆さんにおいしい農作物をお届けし続けたいです。そして、仲間をどんどん増やしたいと思っています。

わたしにとっての「ウェルビーイング」とは

「人はひとりじゃ生きていけない。社会は循環し、助け合っている」という思いから、社名はmeguruにしました。農作物をつくるのは、高齢化や担い手不足により大変で、里山は人を求めています。その反面、都会は人が溢れていて、大人も子どもも自然やおいしさを求めています。その価値の交換が当たり前に循環する、これを実現していくことが、身体的にも精神的にも、社会的にも良好な私にとっての理想的なウェルビーイングです。 暑い季節の農作業では、体がしんどいこともありますが、「助かったわ、ありがとう」「これよかったら食べていき」といった里山での当たり前のやりとりこそが、とても心地よいウェルビーイングになっています。

木下麗子さんの関連リンクはこちら
会社HP:https://kitchenchura.com/
Instagram:https://www.instagram.com/kitchen.chura/




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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
      3日前

      管理栄養士をウェルビーイングという新たな切り口で紹介する本連載。今回は、子どもの食育をメインに活動する管理栄養士と、新米菜園家という二つの顔を持つ木下麗子さんです!

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