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- 給食・大量調理
- 2024.09.10
給食における価格高騰の現状とコストを抑える工夫
給食現場においても物価高騰の影響は深刻で、日々のコスト管理に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。実際の給食現場で働くエンドーサーの皆さんに、価格高騰の現状とコストを抑えるための工夫について伺いました。
お話を伺った管理栄養士さんについて
今回、お話を伺ったのは、Eatreatのエンドーサーとして給食現場でご活躍いただいている病院、学校、保育園、事業所で働く管理栄養士の皆様です。
Eatreatにおけるエンドーサーとは、学校や保育園、病院、高齢者施設、事業所の5業態で働いている管理栄養士の方々のことで、Eatreatから定期的にお困りごとなどのヒアリングや情報収集や販売促進の協力依頼を行っています。
また、その情報をもとにEatreatからの情報発信に活用させていただいております。
現場での価格高騰の現状
エンドーサーの皆さんに最近の価格高騰の現状について伺ったところ、全業態で肉や魚、油など多くの原材料の値上がりを感じていらっしゃいました。納入業者からのお知らせは、ほとんどが価格改定(値上げ)に関するもので、基本的には価格改定を承認せざるを得ない状況です。
価格高騰に対する現場での工夫
価格高騰に対して、材料やメニュー、作業工程や運用面での工夫をエンドーサーの皆さんに伺いました。
▶材料やメニューでの工夫
◎学校
・業者ごとの価格比較表を作成し、安い業者に発注
・米は最安値のものを使用し、白米提供時のみブランド米を使用
・小松菜を江戸菜に変更するなど、安価な食材を使用
◎保育園
・メロンやパイナップルなど高価な果物は提供回数を減らし、月1回のイベント食で提供
・おやつの仕入れは問屋を通さず直接購入し、価格を抑える
・残食が多いメニューは献立から外す。ただし、これによりシンプルな献立になってきてしまっているのが悩み
◎病院
・付け合わせなどの野菜や味噌汁の具などの種類を減らし、安価な野菜で対応
・魚は白身魚を中心に使用し、サメやナマズなど新しい食材の使用も検討
・油の高騰により、揚げ物の回数を減らす
◎高齢者施設
・生鮮食材を冷凍に切り替え
・食材(おやつ、菓子パンなど)の種類を減らす
・鶏肉はカット済みではなく、ブロックで購入し現場でカット。ただし、衛生管理や骨の混入が懸念点として挙げられ、実際に骨が混入したケースがある
◎事業所
・月1回業者の見直しをおこない、最安値の業者から仕入れる
・激安商品を常にチェックし献立に取り入れる
・肉の部位を安いものに変更
・野菜類は残食が多いものを避け、喫食率が高い食材をメインに使用
・単価が高いイベント食の原価率を下げる工夫に取り組む
▶作業工程や運用面での工夫
◎学校
・長期休み中は生徒の食事を作らないなど、以前よりも食数管理を徹底
◎保育園
・発注時に余分な量を発注しないようにする
◎病院
・食事に不満がある場合は個人の持ち込みで対応してもらう
・委託側が負担していた食材費の一部を施設負担に変更(例:ふりかけは施設で用意など)
◎高齢者施設
・肉の代わりに大豆ミートを委託側に提案
・誕生日ケーキやとろみ剤の費用を施設負担に変更
・経営側に食材費予算の変更を打診し、了承を得る
現状の悩みや不足していると思うこと
食材費を抑えるために使用する食材を絞ることで、メニューのマンネリ化や見た目の単調さ、食事の質の低下が懸念されています。特に、委託業者が給食運営に関与している場合、直営側の栄養士として献立に対する要望があっても、価格高騰を考慮すると要望が伝えにくかったり、献立に関する要望が委託費の値上げにつながってしまうといった意見が出ました。こうした状況が、委託会社とのコミュニケーションを難しくしているいうこともわかりました。
まとめ
価格高騰する中で日々の献立作成に悩む栄養士にとって、肉や魚などと栄養価が大きく変わらない低価格の食材や、コストを抑えて簡単に調理できるメニューのレシピは嬉しい情報です。エンドーサーの皆さんのお話から、使用する食材や仕入れ業者の見直しだけでは限界があり、経営側を巻き込んでお客様からいただく食費や食材費予算の見直しを行うなど、根本的な対応が必要だと感じました。
関連コラム
・給食委託会社からみた給食現場
・大量調理に向くメニュー・失敗談・便利な調理器具の使い方
みんなのコメント( 1 )
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- Eatreat 編集部
- 106日前
給食現場でよくあるお困りごとをエンドーサーの皆さんにお話を聞いてみたコラムの連載がスタート!記念すべき第1回はニュースでもよく取り上げられている価格高騰について、イートリスタの高安さんにお話いただいた内容をまとめていただきました。
"給食現場の困りごとを聞いてみた"のバックナンバー
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WRITER
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高安 ちえ
東京都内で飲食店を併設した認定栄養ケアステーションを運営しています。食や栄養に携わる栄養士自身が料理をし、提供するということが大切だと思い飲食店の経営を始めました。地域の方々が気軽に集まることができる場所づくりを目指しています。
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