デイサービスの栄養改善
私は月に2回ですが、デイサービスの高齢者施設に訪問し、低栄養状態の方の栄養改善の仕事をしています。デイサービスの高齢者は介護予防教室に通う方と比べると明らかに生活機能能力が低く、同じくらいの年齢なのになぜ、こんなに差があるのかとも考えさせられます。
食生活の改善の難しさ
こちらの提案を受け入れてくれないケースは仕事の悩みの一つです。最低限一つでも改善できることがないか、対象者に合わせて考えますが、なかなか難しいというのが現状です。
あるパーキンソン病の利用者の方の事例ですが、低栄養状態で体力低下がみられましたが、長年の食生活を改善することが難しく、先日亡くなられました。無理のない範囲での提案をし続けたのですが、世話をしている奥様も同じように高齢のため、受け入れてもらうことがなかなかできませんでした。
高齢者の長年の食生活の改善には、本人の意思が伴わないと難しく、介入困難なケースは多いのです。低栄養状態にならないようにするためにも早期の予防が大切だと思います。
予防医学の段階で改善されるのが何より重要だと思われますが、現在の65歳以上の方の中には65歳以前に生活習慣病に対する減量等の指導を受けた方も多く、低栄養の認識が薄く、特に75歳以上の後期高齢者になると低栄養改善の食生活も受け入れて貰えないことの多いのが現状です。ですから、65歳~70歳の間の介護予防の段階で、できる限り早期に対応することが、低栄養状態になることを防ぐ(すなわち要介護状態を防ぐ)ことにつながると私は思っています。
年代や病状などによって、管理栄養士の関わり方はそれぞれ異なります。「食」は「薬」ではないため、はっきりとした形での結果が現れにくいのが、管理栄養士の仕事です。しかし、専門分野が違っていても健康に繋がっていることには変わりはありません。
フリーランスの栄養士として様々な年代の方と接していますが、共通していることは、その方が自分の「身体」に合わせた「食」を考えられるようにお手伝いをするということです。おいしく食べることが元気な生活に繋がるように、そんな手助けをしたいと思っています。
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