COLUMN

2026年2月13日、14日、パシフィコ横浜にて第41回日本栄養治療学会学術集会が盛大に開催されました。今回は、国際医療福祉大学病院病院長、国際医療福祉大学医学部医学科消化器外科学教授である鈴木裕先生が大会長を務められました。

ガットフレイルとは

皆さんは、「ガットフレイル」という言葉を聞いたことはありますか?なかなか聞きなれない言葉かもしれませんが、この言葉は京都府立医科大学大学院医学研究科生体免疫栄養学講座教授の内藤裕二先生が生み出した比較的新しい概念です。
「ガットフレイル」とは、胃腸の働きの虚弱化を表す言葉です。さまざまな病気の発症や、生活習慣病の悪化、機能性ディスペプシア、メンタルヘルス、アルツハイマーなどの脳疾患、さらには老化の進行にも関連していると言われています。

また、「脳腸相関」という言葉は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。近年の研究では、腸が脳のはたらきにさまざまな影響を与えているということわかってきています。具体的には、代謝や免疫、内分泌、神経伝達物質の産生や自律神経などへの影響です。これらは腸内フローラの影響が大きいことから、食物繊維やさまざまな食物の摂取頻度などが関係しているとのことでした。
今回のお話の中でも、食事パターンの違いによる睡眠障害の有無の違いや感染率などの違い、抗老化作用などに関する研究結果が示されていました。

今後、腸の健康を守るための関連商品やデバイスなどが続々と登場する見込みのようです。管理栄養士・栄養士として、新しい情報をチェックしつつ、食事のアドバイスに活かしていきたいですね。

経腸栄養管理に関わる医療機器

続いて、今後の経腸栄養管理が大きく変化するかもしれない!と感じた医療機器についてご紹介します。

それが、カーディナルヘルス株式会社の「Kangaroo™︎カンガルーOMNIポンプ」です。この機器を使用することで高粘度の栄養剤をポンプを使用して投与が可能になります。

現在、経腸栄養剤の形態は液体か半固形が主流となっています。
投与経路で考えた場合、液体の栄養剤はどのルートからでも投与可能ですが、高粘度の半固形栄養剤は基本的に胃ろう投与のみです。半固形栄養剤は、胃食道逆流防止、下痢の軽減、血糖値の急上昇抑制などメリットが多いですが、胃ろうからしか投与できない点が大きな障壁となっていました。

経鼻で投与する場合には、胃内で半固形にするタイプを選択することもできますが、制酸剤を服用している場合には投与が難しくなるケースもありました。しかし、この新しいポンプを使えば、半固形タイプの栄養剤を直接経鼻からも投与可能になるのです。

ただ、まだ新しい製品のため、半固形栄養剤を直接つなげるアダプターがなく、一度専用のバッグに移す必要があり手間がかかるという実用面での課題は残されています。しかし、近いうちに直接つなげてポンプを利用して栄養剤を投与できるようになるでしょう。現在半固形栄養剤の取り扱いが難しかった施設でも使えるようになる可能性がありますので、検討されてもいいかもしれません。

まとめ

次回の第42回学術集会2027年2月12日、13日、パシフィコ横浜で開催されます。ご都合が合えばぜひ参加してみてください。



参考文献
・一般社団法人日本ガットフレイル会議:https://jgfc.jp/、(閲覧日:2026日3月26日)
・吉田貞夫:患者に話したくなる「食物繊維・腸内環境」のすべて、MCメディカ出版、(2025)
・カーディナルヘルス株式会社:「Kangaroo™︎カンガルーOMNIポンプ(経腸栄養ポンプ)」、https://cardinalhealth-info.jp/products/kangaroo-kangaroo-omni-pump/、(閲覧日:2026日3月26日)



関連コラム
【学会レポート】第29回日本病態栄養学会年次学術集会に参加しました
【学会レポート】第40回日本臨床栄養代謝学会学術集会(JSPEN2025)



WRITER

イートリスタ

横原 夢見

病院勤務を経て、現在はフリーランスとして専門学校の非常勤講師、コラム執筆、地域活動などを行っています。

横原 夢見さんのコラム一覧

みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
      2時間前

      管理栄養士の横原夢見さんにご紹介いただく、第41回日本栄養治療学会学術集会の参加レポートです。

関連タグ

関連コラム

"イベント報告"に関するコラム

もっと見る