COLUMN

その土地ならではの食材を紹介する「日本各地の食材紹介シリーズ」では、各地のおいしい食材情報だけでなく、旬や栄養、美味しい食べ方などをお伝えしていきます。
八丈島編の第2回目でご紹介する食材は、海風を浴びて育つ「うみかぜ椎茸」です!

うみかぜ椎茸とは

うみかぜ椎茸は、クワガタの飼育途中で考案されました。クワガタの幼虫を飼育するには、ヒラタケの菌を植え込んだ菌床ブロックを使用します。その育成過程において、八丈島の気温・湿度の中でヒラタケがよく育つのを見て、キノコの生産に適している可能性があると考えられました。しいたけの生育に合った、高温多湿の環境で作られるため、肉厚で大ぶりなことが特徴です。また、しいたけが苦手な方でも食べやすい風味であるといわれています。

栽培方法

しいたけは栽培方法によって「原木しいたけ」と「菌床しいたけ」の2種類に分けることができます。

原木しいたけ:自然の森の中で、しいたけ菌を打ち込んだ原木で栽培します。
        自然の気象条件を利用して栽培される原木しいたけは、春と秋のみ収穫することができます。
菌床しいたけ:おがくずとしいたけ菌を混ぜて作られる菌床ブロックを使って栽培します。
        3~6カ月ほどのサイクルで次々に収穫できるため、一年中「生しいたけ」の状態で流通することが可能です。

うみかぜ椎茸は、後者の菌床栽培によって栽培されています。一般的なしいたけは、1週間から10日ほどで収穫可能な大きさに成長しますが、うみかぜ椎茸は最短4日ほどで収穫できるほどの大きさに成長します。成長が早いため、本来は硬くて捨ててしまう軸も太くて柔らかいのが特徴です。普段は16℃前後に管理されたハウスで栽培されており、1日に2回ハウスの扉を開放して、潮風に当てています。

しいたけの栄養

旨味成分のグアニル酸が豊富であることに加え、食物繊維も豊富に含まれています。
また、ビタミンDの前段階のエルゴステロールという成分が含まれています。エルゴステロールは、紫外線に当たるとビタミンDに変化するため、乾燥しいたけにすることでビタミンDの含有量は増加します。

おすすめの食べ方

■網焼き
 最も手軽においしく食べることができます。
【作り方】
①しいたけの石突をとる
②かさを上にして、網の上で焼く
③水分が出てきたらしょうゆを少量かけて完成

■うみかぜ椎茸の肉詰めフライ
【材料】
・しいたけ      ・片栗粉      ・揚げ油
・豚ひき肉      ・大葉
・玉ねぎ       ・小麦粉
・塩         ・卵
・こしょう      ・パン粉

【作り方】
①しいたけの軸を切ってみじん切りにする
②①と豚ひき肉、みじん切りの玉ねぎ、塩こしょうを加えて混ぜる
③しいたけに片栗粉をまぶし、②を詰めて大葉をのせる
④小麦粉、卵、パン粉をまぶす
⑤170℃の揚げ油で10分揚げたら完成

肉厚でジューシーなうみかぜ椎茸をぜひお試しください。



参考文献
・大竜ファームホームページ 「うみかぜ椎茸とは」https://www.dairyu-farm.com/page/1(閲覧日:2023.8.7)
・香川明夫:「八訂 食品成分表2023」女子栄養大学出版部(2023年)

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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
      405日前

      管理栄養士 千葉七海さんにご紹介いただく八丈島の食材シリーズ、今回は海風を浴びて育つ「うみかぜ椎茸」です!

WRITER

千葉 七海

幼少期から食べることが大好きで「食に関わる仕事がしたい」とぼんやり考えていました。将来的に地元の八丈島で働きたいという思いが強く、「栄養士ならば病院や福祉施設、学校でも働けるのでは?」と考えたことがきっかけで栄養士となり、実務経験と国家試験をへて管理栄養士となりました。 これまで、たくさんの出会いが私を成長させてくれました。管理栄養士としてフリーランスの今、本当にたくさんのお仕事に関わるチャンスが増えたと実感しています。良い意味で型にはまらず、どんなことにも挑戦していきたいと思います!

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