COLUMN

スポーツの競技別の栄養・食事に関するシリーズです。
ほかの種目もチェック

短距離や跳躍選手、野球選手(投手以外)向けの食事

「①スポーツ選手の食事の基本」でも紹介しましたが、今回は短距離や跳躍選手、野球選手(投手以外)向けの食事についてです。まずは基本の食事を再確認、ご飯とおかずで6対4でしたね。これをベースにしておかずを組み立てていきましょう。体重70kgの選手なら1日当たり3,000~3,500kcalのエネルギーが必要です。これらの種目は、筋肉が大きいだけでなくスピードも重要なので、体脂肪は絞りたいところです。食品の選び方や調理方法に工夫を入れましょう。
食品では動物性食品の摂り方に注意します。ウインナーやベーコンなどの加工食品や、ひき肉、ばら肉、ロース肉は脂が多くなりやすいです。もも肉やヒレ、鶏の胸肉やささみは脂が少なくお勧めです。魚介類は中性脂肪として身体に付きにくい脂肪のため、あまり気にしなくても良いでしょう。調味料ではマヨネーズやドレッシング、バターなどを使いすぎないように注意が必要です。調理法に関しては、揚げるのは脂質過多になりやすいです。天ぷらやフライは吸油率(※注)が高めで、衣が少なくなるほど低くなります。唐揚げや素揚げは食材の重量に対して5%前後の吸油率なので、揚げ物の中では油は少なめです。また、食材の切り口が多くなると(断面が多いと)吸油率は上がります。つまり、かき揚げや細いフライドポテトなどは「油の塊」というわけです。

特に重視したい栄養素

特に重視する栄養素は以下の3つです。
①たんぱく質
筋肉を作るのはたんぱく質、動物性と植物性を1対1で摂るようにします。動物性たんぱく質を多く含むのは肉、魚、卵、牛乳・乳製品ですね。牛乳や乳製品は補食で上手に取り入れると良いでしょう。植物性たんぱく質が多い大豆、大豆製品が不足しやすいので、意識的に取り入れてください。
②ビタミンB6
たんぱく質の代謝を促進するのがビタミンB6です。これがないと、せっかく取り入れたたんぱく質も身体で利用できません。レバーやカツオ、マグロ、鮭などの魚類、バナナに多く含まれています。アスリートはこまめに摂る必要がありますね。
③カリウム・マグネシウム
カリウムとマグネシウムは、筋肉の収縮に関わる栄養素です。瞬発力は、神経の伝達物質がしっかり分泌され、筋肉がスムーズに動くことが必要です。カリウムは生野菜や生の果物に豊富です。マグネシウムは、ナッツ類や海藻、蕎麦、ゴマなどに多く含まれます。

※注 吸油率…食材の重量に対して油を吸う比率

スポーツ栄養の関連コラム
①スポーツ選手の食事の基本
②瞬発力&大きい筋肉を作る食事…投てき種目、ウエイトリフティングなど
③瞬発力&大きい筋肉を作る食事…スピードスケート(500m、1000m)、陸上短距離・跳躍、野球など
④パワー、スピード&持久力を作る食事…ボクシング、レスリング、柔道など
⑤瞬発力、持久力&パワーを作る食事…バレーボール、テニスなど
⑥瞬発力、持久力&パワーを作る食事…サッカー、ラグビー(バックスBK)、バスケットボールなど

みんなのコメント( 2

    • 岡田 あき子
      2270日前

      野球選手は、ポジションによって異なります。
      ピッチャー、キャッチャーは集中力や持久力
      他のポジションは体格や特性にも寄ると思いますが
      瞬発力が重要ですね。

    • ID: 337
      2312日前

      野球の投手についてはほかのどの競技に近いのでしょうか?

WRITER

岡田 あき子

フリーランスのスポーツ管理栄養士です。 アスリートのサポート、スポーツ栄養の料理教室、 実業団チームの合宿帯同、記事執筆、セミナー開催などやっています。 管理栄養士 体育科学修士 食アスリート協会認定 シニアインストラクター 日本健康食育協会 シニアマスター

岡田 あき子さんのコラム一覧

関連タグ

関連コラム

"スポーツ栄養"に関するコラム

もっと見る