社員食堂での管理栄養士のおもな仕事内容
一般的な社員食堂での管理栄養士の仕事は、献立作成や調理、衛生管理、発注、在庫管理などがおもな仕事になります。企業によっては、社員の健康相談を行っているところもあります。最近では、健康志向が高まり、カロリーを抑えたり、雑穀ごはんを提供したりしているところもあるようです。
提供方法は、定食スタイル、カフェスタイル、ビュッフェスタイルなど、さまざまなので、どんなスタイルでも栄養バランスが取れるような献立作成が必要になります。私が勤めていた社員食堂では、パソコンがなかったため、献立作成や栄養価計算はすべて手書き、レジ打ちや月に一度のデザートバイキングの調理は栄養士がやり、深夜食の提供も時々行ったりしていました。
病院や介護施設の管理栄養士との仕事の違い
病院や施設での仕事との大きな違いは、病態や口腔状態を考えて個人対応した食事を3食提供するのではなく、見栄えやおいしさを重視した昼食の1食を提供するところと365日食事提供しないことです。
病院は普段の食事のような常食や軟食、流動食のほかに、医者の指示のもと病態に合わせて栄養面を考えた治療食を365日提供します。調理法や食材がかぶらないように3食の献立を考え、食材と薬の関係やアレルギーなども細かく対応します。患者さんの命に食事が直結しているため、より専門的な知識が必要です。
施設も病院と同じように365日3食の提供になりますが、病態というよりも体調や食べやすさ、飲み込みやすさを考え、刻み食、ソフト食、ミキサー食など細かい食形態の対応が求められます。長期で利用される方が多いので、行事食やイベントに力を入れて、バラエティに富んだ食事提供を行っています。食事を楽しんでもらい、低栄養状態にならないように工夫することも大切です。
それぞれの職場の仕事の魅力とは
社員食堂は土日休みのところが多いため、栄養士業界の中では働きやすい環境であることは魅力の一つですが、病院、施設の仕事にも、それぞれ仕事の魅力があります。
料理が好きで、病気などの制限がない料理を作りたい、病気になる前の健康をサポートしたい方は社員食堂、自分の作った献立や栄養指導などで病気の改善をサポートしたい方は病院、栄養面のサポートをしながら高齢者の方と接したり、イベントを考えたりするのが好きな方は施設というふうに方向性を考えてみるといいのではないでしょうか。
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