給食現場の仕事は大変?
一般的に給食委託会社の仕事は大変という印象が強いのではないでしょうか? 慢性的な人手不足のため、1人の栄養士で2人以上の仕事をこなさなくてはならない現場も少なくありません。また、勤続年数が長い厨房の調理師やパートの方の力が強く、人間関係が大変なところもあります。
私が経験した給食委託会社の現場では、管理栄養士2名、パート12名で365日の食事を提供していました。栄養士が1人しか勤務していない日は、早番から遅番の最後まで通しでの勤務が当たり前でした。私がその現場をがんばれたのは、ベテランのパートの方々が若い栄養士を温かくサポートしてくれたからです。おかげで、献立作成、調理、帳票類作成、発注、在庫管理、衛生管理、人材管理、食材費管理などひと通りの仕事を経験することができました。
給食現場が抱える課題
私が勤務した会社の委託元に栄養士がいなかったため、年に数回の栄養指導に携わることもできました。ただ、経験の少ない栄養士2人で回していた現場でしたので、献立を一から立てるということはなく、すでにあるサイクルメニューの食材を季節ごとに入れ替えたり、食材のかぶりを調整したりしながら、献立を立てていました。治療食についても既存の献立を参考にして、食事提供をしていました。ただ、時間までに食事を提供することや売り上げを出すことが優先されるため、食材の質を保ちつつコストのバランスを考えなければならないという点は非常に難しく、給食現場の課題だと考えています。
会社によっては、勉強会や研修制度などが充実し、栄養士のスキルの底上げをしていたり、現場に調理師を配属し、栄養士が事務仕事に専念できるようなところもあるようです。クライアントや委託元の管理栄養士からの要望に応えながら、日々食事を提供していくのは大変ですが、給食という一番重要な仕事を請け負っていますので、苦労が多い分、勉強になることが多い場所だと思います。
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