COLUMN

第7回日本在宅栄養管理学会学術集会が、2019年7月13~14日の二日間に渡って行われました。そのレポートをお届けします。

日本在宅栄養管理学会とは?

日本在宅栄養管理学会は、在宅栄養管理の実践と学術研究を推進し、その発展と普及を図り、栄養管理によって在宅療養者のQOL(Qulity of life)向上に貢献することを目的とされており、日本在宅栄養管理学会(Japan Home Nutrition Management Society)は、平成8年に発足された全国在宅訪問栄養食事指導研究会(通称:訪栄研)から発展し、現在は1,600名を超える学会へと成長しています。

テーマは在宅におけるシームレスな関係づくり

今回のメインテーマは「歩み寄り~在宅におけるシームレスな関係づくり~」で、大会長は駒沢女子大学教授の西村一弘先生、実行委員長は中村育子先生でした。現在、日本は地域包括ケアシステムの推進により、療養環境は病院、施設から在宅へと移行しています。療養者が自立した生活を維持していくためには、安定した「医・食・住」の確保と多職種連携でのサポート体制が重要となっています。

在宅での生活の継続は「食」にあり

そして、その中でも特に「食」が維持できなければ、在宅での生活の継続は困難と考えらえます。その状況を踏まえ、今回の学術集会の特別講演では、こだま在宅内科緩和ケアクリニック院長の児玉佳之先生から「在宅緩和ケアにおける栄養管理」について、また、厚生労働省健康局栄養指導室の担当官には「地域共生社会の中で管理栄養士に求められるもの」、中村丁次先生には「日本人の栄養問題!肥満と痩せの二重負荷~在宅高齢者はどちらも抱えている~」というテーマで、それぞれご講演をいただきました。

充実した学会内容

シンポジウムは、「地域における栄養士同士の歩み寄り~同職種連携の重要性~」と「地域を支える栄養ケア・ステーションの実際」という2つのテーマで開催されました。さらに、パネルディスカッションでは「多職種が求める栄養士」、「栄養ケア・センターと認定栄養ケア・ステーションの役割」、「在宅栄養専門管理栄養士の活動」の3テーマ、ワークショップでは「多職種による歩み寄り」について、活発に意見が交わされました。

また、昨年、大好評だった調理セミナーも定員を増やして開催され、今回の学会では追加で大学施設を活用したフィジカルアセスメントセミナーの企画もありました。教育講演、ランチョンセミナー、一般演題発表、企業展示なども充実しており、非常に楽しめる内容でした。私自身は、運営委員で受付とクローク係を担当していたため、聴講はなかなか叶いませんでしたが、大ホールの音声は受付でも聞くことができ、会全体が盛り上がっているのを肌でしっかりと感じることができました。

前田理事長による熱い心に響く講演に、参加者の皆さんもやる気が出たのではないかと思います。また、ご登壇いただいた先生方は、第一線でご活躍されている、その道のプロフェッショナルな先生方ばかりだったので、今後の仕事にいかせる情報を得ることができたのではないかと思います。

同職種連携の重要性のシンポジウムについて

私は他にも、シンポジウム「地域における栄養士同士の歩み寄り~同職種連携の重要性~」の座長を医療法人アスムス理事長の太田秀樹先生と務めさせていただきました。 打合せの時点から、一人一人の先生方の日々の活動の素晴らしさや専門ごとのフィールドの違い、連携することの大切さをひしひしと感じましたし、それぞれの先生のご講演及びディスカッションも素晴らしかったです。太田先生の“トリッキー”な振りに、私自身、手に汗握る座長となりましたが、なんとか無事にシンポジウムを終えることができ、一安心しました。

在宅栄養専門管理栄養士の活動で自身の活動を発表

また、パネルディスカッション「在宅栄養専門管理栄養士の活動」では、訪問管理栄養士の育成について、お話させていただきました。参加されたいた先生方の日々の活動のご発表から得るものが本当に多かったと感じています。

1日目の最後には懇親会が行われ、お料理は毎日採れたての新鮮な野菜を使用した美味しいお料理のCafeTAMAEさんのご協力を得て、野菜たっぷりの本当に感動的なお料理をいただきました。皆で料理に舌鼓を打ちながら、全国から集まった訪問栄養食事指導の実践者同士が、大盛り上がりしながら歓談しているのが、とても印象的でした。もちろん、私も全国から集まった先生方にたくさんの情報をいただき、大満足でした。来年は大阪で開催予定です。次回の学術集会も今から大変楽しみです!

感想

本学会には毎年参加していますが、毎年取り上げられている話題が異なり興味深いです。また、学会に参加されている知り合いの諸先生方にお会いして刺激を沢山いただくこともできます。皆様も機会があれば、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

みんなのコメント( 3

    • Eatreat 編集部
      1944日前

      Eatreat編集部です。
      今回はEatreatアカデミーでも大活躍中の米山久美子さんによる「第7回日本在宅栄養管理学会学術集会」のレポートです。

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