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歯科医療での管理栄養士の活躍の場

「優歯科クリニック」では予防と健康維持の観点から、管理栄養士の力が必要になるのではないか?という考えのもと、歯科医療の業界ではめずらしくヘルスケアの担い手として多数の管理栄養士を雇用しています。今回は歯科という新領域で活躍する管理栄養士を紹介するため、優歯科クリニック上石神井で働く管理栄養士の柴原さん、道盛さん、弦間さんの3名に、管理栄養士としてどのようなお仕事をしているのかおうかがいしました。

管理栄養士を目指したきっかけは?

道盛さん:
管理栄養士になろうと決めたのは高校生の時でした。中学生のころから栄養の分野に興味があり、何と一緒に食べたら吸収がよくなるかなどといった栄養学の奥深さを感じ、管理栄養士の仕事に関心を持ったのがきっかけでした。

弦間さん:
もともと小学生くらいのころから食に関わる仕事につきたくて、最初はパティシエになりたかったです。母親に「手に職をつけなさい。」と言われたことで、栄養士になりたいと思うようになりました。高校の進路相談で担任の先生から管理栄養士という資格があることを教えてもらいました。ただ、最初のイメージは給食のおばちゃんのイメージくらいで、具体的な仕事についてはわかっていなかったですね。

大学卒業後の最初の就職先はどこだったのでしょうか?

弦間さん:
私はドラッグストアに勤めていました。選択肢としては、他にも病院や学校給食、給食委託会社などもありましたが、どちらかといえば一次予防に関する仕事をしたかったんです。ドラッグストアであれば、薬の他にも健康食品の取扱いもあり、管理栄養士として一次予防の仕事に関わる領域があると思っていました。

道盛さん:
私も同じように予防に興味がありました。大学卒業後はいったん大学院に進み、他の人とは異色ですが、出版社に就職しました。

柴原さん:
私は新卒でこのクリニックに就職しました。健常者向けの生活習慣の改善や健康増進を行なう一次予防について調べていて、このクリニックの求人を見つけて就職しました。

歯科クリニックで働く管理栄養士についてはいつごろ知りましたか?

道盛さん:
はじめて知ったのは「優歯科クリニック」の求人でした。以前、医療関係のシンポジウムを聞きに行った際に、歯科医療の分野でも管理栄養士の活躍の場はあるのではないかとは感じていました。ただ、大学で歯科医療の分野について教えてもらうことはなかったので、求人を見つけることがなければ、知る機会はなかったと思います。

弦間さん
歯科クリニックで働く管理栄養士のイメージはまったくなかったです。最初はカウンセリング業務に興味があって、求人を探していたところ、見つけたのが特定保健指導と歯科クリニックで、その時にはじめて知りました。

歯科クリニックでの業務内容を教えてください

道盛さん:
現在は栄養面でのカウンセリングとともに歯の治療計画の説明も管理栄養士のメンバーが担当しています。その他、歯科医師のアシスタント、受付業務なども行なっています。

患者さんに食事指導が必要かどうかをどのように判断しているのでしょうか?

弦間さん:
基本的には初診で虫歯と歯周病のチェックと同時に、OHA(オーラル・ヘルス・アドバイス)と呼んでいる食事指導が必要かどうかのチェックを行います。その後、歯科医師と歯科衛生士、管理栄養士でカンファレンスを行い、最終的に食事指導を行なうかどうかを判断します。初回は検査を中心に行い、2回目に検査結果を元に口腔内の説明をカウンセラーが担当します。その際、問診票には患者さん自身が食事指導に興味があるかどうかのチェック項目があるので、興味がある場合にはカウンセラーが食事指導に誘導するケースもあります。

歯科医療での管理栄養士の活躍の場

患者さんの関心としては、だいたい5〜6割の方が興味があると回答しています。患者さんの気持ちとしては、管理栄養士がいるのであれば、ついでに聞いてみようくらいの軽い気持ちだと思います。食事指導が歯の治療に影響があるとまでは認識されていないですね。

食事指導はどのくらいのペースでありますか?

柴原さん:
ここ半年くらいは月に8件くらいです。基本的には1回のカウンセリングが30分、全部で4回で終了です。患者さんの希望に応じて、継続してカウンセリングを行います。

弦間さん:
妊婦さんを対象にしたマタニティコースの場合には、出産後も継続したいというご要望があります。その場合は患者さんのご要望に合わせて継続してカウンセリングを行います。

カウンセリングではどういったことを指導するのでしょうか?

道盛さん:
食事指導はPコース、食育コース、マタニティコース、栄養相談コースの4つに分かれていて、患者さんの状態にあわせて、どのコースを選択するかは判断しています。

Pコース:歯周病(ペリオ)の治療を目的としたコース
食育コース:子ども向けのあごの発育を目的としたコース
マタニティコース:妊婦を対象としたコース
栄養相談コース:食事の内容について全般的に扱うコース

歯科医療での管理栄養士の活躍の場

コースによって得意、不得意はあるのでしょうか?

柴原さん:
基本的には誰がカウンセリングしても大丈夫なように資料や指導内容の標準化を行なっています。ただし、マタニティコースの場合には、男性だと難しいケースがありますので、女性の方が適していると思います。

具体的にはどういった指導が多いのでしょうか。

柴原さん:
やはり虫歯に関する指導が多いですね。次に割合が多いのが歯周病で、栄養指導や食生活、生活習慣についてアドバイスを行います。子どもが対象の場合には、あごの発育のために、おやつの食べ方であったり、食事の与え方であったり、調理の切り方の工夫をアドバイスします。

おやつは虫歯になるリスクを高めますが、一度にたくさんの量を食べることができない小さな子供にとって、間食としておやつを食べることは栄養を摂取するために必要です。しかし、テレビなどを見ながら食べる、ながら食いはだめです。決まった時間で決まった量を食べるように指導しています。お子さんに直接指導をする場合には、表彰状をあげるなど、楽しく指導することを心がけています。

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弦間さん:
小学生くらいのお子さんであれば、親御さんと一緒に聞いてもらうこともありますが、乳幼児の場合には、親御さんがメインとなりますので、親御さんにいかに理解してもらうかが重要です。具体的なものや条件を提示すると、関心を持ってお話を聞いていただけます。

柴原さん:
毎月テーマを決めて、患者さん向けのニュースペーパーを配布しています。糖類は虫歯の原因になりますが、果糖を含む果物は虫歯になりにくい食べ物です。果物には食物繊維がありますので、食べかすが残りにくく、虫歯にはなりにくいのです。このように食べ物には虫歯になりやすいものと、なりにくいものがあることを紹介したりしています。

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新しい知識や情報の収集はどのようにしていますか?

道盛さん:
歯科治療の分野については、治療のアシスタントをしながら、現場で学ぶことが多いですね。歯科医療と栄養の連携については、まだ体系化されていないので、外部の勉強会やセミナーなどにはできるだけ参加するようにしています。

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クリニックと地域の連携は行なっていますか?

柴原さん:
クリニックとして在宅介護を受けている方のお宅を訪問する準備をすすめていて、近々スタートする予定です。管理栄養士として、在宅訪問することで地域との連携をすすめています。

これから管理栄養士として働く人たちにメッセージがあれば、お願いします。

柴原さん:
新卒で歯科クリニックに入って4年目になりますが、これまでの経験や身につけたことをまとめると、歯科医療の分野で管理栄養士は必ず必要ということがいえるかなと思います。これから歯科医療の分野で働こうと思う管理栄養士にとっては、まだまだ環境が整っていない部分が多くあり、苦労する点も多いと思います。ただ、それを苦と思うのではなく、これから自分たちで仕組みを作り上げることができるという点をやりがいがあると感じられるかどうかが大事だと思います。

道盛さん:
他の業界も含めて、管理栄養士として働きたいという気持ちが強いあまり、専門外の仕事や雑務に抵抗を感じることもあるんじゃないかと思います。新しいことをはじめようとすると、栄養とは関係のない仕事をやらなければならない時もあります。自分はこんなことをしたくて管理栄養士になったんじゃないと思うこともあるかもしれませんが、そういった気持ちを取り払って、広い視野で活動することが重要ではないでしょうか。

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みんなのコメント( 4

    • 前野 由美子
    • 前野 由美子
      522日前

      大倉様、私も歯医者に行くたび、歯磨きが上手ですね!と言われる割に、ちょこちょこ虫歯ができてしまい、どうすればいいの!と思っていたところです。
      唾液の質…考えたことありませんでした。
      食べ物も関係するのかもしれませんよね、勉強したいと思います。

      拍手 2

    • 杉本 恵子
    • 杉本 恵子
      552日前

      歯医者さんにも管理栄養士さんがいるのを初めて知りました。

      拍手 2

    • 大西 史
    • 大西 史
      707日前

      何事も新しい分野を切り拓くのは大変だと思います。ぜひ、頑張っていただきたいと思います。

      拍手 5

    • 大倉 あやこ
    • 大倉 あやこ
      710日前

      歯科と栄養は本当に大切だと思います。
      私自も食事をきちんとしたところ、唾液の質が変わり、虫歯体質がすっかり無くなり、虫歯ができなくなった上に体力がついた経験があります。
      中医学の考えでは、それぞれの歯はそれぞれの臓腑と繋がっています。(いつかコラムで書かせていただければと思います)
      食事・会話の道具としてではなく、歯周病と糖尿病の関係、妊婦の虫歯、噛み合わせなども含め、歯を一つの臓器として、このように歯科分野に管理栄養士が居るのが当たり前のシステムが一般化することを願っています。

      拍手 7

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